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【寝子祭】届け銀河の涯てまで！ 輝きをキミと
巫部 紫苑にとっても最後の寝子祭となる。
「今年の寝子祭はどんな美味しいものが出てるのでしょうか……ふふ、今回も全部味わいたいですね♪」
まずはにゃっぽを十分なだけ両替。
パンフレットとチラシを見て食べ物系の場所をチェックし、食べ歩きルートを決める。
最初に見えるのは出店だ。
「いらっしゃいませ」
「メニュー全種類ください」
「えっ？ ありがとうございます！」
「こういうお祭ならではの料理って雰囲気もあって、普段とは違う味わいがあって良いんですよねぇ」
目についた出店のメニューを食べつくし、紫苑は校舎内に向かう。
「この調子で全部のお店の全部メニューを制覇したい所です♪」
パンフレットで、気になるメニューを見つけた。
「『銀河ソーダ』『天の川ジェルプリン』『星降る夜空ゼリー』『流れ星パフェ』……素敵ですね、名前だけでも美味しそうです」
紫苑は家庭科同好会の喫茶店へやってきた。
宇宙船の乗組員っぽい感じのコスプレをした生徒たちが忙しそうに接客している。
「メニュー全種類ください」
例によってこの注文をすると、皆の視線が集まる。
「あ、巫部先輩」
青いソーダをこしらえていた２年の水上 桜が紫苑に気づいた。
「こんにちは、水上さん。生徒会もあるのに大変ですね」
のんびりと声をかける紫苑。
今年生徒会副会長の桜と去年生徒会書記だった紫苑は、直接引継ぎはしていないものの面識がある。
「ええ、今年は実行委員こそしていないけど、生徒会役員として全体的な進行状況を見なけりゃならないし、その上で所属している水泳部と家庭科同好会を掛け持ちして、そちらの方も同時進行でやらなきゃならないしで正直しんどいです……」
つい本音をこぼす桜に、紫苑は癒すような微笑みを向ける。
「焦らなくていいですからね。ゆっくりやってください」
「ありがとうございます」
「銀河ソーダ」「天の川ジェルプリン」「星降る夜空ゼリー」「流れ星パフェ」銀河や宇宙を模したメニューはどれも目にも鮮やかな青色が美しく、可愛い星なども飾られていて、お客は皆歓声を上げてスマホを構えている。
青は乾燥させたバタフライピーのパウダーによるもので、もちろん味も自信作だ。
「ごちそうさま。とってもおいしかったです」
あっという間に銀河メニューを制覇した紫苑は、次の店を目指すのだった。
２年の有沢 茉奈は、初カレと共に寝子祭を過ごすという人生最高潮の時を迎えていた。
サマーバレンタインで出会った相手はマタ大芸術学部の１年生で、閑野カノン、19歳。
日本人の父親とフィリピン人の母親との間に生まれたイケメンだ。
（話をしたら外面だけでなく中身もイケメン。もうこれはお付き合いするしかないでしょ！）
友達の桜には、からかうため幽霊云々という作り話をしたりしたけど、それはもうネタばらしをしていた。
今日は彼を寝子祭に誘い、色々と案内していた。
「本土出身で大学進学を機に寝子島に来たなら、寝子高のことは知らないよね。すごく面白い学校なのよ」
お人好しな方で、細かいところに気が利く茉奈は、親しい人にはとことん尽くす女だと自覚している。
「そろそろ何か食べて休もうか。家庭科同好会に行こう。友達がいるの」
茉奈はカノンを連れて家庭科室へやってきた。
「あ、桜！ すごい繁盛してるね。うわ何このスイーツ、綺麗！」
「あ、茉奈……」
「ね、カノンくんは何にする？」
「そうだな……この、星降る夜空ゼリーを」
「じゃああたしもそれにする！」
注文を済ませた茉奈は、桜の元へやってきてのろけ話を始めた。
「彼にね、制服の君も可愛いね、って褒められちゃった♪ 口だけで褒めてるんじゃないのよ、私の目を見て優しく言ってくれるの。制服のデザインもいいけど他の子より君が一番似合ってる、って！」
「……そ、そう……」
盛大にのろける茉奈に、桜はやや、いやドン引きしている。
（いや、その話今する？ こっちはかなり忙しいんだけど？）
と正直に言うのもはばかられるので、
「彼氏ほっぽりだして大丈夫？」
とやんわり指摘するにとどめた。
言われた茉奈はハッと気づいた様子で、
「いっけない！ ごめ～ん」
すぐに彼氏の方に戻っていった。
（さっさとスイーツを食べてもらってお引き取り願いたいわ）
正直そう思う桜であった。
「ごちそうさま、それじゃ後でね～」
そう言って茉奈は彼氏と共に去って行った。
入れ違いに入ってきた客に、桜は目を見張った。
「よう、桜」
今付き合っている彼氏──滝沢匠だ。
「来てくれたんだ」
茉奈に向けていた営業スマイルが途端にほどけた。
サマーバレンタインのイベントで出会った彼と、今は順調に付き合っている。
（イケメンというわけじゃないけど、見慣れればなかなかいい顔だと思うわ）
つい茉奈の彼氏と比べてしまったが、ほめ上手じゃなくても匠は誠実な人だと思う。
「流れ星パフェ１つ」
「はーい」
注文に顔がほころぶ。
（滝沢君って甘いものが好きなのよね）
付き合ってみて初めて分かったことだった。
「今年の寝子祭はどんな美味しいものが出てるのでしょうか……ふふ、今回も全部味わいたいですね♪」
まずはにゃっぽを十分なだけ両替。
パンフレットとチラシを見て食べ物系の場所をチェックし、食べ歩きルートを決める。
最初に見えるのは出店だ。
「いらっしゃいませ」
「メニュー全種類ください」
「えっ？ ありがとうございます！」
「こういうお祭ならではの料理って雰囲気もあって、普段とは違う味わいがあって良いんですよねぇ」
目についた出店のメニューを食べつくし、紫苑は校舎内に向かう。
「この調子で全部のお店の全部メニューを制覇したい所です♪」
パンフレットで、気になるメニューを見つけた。
「『銀河ソーダ』『天の川ジェルプリン』『星降る夜空ゼリー』『流れ星パフェ』……素敵ですね、名前だけでも美味しそうです」
紫苑は家庭科同好会の喫茶店へやってきた。
宇宙船の乗組員っぽい感じのコスプレをした生徒たちが忙しそうに接客している。
「メニュー全種類ください」
例によってこの注文をすると、皆の視線が集まる。
「あ、巫部先輩」
青いソーダをこしらえていた２年の水上 桜が紫苑に気づいた。
「こんにちは、水上さん。生徒会もあるのに大変ですね」
のんびりと声をかける紫苑。
今年生徒会副会長の桜と去年生徒会書記だった紫苑は、直接引継ぎはしていないものの面識がある。
「ええ、今年は実行委員こそしていないけど、生徒会役員として全体的な進行状況を見なけりゃならないし、その上で所属している水泳部と家庭科同好会を掛け持ちして、そちらの方も同時進行でやらなきゃならないしで正直しんどいです……」
つい本音をこぼす桜に、紫苑は癒すような微笑みを向ける。
「焦らなくていいですからね。ゆっくりやってください」
「ありがとうございます」
「銀河ソーダ」「天の川ジェルプリン」「星降る夜空ゼリー」「流れ星パフェ」銀河や宇宙を模したメニューはどれも目にも鮮やかな青色が美しく、可愛い星なども飾られていて、お客は皆歓声を上げてスマホを構えている。
青は乾燥させたバタフライピーのパウダーによるもので、もちろん味も自信作だ。
「ごちそうさま。とってもおいしかったです」
あっという間に銀河メニューを制覇した紫苑は、次の店を目指すのだった。
２年の有沢 茉奈は、初カレと共に寝子祭を過ごすという人生最高潮の時を迎えていた。
サマーバレンタインで出会った相手はマタ大芸術学部の１年生で、閑野カノン、19歳。
日本人の父親とフィリピン人の母親との間に生まれたイケメンだ。
（話をしたら外面だけでなく中身もイケメン。もうこれはお付き合いするしかないでしょ！）
友達の桜には、からかうため幽霊云々という作り話をしたりしたけど、それはもうネタばらしをしていた。
今日は彼を寝子祭に誘い、色々と案内していた。
「本土出身で大学進学を機に寝子島に来たなら、寝子高のことは知らないよね。すごく面白い学校なのよ」
お人好しな方で、細かいところに気が利く茉奈は、親しい人にはとことん尽くす女だと自覚している。
「そろそろ何か食べて休もうか。家庭科同好会に行こう。友達がいるの」
茉奈はカノンを連れて家庭科室へやってきた。
「あ、桜！ すごい繁盛してるね。うわ何このスイーツ、綺麗！」
「あ、茉奈……」
「ね、カノンくんは何にする？」
「そうだな……この、星降る夜空ゼリーを」
「じゃああたしもそれにする！」
注文を済ませた茉奈は、桜の元へやってきてのろけ話を始めた。
「彼にね、制服の君も可愛いね、って褒められちゃった♪ 口だけで褒めてるんじゃないのよ、私の目を見て優しく言ってくれるの。制服のデザインもいいけど他の子より君が一番似合ってる、って！」
「……そ、そう……」
盛大にのろける茉奈に、桜はやや、いやドン引きしている。
（いや、その話今する？ こっちはかなり忙しいんだけど？）
と正直に言うのもはばかられるので、
「彼氏ほっぽりだして大丈夫？」
とやんわり指摘するにとどめた。
言われた茉奈はハッと気づいた様子で、
「いっけない！ ごめ～ん」
すぐに彼氏の方に戻っていった。
（さっさとスイーツを食べてもらってお引き取り願いたいわ）
正直そう思う桜であった。
「ごちそうさま、それじゃ後でね～」
そう言って茉奈は彼氏と共に去って行った。
入れ違いに入ってきた客に、桜は目を見張った。
「よう、桜」
今付き合っている彼氏──滝沢匠だ。
「来てくれたんだ」
茉奈に向けていた営業スマイルが途端にほどけた。
サマーバレンタインのイベントで出会った彼と、今は順調に付き合っている。
（イケメンというわけじゃないけど、見慣れればなかなかいい顔だと思うわ）
つい茉奈の彼氏と比べてしまったが、ほめ上手じゃなくても匠は誠実な人だと思う。
「流れ星パフェ１つ」
「はーい」
注文に顔がほころぶ。
（滝沢君って甘いものが好きなのよね）
付き合ってみて初めて分かったことだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2023年03月26日
- 参加申し込みの期限
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- 2023年04月02日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2023年04月02日 11時00分
