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LIQUID -Star Chronicle- 月の杯編
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【ストーリークエスト『月の杯』(1)】
サイディア王国から西へ。起伏激しい険しき山道を抜けると、その威容を目にすることができる。ワインツ帝国、帝都ソーヴィニオンはいかめしい城壁に城門、石造りの強固な街並みをもって冒険者たちを出迎えた。
メインストーリー攻略に集ったパーティメンバーは8名。道行きはなかなかの大所帯となった。
「ほっほう! こりゃあ壮観じゃのう。人間もちょっとはやりおるわい」
アーロン(プレイヤー:
片夏 阿呂江
)はからからと笑う。白く長いひげをたくわえた老人だ。頭頂部は禿げ上がり、見事につるりと日の光を照り返している。手には宝石をあしらった長杖。召喚術師、新クラスのイビルサモナーである英雄キャラの一人だ。
人間の技術に興味津々(表向きは否定しているが)な阿呂江が、VRに初挑戦! 意気揚々、ヘッドマウントディスプレイをかぶり、さっそく無料ガチャにて引き当てたのがこの老人であった。
「儂が動かしておるぞ!」
古いあやかしのコミュニティに生まれた阿呂江は普段から老人めいた話しぶりだから、老召喚士アーロンとしての振る舞いは見事なまでに合致していた。
隣を歩むのはオラクルヒーラーのアヤカ(プレイヤー:
綾辻 綾花
)と、ウェポンマイスターのケイ(プレイヤー:
早川 珪
)。
「珪せんせ……ケイさん。お仕事は大丈夫でしたか? 私、いっしょに遊びたくて。思わず誘っちゃって」
「大丈夫、構わないよ。僕も息抜きは必要だからね。始めやすいのも良かった……とはいえ、こういうゲームは初めてでね」
ケイの動きはいささか覚束ない。おおっと、なんてよろめいてはたびたびアヤカに支えられている。そんなシーンは微笑ましくもあるが、前衛を務める彼が立ち回りを誤れば、一気にパーティが瓦解する可能性も無きにしもあらず。
とはいえ、支え合いもまたパーティプレイの一環である。
「大丈夫ですよ、ケイさん。私も初心者ですし、いっしょに頑張りましょう」
「うん、ありがとう。なんとかやってみるよ」
「いざという時は、俺たちも援護しますよ」
心強い言葉は、オサム(プレイヤー:
八神 修
)だ。かたわらにはアオイ(
七夜 あおい
)の姿もあった。
勉強ならひと通り嗜む彼は、コンピュータやソフト・ハード面の知識にも明るく、転じてこうしたVRゲームにも含蓄が深かった。
「アオイもまだ初心者だから、みんなも支えてやってほしい。もちろん俺もサポートするよ」
「うん、よろしくね!」
オサムは特異な魔法を操るスペルブレイカー、アオイは軽装備のインファイトを得意とするウェポンマイスターだから、相性はいいだろう。
眺めてみるとパーティメンバーのバランスはとてもよい。ポラリス(プレイヤー:
スピカ・フォーツ
)と凛風(プレイヤー:
鷹司 凜太郎
)の美女英雄キャラコンビもまた前衛・後衛をそれぞれに担当し、隙が無い。
「それで……今回のクエストは」
「<月の杯>というのが、研究所から盗まれた。という話だったね」
「うん……頑張ろう、ね。リンタ……凛風」
VRの外では恋人同士の二人は連携精度が抜群なだけでなく、立ち位置の距離も近い。ともすればイチャイチャと絡み合っていることもあり、たびたび他のメンバーを赤面させたりもした。とはいえまあ、微笑ましいものだ。
ふむ、と首を傾げたのは、ソフィア(プレイヤー:
月原 想花
)。
「月の杯、ね。よほどに重要な遺物だったと見えるわ」
前回の冒険
を経て手に入れたあのちっぽけな杯に、どれほどの意味が込められていたというのだろうか。外見は何の変哲もない杯であったし、目を奪われるような美麗な装飾が施されていたわけでもない。稀少な宝飾品としての価値は見い出せそうになかった。それでいて、あの場においては死に瀕したゴブリンを強烈に惹きつけ、狂わせた。
そもそも発見された場所からして、古代文明の遺跡の真っただ中、不思議な光る液体が走るチューブが壁に這う、奇妙な機械群に囲まれた祭壇であったのだ。依頼者がワインツの国立研究所に預けて調査を求めたことからも、何か重大な秘密を持つ遺物であることは想像に難くない。
「まー難しいことは置いといて、じゃ。まずはやってみりゃ分かるじゃろ」
「賛成です。研究所に行ってみましょう」
アーロンとアヤカが言うと、彼らはうなずき合い、堅牢なワインツ城門をくぐる。
「物々しいな……」
鎧と剣を帯びた警備兵にじろりと睨まれ、オサムは眉をひそめた。
調査は聞き込みから始まった。
広大な敷地面積を擁する研究所は、固まっていてはとてもカバーしきれない。手分けして取り掛かることにする。
「月の杯の盗難事件に、連続殺人事件。何か関連があると見て間違いなさそうだね」
凛風が言うに、ポラリスもこくりとうなずく。
二つの事件はまったくの同日に発生している。殺害された研究所員らもまさしく杯の研究を行っていた者が多く、その点は疑う余地もないだろう。
不明なのは動機だ。
「貴重な遺物を……取り合った?」
「換金しようとしてかい? どうだろう。聞き込みによれば、ここの給与は良かったらしいし、研究員なら学問的探究を優先しそうなものだよね」
「うん……そう、かも」
月の杯が保管されていた部屋、最初の犯行現場は雑然と散らかっていた。おそらく価値ある品であろう奇妙な遺物がいくつも床に転がっており、ガラス片がそこかしこに飛散している。床や壁にはいまだ赤黒く血痕が残されていた。
凛風が腕を組んだ拍子に、たわわな双丘がふるんと揺れる。プレイヤーは男前の凜太郎であり、ゲーム内での己の身体にはいささか無自覚なところがある。
「ん? ポラリス、どうしたんだい。顔が赤いけど」
「な……なんでも、ない!」
恋人にはもう少し気をつけてほしい、それで道行く男性プレイヤーを悩殺などされても困るし、とポラリスは思うのだが、どう説明したものか。
場違いな悩みに暮れていたら、
「犯人は、ジャックのやつですよ!」
唐突にそんな声が響いた。部屋の外の廊下で、研究員らしき男がふたり、声を荒げている。
凛風はポラリスへ、しい、と唇に指を立てた。扉の前で耳をそばだてる。
「ジャックと私は親友だったんだ、あいつがそんなことをするわけがないだろう!」
「しかし、俺は見たんだ! ジャックがヘンリーへ殴りかかるところを!」
「だがおかしいじゃないか。ヘンリーが殺される前に、ジャックもファリンから突然暴力を受けたと訴えていたんだぞ。おかしいじゃないか」
「そのファリンも一週間前から姿が見えないし、一体どうなってんだ……?」
殺人事件に発展する前に、研究所では暴力事件が起こっていたらしい。研究員たちはいずれも人当たりが良く、長く勤めるうち互いに家族のような絆を感じていたというし、協力して研究に当たっていたから、彼らにとっても青天の霹靂だったことだろう。
「遺物が……研究員を、狂わせた? それが、月の杯……?」
「ポラリス! ちょっといいかい」
ふと凛風に呼ばれ、ポラリスは思考を中断する。
彼は犯行現場の奥にある壁の一角で、やはり腕組みして胸を揺らしていた。
「僕のスキル<心眼>で、この部屋を調べてみた。すると、この壁がどうやら……」
「……壁の穴を……塞いである?」
元素表のような大きな紙で隠されているが、触れてみると確かにへこみがある。この奥にある何事かを、慌てて隠したかのようだ。
「開けてみよう……!」
ポラリスにうなずき、凛風は紙に手をかけ、一気にそれを破り去った。
「「……!!」」
ごとり、穴の中からこぼれ落ちるようにして床へ倒れたのは、女性の死体だった。
駆けつけた研究員によれば、死体の名はファリンと言うらしい。
「新たに死体が見つかったらしいね」
「そうなんですぅ」
「わたし、怖くってぇ」
「大丈夫だよ。僕たちが解決するから、心配しないで」
「きゃあ、頼もしい~!」
アヤカは気が気ではなかった。
いや、分かってはいるのだ。ケイを取り囲む女性研究員たちはNPCであり、本物の女性ではないどころか、プレイヤーでさえないのだ。いまいちそこが分かっていないらしいケイは愛想よく応対しているが、笑顔は分け隔てない彼の優しさの賜物であり、アヤカが嫉妬の念を寄せるような事案では全くないのだ。
分かってはいる。分かってはいるのだが、どうにも胸がざわついてしまう。
「け、ケイさん! そろそろ向こうの調査をしにいきましょう」
「ああ、そうだね。それじゃ君たち、何か新しい情報があったら教えてね」
「「はぁ~い!」」
これみよがしに彼の手を引き、その場を離れる。
(私、けっこうやきもち焼きなのかな……)
「次はどっちを調べようか? あそこの部屋はどうかな、まだ見ていなかったよね」
3Dモデリングされた彼が、少年のように輝く笑顔でそう言った。ゲームというものを遊び慣れていないこともあってか、すっかりハマっているようだ。先ほどの女性研究員たちへの応対も、純粋に攻略を楽しむがゆえのことではあるのだろう。
アヤカだって、初心者であるのに変わりはないのだが。思わずくすりと苦笑いをもらした。
「そうですね。行ってみましょう」
しばし、いくつかの部屋を巡って手がかりを探す。月の杯を盗み出し、連続殺人事件の犯人とも目される人物は、一体どこへ行ったのか?
研究成果の収められた棚を探り、うず高く積まれた書類をかきわけ、研究員らへの聞き込みも続ける。
「う~ん、なかなか見つかりませんね……きゃあっ!?」
突然、アヤカの腰のホルダーから何かが飛び出した。
「わ、私の魔導書が……!?」
「本が勝手に動くのかい?」
「はい、意思のある魔導書なんです!」
魔導書はレアアイテムで、冒険のヒントを見つけてくれるのだ。鳥のようにページを羽ばたかせ、魔導書はアヤカらを先導するように飛ぶ。二人は慌てて後を追った。
やがて魔導書が飛びこんだのは、研究室のひとつ。
「ん、これは」
ケイが何かを拾い上げる。一冊の本だ。どうやら、研究員の日記らしい。
表題には、アディーラの日記、とある。
「もしかして、例の杯を研究してた人の日記でしょうか?」
「読んでみよう」
ケイがページを繰るのを、アヤカも肩越しに覗き込む。
『月の杯。みすぼらしい遺物だ。古代文明の痕跡をずっと研究してきたけど、あまりそそられない。こんなちっぽけなカップが一体なんだと言うのだろう』
はじめのページは達筆で、意にそぐわない題材の研究についての愚痴やぼやきが主に記されている。
が、ページが進んでいくうち、文字は乱れ、その筆致も変化してきた。
『あの杯が頭から離れない。<ウォーターダイヤモンド>のような美しさも無ければ、<紅茶鉄の車輪>のような緻密さもない、あんなにもつまらない杯なのに』
『目が離せない。いつも杯のことを考えてる。どこからきて、なんのためにつくられたのか』
『月が私を支配する。もう逃れられない。なんて崇高だろう、これほど美麗で精緻な遺物が他にあるだろうか』
最後は、かろうじて読み取れるくらいに乱れた文字で、こう書かれていた。
『誰にも渡さない。私のものだ』
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10人
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10人
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2023年02月05日
参加申し込みの期限
2023年02月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年02月12日 11時00分
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