【寝子祭】届け銀河の涯てまで！　輝きをキミと｜リアクション

【寝子祭】届け銀河の涯てまで！　輝きをキミと

☆『美・スターコンテスト』☆彡

　寝子祭のメインイベントであるミス寝子高コンテスト。
　今年は『美・スターコンテスト』として、水着部門を分けることなく開催されることとなった。
「今年はどんな姿を見られるのかなぁ。わくわくするねぇ」
　観客席では、曖浜瑠樹がぬいぐるみを抱えて楽しみに待っていた。
「ラピちゃんラズちゃんと一緒に、皆を応援するよぉ」

　司会を担当するのは、例によってバニースーツを着用した青山絢。

（でもこれで一応、バニースーツはこれが最後の着用になるのよね。留年でもしない限り）
　いろんな意味でそれだけは避けたい。
　そんなことを思いつつバニースーツを着た瞬間、背筋が伸びる。
　引っ込み思案な自分は鳴りを潜め、威風堂々と物怖じしない司会者となる。
　今年もセクシーかつ可憐に司会をこなすのだった。

「絢ちゃんはミスコンの司会をやるみたいね」
　従姉の真優理もデジカメをスタンバイしている。
（絢ちゃんと言えばバニーガール。さて、今日もやはり定番の黒エナメルで来るのかしら？）
　登場した絢を見て、思わず声を上げた。
「って、青のエナメル！　星座のデザインを大胆にあしらって……素敵！」
　テーマである銀河にちなんだスーツである。
　すっかりメロメロになった真優理は、当然のようにデジカメで写真を撮りまくるのだった。
（絢ちゃんの高校最後の寝子祭、しっかりと記録しておかなきゃ）

　食べ歩きの途中、巫部紫苑は思い出した。
「あら、そういえば……ミスコン？っていうのに参加していたんでした」
　参加募集をしている所に偶々立ち寄って勧められるままに参加を決めた紫苑。
「去年も一昨年も水着だったから水着持ってきたんですけど……水着じゃなくても良かったんですね……」
　会場で説明を読んで気づいたが。
「でも、折角だから着替えちゃいましょう、お気に入りの一つですし♪」

　マイペースにステージに登場した紫苑は、パレオを翻しながらクルっと回って一礼する。
（確かステージに出て来た人ってこんな事してたなぁ……）
　というおぼろげな記憶からだが、そのセクシーさと可愛らしさに拍手が湧き起こった。
　
　絢がマイクを向ける。
「銀河の果てまで届けたい思いを聞かせてください」
「えっと、銀河の果てまで届けたい思い……ですか？」
　首を傾げつつ紫苑は答える。
「そうですね……いつか銀河の果ての美味しいものを食べに行きたいです！　宇宙は広いですから、きっと私が想像できない様な不思議で美味しい食べ物がいっぱいあると思うんですよね……地球の食べ物も勿論ですけど、そんな銀河の食べ物もいつか味わってみたいです♪」
（今年は大食い勝負がないからちょっと物足りないですね）
　去年のコンテストのことをを思い出したら、お腹がすいてきた。
「そうなんですね……ありがとうございます」
　戸惑いを顔に出さず絢は司会進行するが。
「私はこの後、お祭の美味しいものを全部味わいたいと思います♪　銀河の前にお祭を食べ尽くしてきますね」
　にっこりとそう言った紫苑は、悠々とステージを降りていくのだった。