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GOOD BYE YESTERDAY
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婚約していた当時、禮子には文也とは別に好きな男性がいた。
だが禮子は文也の存在を気にして、誰にもそのことを明かせないでいた。
でもね、薄々は気づいていたよ。
自身のカップをかたむけ、文也は濃く苦い珈琲を味わう。
だからだろう。結納の日程であるとか式場の予約であるとか、主役そっちのけで両家の協議がそんな段階まで進みつつあったある日、禮子とふたりきりの席で文也の口から本音がこぼれ落ちたのは。
「本当にこのままでいいのかな」
短い一言だった。この発言をどこでどんな時間帯になしたかは忘れてしまった。それどころか、本当に口にしたのかすら定かではない。心の中で思っただけかもしれない。だが一番可能性が高いのは、思いが無意識のうちに口をついていたというものだ。だとしたら文也は自分がクリーム色のダブルのスーツを着ていて、彼女が花籠文の緋の着物を着ていた日の午後だったと思う。
文也の思い、あるいは思いが結集した滴のような一言は禮子の背中を押した。
委細は省略するが結果的に、禮子は自分の気持ちに素直に生きると決め、想い人と駆け落ちして姿を消したのである。
「今日はひとりなのかい? 彼は? ……新婚だろう、君」
「結婚したこと知ってるの?」
禮子は驚いたように問い返した。
ああそうか。
しまったな、と文也は思う。
そういえばアレは俺がみた夢だったか。
夢のなかで文也は見たのだ。純白の花嫁衣装に身を包む禮子を。
そして聞いた。彼女と、その花婿とのあいだにかわされた会話を。
誰にも聞かれるはずのない、漏れようのない会話だったというのに、文也はまるでその場に立ち会っていたかのようにはっきりと言葉を聞き取った。
幻視なり幻聴だったと片付けるはたやすい。
でも俺は、あれが実際にあったのだと確信している。最低限、あれにちかいものが。
だが夢のことを話しても仕方がない。
「簡単な推理だよヘイスティングス、君は薬指に指輪を二つつけているじゃないか」
「あら名推理ね、ミスター・ホームズ」
ヘイスティングスに呼応するのはポワロさんだよと文也は思ったが、そんな野暮は口にしない。
「彼、仕事で別に用事があって。このあたりで落ち合う予定なの。位置情報、送っていいかしら?」
「もちろん」
電子機器一切が大の苦手の甥っ子だったらここで、「位置情報ってなに!? 気球か狼煙(のろし)でも上げるの!?」とひとしきり狼狽しただろうなと文也は内心ふふふと笑った。
「じゃあ、彼が来るまでにとっておきの珈琲を淹れてあげるよ」
いい豆が入ったばかりでね、と文也は棚に手を伸ばした。エチオピア産、現地語で祝福の言葉の銘柄で、実際祝い事の贈呈用につかわれる種類だという。この店で結婚式の二次会でも開催されたとき用に、と注文したのだが、入荷してまもなくそんな奇特なカップルはいないかと遅ればせながら気がついたものである。カップル寸前のふたりなら心当たりはあるが、万が一結ばれたとしても彼らが結婚式をするかどうか怪しいし、してももっと洒落た店を選ぶだろう。
「結婚生活について教えてくれないか。小生、いや、私には経験も予定もなくてね」
「文也さんだっていつか」
「あいにくと興味のほうもないんだ。だけどもしかし、禮子さんの話を聞けば興味が出てくるかもしれない」
「だったらいいことだけピックアップしないと」
と歯を見せた彼女は、夏の山で木に登り、クワガタを手に降りてきたときの少女と同じ目をしていた。
二杯目のカップが空になり、お茶請けのロールケーキが姿を消したころ、ささやかな鐘がもう一度鳴った。
「来たわ」
紹介します、と禮子に連れられてきたのは、いわゆる美形ではないかもしれないが、性格の良さが顔にでている好青年だった。
ああ、彼が彼女の運命か。
「こちら私の幼なじみで」
禮子が自分を紹介する言葉に、文也はなんだかはにかんでしまう。
幼なじみ、そうだね。
本当に、そうだよね。
俺たちの関係をあらわすのに、これ以上の表現はないと思うよ――。
背を向ける若夫婦を眺めていて急に、言い忘れていた言葉が文也の頭に浮かんだ。
「待って、最後に」
伝えなきゃいけない。伝えたい。
「結婚おめでとう。これからもずっと、しあわせでいてね」
君たちには『このままで』いてほしい。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年03月30日
参加申し込みの期限
2023年04月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年04月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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