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\ オーバータイム!/
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君に、酔う
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あの芳醇。炭酸はきつくない。すっきりとして、目の覚めるような清廉な飲み口。それでいてノスタルジックにやわらかくあたたかな思いが去来する。香る林檎がもたらすものか。
(もう一度、飲みたいな)
ウォルター・B
のいつだって不敵な笑みと紐づけられているからとは思う。それでも
稲積 柚春
の舌や喉は鮮明に記憶している。
かのシードル
の味わいは柚春にとって、特別な体験となったらしい。
ブラックウッド家のメイド、
メアリ・エヴァンズ
へそれを伝えたのがきっかけだった。いつ頃からだったか、彼女とは気軽に連絡をやりとりする仲である。
件のシードルはもともとメアリが好んでおり、ウォルターが気を利かせて毎年の秋にフランスのノルマンディー地方からはるばる取り寄せているという。その中から供したのが先の飲み会での一本だった。メアリもかぱかぱと開けるほうではないから、今年の分はまだまだ残りがある。そのうち一本を開け、柚春が相伴にあずかる……というより一緒に味わうのも悪くない、と彼女のほうから提案してくれた。
そんな風にして、柚春はブラックウッド邸を訪れている。ここへ来るのは何度目のことだったろう。
「メアリさん、リンゴが好きなのかなって。タルトタタンを作ってきました」
「まあ、素敵な香り。柚春様はお菓子作りもお上手でございますね」
「メアリさんほどじゃないけど。ありがとうございます」
さっそく切り分け、メアリが運んできたシードルと合わせていただく。
「……うん! この味。さっぱりしてて、なんだか懐かしくて……もう一度飲みたかったんです」
「それはようございました。柚春様のタルトタタンも、リンゴの風味が際立って、とても美味しいですよ」
「良かった!」
フランスの伝統菓子だ。キャラメリゼしたリンゴを敷きつめ、タルト生地とともに焼き上げる。今年から一人暮らしを始めたから、いやでも料理や製菓の腕前は上がった。このタルトタタンにしても、何度も練習した成果が出ていて良い出来だと自負していたから、熟達したメイドであるメアリに褒められるのは柚春の自尊心を大いに満たしてくれた。
ばん、と勢いよく客間の扉が開いたのは、その時だ。
「やあやあ柚春。良くきたねぇ。二人とも、僕をのけ者にするとはひどいじゃないかぁ?」
「えっ。うぉ、ウォルターさん?」
突然の乱入。邸宅の主は酔っているようだった。赤らんだ顔をして、手には何やら皿を二つも持っている。
別にのけ者にした覚えはないし、姿が見えないからひとまずメアリと二人で始めていただけだったのだが。メアリが訝しげに首を傾げた。
「ウォルター様。こんな昼間から、お酒を召したのですか」
「え? うん。まあね、いや、飲んだっけ? いやぁ、飲んだ覚えはないけどなぁ」
「確かに、お酒の匂いはしないけど……」
何だか様子がおかしい。柚春とメアリは顔を見あわせる。二人はこの日吹き荒んだ神魂の風のことなど知る由もなかった。
彼女らの困惑もそしらぬ振りで、ウォルターは皿をタルトタタンの脇へいささか乱暴に置いた。
「うッ。ウォルターさん、これは……?」
「最高のシードルを味わうには、最高に相性の合う料理が必要だと思ってねぇ」
「……ウォルター様が、お料理を?」
家事の類は有能にすぎるメイドへ任せきりな彼である。厨房を訪れることさえ稀だというのに、自ら料理をこしらえたというのだ。
しかし唐突なやる気に満ち満ちていても、経験不足が覆されるわけもない。おまけに彼はいかなる理由か、深々と酔っている。
「ブルターニュ風ガレットに、カマンベールチーズ。こちらはブーダン・ノワールのリンゴ添えでございます」
皿の上は惨憺たる有様であった。
メアリが額に手を当て、頭を振る。きっとキッチンの惨状を思い浮かべているのだろう。
「柚春様。わたくし、少し様子を見てまいります。ウォルター様のお相手をお願いしてもよろしいでしょうか」
「う、うん。まかせて」
客間を出てゆくメアリと入れ替わり、柚春の隣へどっかと座り込んだウォルターは、心地良さそうに目を細めている。
「ウォルターさん、どうしちゃったの?」
「ん~? どうもこうもないさぁ。僕はただ、このシードルをだねぇ……」
「あ、ちょっと、ここで寝ちゃダメだよ! ウォルターさん……ワットってば!」
幾度か酔った彼を見たことがあるが、そのどれとも様子が異なる。
今日の彼は、まるで手のかかる子どものようだ。
(……なんだかちょっと、かわいいな)
ウォルターはメアリのグラスにシードルを勢いよく注ぎ、それを自分で取り上げて、高らかに叫ぶ。
「乾杯! ほら、柚春も。せっかく美味しいシードルに美味しいお菓子に、美味しいおつまみがあるじゃあないか。楽しまないと! ねぇ?」
「うん、じゃあ……乾杯」
ひどい料理ではあるが、おそらく彼なりに柚春を歓待しようと考えてのことではあるのだろう。おぼつかない手つきで、それでも柚春のために用意してくれたのだろう。
柚春はちりん、とグラスを鳴らす。
「……すきだよ」
「え?」
「し、シードルがね! 美味しいよね、ワット!」
「うんうん、そうだろう、僕の料理ときたらこれがなんとも絶妙で味わい深く……」
言葉半ばで、寝てしまった。柚春は彼の手から落ちかけたグラスを慌てて拾う。
せっかくだからとブーダン・ナントカをひと口かじってみて、真っ黒焦げの苦味に悶絶した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
お色気
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月19日
参加申し込みの期限
2023年01月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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