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君に、酔う
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書店でのアルバイトが長引き、
綾辻 綾花
は夜の下、家路を急いでいた。新書を納入する業者に事故があったらしく、閉店間際になって大量に運び込まれたコミック類へ、明日の発売日に向けシュリンクかけ作業に追われていたのだ。割高な残業手当がつき綾花としてはありがたくもあったが、おかげで現在午後21時近く。門限もない猫鳴館暮らしで誰かに叱られるなんてこともないものの、夜道を一人歩くのはいささか不安もあった。
だから路上に
早川 珪
の姿を見つけた時は、飛び上がるくらいに嬉しかった。
「珪先生!」
「……ん? うん。ああ……綾辻さんか。やあ、いい夜だね」
よろめく身体を壁に支え、珪は綾花をどこかじっとりとした目で見定めた。
「珪先生?」
いつもの理知的で冷静ながら快活な彼の様子と、いささか違って見える。顔は赤らんで足取り定まらず、ともすれば崩れ落ちてしまいそうだ。慌てて駆け寄り、肩を支える。
「珪先生、酔ってます? お酒、飲み過ぎたんですか?」
「いや。飲んではいないんだ。ただ先ほどから……」
言葉半ばでかくんと首が落ち、急にのしかかる彼の体重を押し返すのに、綾花はしばし奮闘した。
「先ほどからどうも、体調がおかしくて。普段はこんなこと、ないんだけどね」
「だ、大丈夫ですか……?」
彼がワインを好むことは知っているが、ここまで泥酔するほど痛飲する姿はちょっと想像できない。責任ある大人であり、彼はそれを自覚しているし、自制心も過分なほどに備えている。
誰かに無理やり飲まされたのだろうか。寝子高教師陣の付き合いで? しかしこのご時世、そんなパワハラ上司のような同僚が寝子島高校の教員にいるだろうか。
しかし何より……綾花はすんすんと彼の首元に鼻をひくつかせる。彼の様子から、アルコールを摂取したのであれば相当の酒量と思われるが、そうした匂いは一切漂ってこない。感じるのは彼のちょっとした体臭くらいのものだ。いつも身だしなみに気を使っている彼だからちっとも臭くないし、なんなら良い香りでいつまでもかいでいたいくらいで、
「……ってそれどころじゃない!」
綾花は珪を彼のアパートへ連れていくことにした。ここからほど近いところにあり、何度か訪れたこともある。
「珪先生、送りますね」
「ああ。うん……すまないね。綾辻さん……いつもはこんなこと、ないんだけど」
「はい、分かってます。大丈夫ですよ」
「うん……」
頼りになるいつもの彼と、何だか弱々しい彼のギャップが少々おかしくて、くすりと笑ってしまった。
寝子島高校にほど近いアパートへ着くと、珪のポケットをまさぐり鍵を取り出し、部屋へ入る。酔った彼を介抱して自宅へ送り届けるだなんて、なんだか特別な関係になったみたいではないか。よぎる少しばかり不埒な思いを、綾花は首を振って追い払う。
「珪先生、ひとまずソファに。お水、飲めますか?」
「ん。ありがとう……もらうよ」
勝手知ったる、とまではいかないが冷蔵庫を開け、戸棚から取り出したコップへミネラルウォーターを注ぐ。
コップを持って戻ると、
「ああ、ここで寝ちゃダメですよ、珪先生!」
彼はすっかりソファに沈み込んでいた。
少しずつ肌寒くなってきたところであるし、毛布の一枚や二枚かけてあげてそのまま、というのも忍びない。彼の口へどうにか水をひと口流し込むと、再び肩口へ自分の身体を差しこみ支え、ベッドへと運ぶ。
「もう少しです。そこですよ」
「ん。うん。うん」
彼が身動ぎをした、その瞬間に。
「わ!」
足がもつれ、二人は絡まり合うように倒れ込んだ。
幸いどこもぶつけたりすることはなく、痛みもないが身体全体に重圧感を感じ、綾花は思わず伏せた目を再び開く。
「珪……先生?」
彼が間近に綾花を見つめていた。唇を引き結び、何か、どこか、耐えるような面持ちを浮かべている。
跳ねのけることもできず、あまりの距離の縮まりように綾花の頭からは思考という思考も吹き飛んで、真っ白だ。生徒と先生だし。確かに彼を好き、でも告白だってまだしていないし、こんなふうに流されるようにだなんて。覚悟は、あるけれど。
「綾辻さん……」
彼の手のひらが伸びてくるのを、先生の手って意外に大きいんだよね、などとつまらないことを考えながら待つ。手のひらは綾花のふくよかな胸に触れるか触れないか、というところでぴたりと止まり、逡巡するように幾度かの開閉を繰り返してから、通り過ぎて綾花の頬へ添えられた。
珪の唇が近づく。以前、偶然にキスをしてしまったことはある。けれどこれは違う、酔いに惑っているとはいえ、まぎれもなく彼の意志による行動。そのはずだ。
彼が自ら唇を唇へ押し当てる、その直前に、
「……ごめんね。綾辻さん……大丈夫。大丈夫だから……」
ぷつり途切れた言葉を最後に、彼は眠りに落ちてしまったのだった。
翌日、珪は何も覚えていなかった。朝、自宅に綾花がいるという事実にこそ蒼白になった彼へ、大丈夫、何もなかったですよと伝えて綾花は微笑む。
酔うとその人の本性が現れるというが、昨夜の彼はどうだったのだろう?
触れるのをこらえるように見えたし、衝動にかられながらも彼の意志と理性が打ち勝ったとも見えた。
少なくとも、大切にされていると感じた。彼が綾花を、彼自身から守ってくれたのだと。
(まあ、ちょっとだけ、残念だけど)
彼の想いを胸に抱きしめ、あたたかい気持ちに満たされながら、綾花はアパートを後にした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
お色気
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月19日
参加申し込みの期限
2023年01月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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