【寝子祭】届け銀河の涯てまで！　輝きをキミと｜リアクション

【寝子祭】届け銀河の涯てまで！　輝きをキミと

　すべての出場者のパフォーマンスが終了し、結果発表の時間となった。
「皆さん、素敵なパフォーマンスをありがとうございました。皆さんの思いはきっと銀河に届いたと思います。審査はとても難航しましたが、なんとか賞を決めさせていただきました。お待たせしました、結果発表です！」
　バニーガール姿の絢が入賞者を読み上げる。

「まずは……美スター寝子高。お隣の七夜さんと一緒に、キラキラした幸せを見せつけてくれた、八神修さん！」
「おめでとう、修君！」
　あおいの祝福に、修は驚くでもなく嬉しそうな微笑みを向ける。
　拍手の中、修は優雅に一礼し、一言述べた。
「ありがとう。あおいと一緒に取った賞だから、カップル賞でも良かったんだが」　

「次に、裏ミス寝子高は……可愛らしさで観客を魅了した銀河のプリンセス、桜井ラッセルさん！」

「えっ？！　俺？」
（名前言ったら海道にばれちまうじゃん！）
　焦って海道がいた席に視線を向けるラッセルだが、そこにはすでに彼の姿はなかった。
「ど、どうも……」　
　拍手喝采の中、とりあえず舞台挨拶でするように、片足を引いて片手を胸の前に当て、一礼する。

「そして、ミス寝子高は……」
　固唾を呑んで聞き入る、出場者と観客たち。
「思いのこもった美しいバラードで、銀河に届く愛を叫んだ……朝鳥さゆるさん！」
　割れるような拍手の中、無表情だったさゆるの目が、見開かれる。
「おめでとう！」
　観客席で飛び上がって手を振るじゅんの姿が、うっすら滲んだ。

「……」
　無言で一礼するさゆる。
　じゅんに届いたなら、それでいい。そう思う。

「絢ちゃん、おつかれさま」
　ミスコン終了後、真優理は制服に着替えた絢と合流した。
「今日はたくさんフォトジェニックな写真を撮ったよー」
「えっ？　真優理さんったら、また……」
　ニコニコと写真を見せられ、絢は赤面するのだった。

「シオさん、今日はどうだった？」
　一通り巡った終了時間近くに、タルトが訊いた。
「本当に色んな才能を持つ人、それを支える人が居て『キラキラ』してますね。普通だって思いながら当たり前をしている人ももちろん同じです。もやもやにも、大事な『キラキラ』が隠れて居るのかも」
「さすがシオさんだね、目の付け所がすごいや」
「いえ、それほどでも……。タルトさん、楽しい学園祭巡り、ありがとう」
「どういたしまして♪　僕も楽しかったよー」

　寝子祭を目いっぱい楽しんだ瑠樹は、名残惜しく思いつつ帰ることにした。
「後夜祭も気になるけど、お家に帰らなきゃだからねぇ。もっと大きくなって、寝子高生になってからのお楽しみって事で」
　もっとも、本祭には来年も遊びに来るつもりだ。
（来年の寝子祭も、にゃーっと盛り上がりますようにー！）