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キャットロード・セレナーデ
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【本とクレープとウォルターさん】
キャットロードはアーケード街だが、屋根をかぶる通りは明るく光に満ちていた。つい、浮かれてしまう。本に日光は大敵だというのに、
倉前 七瀬
の胸は弾んだ。
商店街にはいくつか古書店もある。七瀬のお目当てはそれだ。馴染みの店を覗き、背表紙も見ず手にとった一冊をぱらぱらとめくる。途端、連なる文字が波濤のように七瀬の視覚へ飛び込んできて、脳の空き領域をみっしりと埋めていく。この感覚がたまらない。いつまでも文字の羅列に浸っていたくなる。ジャンルも出来も問わず、ただ文字であればそれで良かった。七瀬は決して読書家ではなく、あくまで活字中毒なのだ。
「はっ」
我に返る。放っておいたらいつまででもそうして没頭してしまう。店員のじっとりとした目も気になってきたので、適当に手にとった数冊を購入しそそくさと店を出る。
同じことを数軒で繰り返し、鞄が本の心地良い重さでずっしりとしたところで、空腹を覚えた。
(なんだか、甘い匂いが漂ってますね~)
ふらふらと香りに誘われ、クレープ屋へ入店する。その直前に見たコロッケやらから揚げやら、肉まんやらにも惹かれるものはあったが、頭を振ってにわかに湧いた優柔不断を追い出した。
いちごのクレープを購入し店を出る。左には肩へかけた鞄の重み。右にクレープ。横合いから差しこむ太陽の光があたたかく、七瀬の顔をほころばせる。
帰ったら思いきり、文字に浸かろう。店員に疎まれることもなく、誰はばかることなくページを広げ、思うさま文字の奔流を浴びるのだ。
午後の楽しみに思いを馳せていたところで、ふと見知った顔が目に入った。
「あれ。ウォルターさん?」
ててて、と小走り。声をかけると、
ウォルター・B
は七瀬の見慣れた笑みを浮かべた。
「やぁ、奇遇だねぇ。倉前も買い物かい?」
「はい、本を……ウォルターさん、荷物がたくさんですね」
「服とか小物類とか、日用品とか。いろいろねぇ」
寝子島高校の恩師とは、こうして街中で偶然出会ったり、時に七瀬から声をかけて相談に乗ってもらったり、良い付き合いが続いている。近年なかなか貴重な関係だろうと思うし、七瀬も彼に感謝している。
もっとも七瀬の抱く感情は、そればかりではないのだが。
「それ、どんな本買ったの? というか、全部本?」
「はい~。見ますか?」
キャットロード内にあるベンチで二人、しばしの休憩とする。並んで座り、ウォルターは興味深げに七瀬の鞄を開く。
「国語辞典。高波 荒太郎の『猫平捕物帳』。『楽してお金を稼ぐ方法・現代版』……これ実用書?」
「そうみたいです」
「『500円でひと手間クッキング』。倉前、料理するっけ」
「いえ、そんなにせんとです」
「『俺とアイツの恋模様 ~BL花吹雪~』……これは?」
「なんでしょう……?」
七瀬がかくんと首を傾けると、ウォルターは可笑しそうに笑った。本であればよく、文字があれば満足なのであり、内容は問わないのだ。ウォルターは七瀬のそんな活字中毒を知っているし、理解してもいるから、雑多にすぎる本のラインナップに何ら意味はないと分かっているだろう。
「相変わらずだねぇ、倉前は」
「はぁ。ヘンでしょうか。変わらないといかんでしょうか」
「そんなことないよぉ。倉前は倉前だからねぇ」
ほう、と心があたたまるのを感じる。彼といると、居心地が良かった。他愛ない会話の全てが意味ある文脈となるし、これだから彼といっしょにいたいのだと、七瀬は感じる。
別段彼と恋人になりたいだとか、そういう好意ではないのだと、七瀬は思っているのだが。
「君の感性をとやかく言う輩がいたら、蹴り上げてやればいいよぉ」
「それ、先生の言うことですか?」
「もちろん、比喩表現てやつ。たぶんねぇ?」
くすくすと肩を揺らす彼を眺めていると、少なくとも七瀬の胸はぽかぽかと火が灯った。
「って、それ、クレープ。ちゃんと持ってないと、こぼれちゃうよぉ」
「あ。忘れてた……」
いちごのクレープが傾き、ホイップがこぼれそうになっている。
自分でぱくりとやればよかったけれど……なんとはなしに。
「ウォルターさん。ひと口食べます?」
「え、いいの? それじゃ遠慮なく」
あんぐと口を開け、ぱくり。本当に遠慮がなく、彼のひと口は相当に大きかったが、むしろそれが嬉しかった。遠慮のなさはきっと、距離の近さだから。
「ん~。甘いねぇ」
「美味いですか」
「うん、美味い。今度僕も買おうかなぁ」
七瀬もひと口。幾度か食べたことのあるクレープも、今日はなんだかやけに美味だ。
「……ふ」
「どうかしたとですか、ウォルターさん」
「口のとこ。クリーム。ついてるよぉ」
彼と同じ味を共有しているからだろうか。七瀬は口も拭わず、ほんわかと頬を緩めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月25日
参加申し込みの期限
2023年02月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年02月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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