【寝子祭】届け銀河の涯てまで！　輝きをキミと｜リアクション

【寝子祭】届け銀河の涯てまで！　輝きをキミと

　やっと交代になった月原想花は、何か食べようと店を探していた。
「あ、ぼくのクラスでメイド喫茶をやっているんだっけ」
（お腹が空いたと言ってもがっつり食べるほど空いてないし、お茶とケーキですませるか）
　そう思い入ってみると、
「いらっしゃいませ、お嬢様」
「……って、月原さん」
　クラスメイトの川上紗櫻都（シャルロット）がメイド姿で出迎えた。
　あいかわらずのタテ巻ロールの髪で度肝を抜かれる。
（コスプレとしては似合っているけどね。紗櫻都さんのほうがよっぽどお嬢様っぽいよ）
　ハロウィンの時といい、ここ最近彼女と何かと話すことが多かった。
「受け付けお疲れ様。何になさいますか、お嬢様」
「えーと、『メイドさんチーズケーキ』と紅茶をください」
　適当にケーキと紅茶を頼み、やっと人心地ついた。
「ところでもう受け付けは終わったのよね？　相談があるんだけど」
「……えっ？」
　ケーキを運んできた紗櫻都は、いつの間にか想花の向かいに腰を下ろしていた。

　時子は、いろんな場所を見て回っていた。
「できるだけ回りたいですね。あ、あれは……尚輝先生！」
　思いがけず五十嵐尚輝先生を見つけ、声をかける時子。
「ああ、御巫さん」
　先生の声に張りがないような気がする。
「先生、ちゃんと休憩されてますか？　休憩も兼ねて一緒に回りませんか？」
　もっとも元気のない先生を見るのは珍しくない。
「尚輝先生は食事を忘れることがあるので心配です。忙しくても食べてくださいね」
「……そういえば今日はまだ食べていませんでした」
「でしたら屋台で何か買いましょう。にゃっぽも残ってるので。何がいいですか？」
「そうですね……できれば野菜以外で。元気の出るものがあったら」
「はい」
　時子はおにぎりとフランクフルト、それにお茶を買って、尚輝先生とベンチに座った。
「一緒に食べましょう」
「いただきます」
　おにぎりにかぶりつき、お茶を飲んで人心地ついたように、
「うまい」
　とつぶやく尚輝。
「尚輝先生、これからの予定はどうですか？　後夜祭でご一緒したいのですが」
「わかりました。なるべく早く抜けてきます」
　フランクフルトをかじりながら尚輝は言った。　
「楽しみにしています。無理せず頑張って下さいね」
　このまま戻ってしまうのでしょうか、と気になる時子。
「はい。……それじゃ、戻る前にどこか一か所だけ見ましょう」
「いいんですか？！」　
　それから時子は、尚輝先生と共にプラネタリウムを楽しんだのだった。