【寝子祭】届け銀河の涯てまで！　輝きをキミと｜リアクション

【寝子祭】届け銀河の涯てまで！　輝きをキミと

★後夜祭★

　全てのイベントが終わり日も落ちて。
　後夜祭の時間が訪れた。

「キャンプファイヤー！　フォークダンス！」
　恵御納夏朝ははしゃいでいた。
「キャンプファイヤー……火はちょっと苦手にゃ。でもフォークダンスは楽しそうにゃ！」
　パペットから再び人の姿になったハルくんが言う。
「ハルも混ざっていいなら混ざりたいにゃ」
「いいんじゃない？　暗くなったしこれだけたくさんいればわからないよ」
　夏夜が言う。
　フォークダンスは基本男子が内側、女子が外側だが、厳密に決まっているわけではない。
「夏夜ちゃんと一緒にフォークダンスを躍れるね。僕は外側で踊るね」
　夏朝が言うと、

「僕は内側で踊る、男ではないけど夏朝と躍るならこうなるね」
（まぁ、途中で踊る相手は変わるんだけどね）
　と思っている夏夜。
「男子が内側？　ならハルは内側なのにゃ」
　それぞれの位置について、ダンスが始まった。

　お辞儀し、手をつなぎ、ステップを踏んでくるりと回り。
「皆はこうやっておどるのにゃ、楽しいにゃー！」
　浮かれているハルくん。
　一曲踊って、ようやく夏朝は気づいた。
（……って、しまったフォークダンスだと相手変わるんだった！）
「夏夜ちゃんまた後でねー！」
「うん、夏朝。また後で」
　名残惜しそうに別れる二人。
「ハルくんとも一緒に踊るよ。こうやって一緒に踊れて、嬉しい」
「ハルも、かーさと踊れてうれしいにゃ！」
（ハルくんも内側だから、一緒に躍るなら、どちらかが外側に変わった時かな）
　そう思う夏夜。
　ダンスに参加している人数は多いが、どこかで隙を見て外側に出るのもいいかもしれない。

（楽しかった寝子祭ももう終わり。来年は卒業生として、遊びに来れたらいいな。できれば夏夜ちゃんとハルくんと……）
　夏朝は思う。
　そして夏夜も思っていた。
（来年は卒業生として、夏朝やハルくんと一緒に来れたらいいね）

　ダンスが終わった。
　人だかりから離れたところで、
「かーさとかやは楽しめたかにゃ。ハルも楽しかったのにゃ」
　そう言うハルくんは眠そうだ。
「ちょっと疲れたから……猫パペット姿で動かずに寄り添ってもいいかにゃ？」
「ハルくん……疲れたなら、少し寝て良いよ。僕も一緒にいるから、ね」
　夏夜の言葉に、ハルくんはパペットに戻った。
　夏朝は猫パペット姿に戻ったハルくんをそっと撫でる。
「おやすみなさい、起きたら一緒に帰ろうね」
（すやすやにゃ……）