- 0
- 0
- 種族
-
- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【寝子祭】届け銀河の涯てまで！ 輝きをキミと
やりきれない思いで前夜祭を終えた霧生愛は、適当に祭りを楽しんだあと、再び羽生碧南と浅見柚乃と合流してミスコンの準備をした。
「最後のミスコンだから何着て行こうか迷ったんだけど……一年、二年と水着だったし、結局水着にしようかなって」
一年、二年とバスケ部の面々に水着部門への出場をいつのまにか申し込まれていた碧南。
しかし今年は、自分から一緒に出たいと柚乃と愛を誘ったのだった。
（１１月になって暖房もなしに水着とか寒いんですけど）
内心思う愛だが、碧南先輩の希望なので文句は言わない。
「星や宇宙をイメージさせる柄のもので統一したいわね。パフォーマンスは三人で地球を模したボールでバスケとダンスを融合させたものなんてどうかしら」
碧南の言葉に、三人で部活の合間を縫って集まり練習した。
（これで少しは仲良くなってくれないかな）
柚乃と愛の険悪な状況を改善できたらとの願いも空しく、相変わらず柚乃は碧南にばかり熱いまなざしを向けていたが。
だが最後のリハーサルの結果は納得のいくもので、三人は緊張もなくステージに立った。
碧南の水着は美しい星空の柄が入ったワンピース水着だった。
愛も星のデザインの水着を探してきたが、柚乃は銀河というか星座図の柄の水着を身に纏っている。
（気合入ってるなあ。どこで探してきたんだろ）
（碧南先輩のために、成功させなきゃ！）
そう思い、柚乃は寮に帰ってからもしっかり練習してきた。
なんならバスケよりも熱を込めて。
ダンスビートの曲が始まる。
地球を模したボールを使って、リズムに乗ってダンスしながらドリブルしたりパスしたり、ステージを縦横無尽に動き回って披露する。
トラベリングやダブルドリブルの反則を取られる心配はないのに、身に着いた習慣はなかなか抜けないのかそういう動きは避けた振り付けになっている。
踊りながら、碧南は後輩二人の動きに満足していた。
（バスケの動き中心とはいえ、あの短時間でよく振り付けを覚えてくれたわ。ダンスコンクールだったらいい線いったんじゃないかしら）
自分に向けられる柚乃の思いは感じている。
慕ってくれるのは嬉しいけど、どうしようもない。
（女同士だからという以前に、私は鷹取先輩が好きなんだもの。卒業すれば忘れてくれるかしら）
けれど自分だって、卒業した鷹取先輩のことを忘れてはいない。
それに自分が卒業すると、柚乃と愛のいがみ合いを止められなくなる。
（どうにかならないものかしらね……）
軽やかに動き回る碧南先輩は美しく、魅力的だった。
柚乃はできることなら銀河に向かって叫びたかった。
「私は碧南先輩のことが大好きです！ 愛してる！」と。
（でもそんなこと言えない……碧南先輩は鷹取先輩とやらに恋している。私から見ればどこがいいのか全然理解できないけど）
だが碧南先輩の鷹取先輩とやらを見る目は、完全に恋する乙女の目だ。
（……悔しいけど、勝負ならすでについている。でも、だからって……諦められない……諦めきれない……！）
鷹取先輩とやらが碧南先輩にふさわしいと思える素敵な人だったなら、納得できただろうか。
柚乃は考える。
人は外見じゃわからない。内面は素晴らしい人なのかもしれない。
（……だとしても）
やっぱりこの思いを諦めることはできなかったろう。
そんな思いを振り切るかのように柚乃は力の限り舞い、踊った。
決めポーズと共にパフォーマンスは終わり、拍手の中三人はマイクを向けられた。
「銀河へ向かって、届けたい思いをどうぞ」
真ん中で二人の腰に手を回して笑顔を浮かべている碧南は、声の限り盛大に叫ぶ。
「名前はあえて明かさないけど、好きな人がいます。……あなたのこと、愛しています！」
どよめきと拍手が起こる。
柚乃は穏やかに微笑みながら声を上げる。
決して愛の方に視線を向けず、顔を碧南の方に向けている。
「私も、好きな人がいます。でも……その人とは片思いです……でも、その人のことを心から愛しています！」
再びどよめきが起こる。
（ああ、もう……なんでこんなの見ていなくちゃいけないの）
愛は、できることなら回れ右して帰りたかった。
しかし流れ上おさまりが悪いので、少しアンニュイな表情のままマイクに向かって、やけくそで叫ぶ。
「……みんな、幸せになりますように！」
「愛する人へのストレートなメッセージ、素敵ですね」
絢がコメントする。
大きな拍手の中、三人はにこやかに、しかし目を合わせずステージを降りていった。
「最後のミスコンだから何着て行こうか迷ったんだけど……一年、二年と水着だったし、結局水着にしようかなって」
一年、二年とバスケ部の面々に水着部門への出場をいつのまにか申し込まれていた碧南。
しかし今年は、自分から一緒に出たいと柚乃と愛を誘ったのだった。
（１１月になって暖房もなしに水着とか寒いんですけど）
内心思う愛だが、碧南先輩の希望なので文句は言わない。
「星や宇宙をイメージさせる柄のもので統一したいわね。パフォーマンスは三人で地球を模したボールでバスケとダンスを融合させたものなんてどうかしら」
碧南の言葉に、三人で部活の合間を縫って集まり練習した。
（これで少しは仲良くなってくれないかな）
柚乃と愛の険悪な状況を改善できたらとの願いも空しく、相変わらず柚乃は碧南にばかり熱いまなざしを向けていたが。
だが最後のリハーサルの結果は納得のいくもので、三人は緊張もなくステージに立った。
碧南の水着は美しい星空の柄が入ったワンピース水着だった。
愛も星のデザインの水着を探してきたが、柚乃は銀河というか星座図の柄の水着を身に纏っている。
（気合入ってるなあ。どこで探してきたんだろ）
（碧南先輩のために、成功させなきゃ！）
そう思い、柚乃は寮に帰ってからもしっかり練習してきた。
なんならバスケよりも熱を込めて。
ダンスビートの曲が始まる。
地球を模したボールを使って、リズムに乗ってダンスしながらドリブルしたりパスしたり、ステージを縦横無尽に動き回って披露する。
トラベリングやダブルドリブルの反則を取られる心配はないのに、身に着いた習慣はなかなか抜けないのかそういう動きは避けた振り付けになっている。
踊りながら、碧南は後輩二人の動きに満足していた。
（バスケの動き中心とはいえ、あの短時間でよく振り付けを覚えてくれたわ。ダンスコンクールだったらいい線いったんじゃないかしら）
自分に向けられる柚乃の思いは感じている。
慕ってくれるのは嬉しいけど、どうしようもない。
（女同士だからという以前に、私は鷹取先輩が好きなんだもの。卒業すれば忘れてくれるかしら）
けれど自分だって、卒業した鷹取先輩のことを忘れてはいない。
それに自分が卒業すると、柚乃と愛のいがみ合いを止められなくなる。
（どうにかならないものかしらね……）
軽やかに動き回る碧南先輩は美しく、魅力的だった。
柚乃はできることなら銀河に向かって叫びたかった。
「私は碧南先輩のことが大好きです！ 愛してる！」と。
（でもそんなこと言えない……碧南先輩は鷹取先輩とやらに恋している。私から見ればどこがいいのか全然理解できないけど）
だが碧南先輩の鷹取先輩とやらを見る目は、完全に恋する乙女の目だ。
（……悔しいけど、勝負ならすでについている。でも、だからって……諦められない……諦めきれない……！）
鷹取先輩とやらが碧南先輩にふさわしいと思える素敵な人だったなら、納得できただろうか。
柚乃は考える。
人は外見じゃわからない。内面は素晴らしい人なのかもしれない。
（……だとしても）
やっぱりこの思いを諦めることはできなかったろう。
そんな思いを振り切るかのように柚乃は力の限り舞い、踊った。
決めポーズと共にパフォーマンスは終わり、拍手の中三人はマイクを向けられた。
「銀河へ向かって、届けたい思いをどうぞ」
真ん中で二人の腰に手を回して笑顔を浮かべている碧南は、声の限り盛大に叫ぶ。
「名前はあえて明かさないけど、好きな人がいます。……あなたのこと、愛しています！」
どよめきと拍手が起こる。
柚乃は穏やかに微笑みながら声を上げる。
決して愛の方に視線を向けず、顔を碧南の方に向けている。
「私も、好きな人がいます。でも……その人とは片思いです……でも、その人のことを心から愛しています！」
再びどよめきが起こる。
（ああ、もう……なんでこんなの見ていなくちゃいけないの）
愛は、できることなら回れ右して帰りたかった。
しかし流れ上おさまりが悪いので、少しアンニュイな表情のままマイクに向かって、やけくそで叫ぶ。
「……みんな、幸せになりますように！」
「愛する人へのストレートなメッセージ、素敵ですね」
絢がコメントする。
大きな拍手の中、三人はにこやかに、しかし目を合わせずステージを降りていった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2023年03月26日
- 参加申し込みの期限
-
- 2023年04月02日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2023年04月02日 11時00分
