第二回、大漁確定の釣り大会！｜リアクション

第二回、大漁確定の釣り大会！

【釣り大会、開幕！！】

　夏の豊かな日差しの下、夏休みの間時間があった寝子高の生徒たちが理事長の呼びかけに応じて寝子ヶ浜海岸へと集まっていた。
　ここから、ボートで各漁船に乗り移り、そのまま釣り大会へと移行するのだ。
「ふふふ、ついにこのときが来たわね！」
　こちらに運んで設置した特設サマーベッドにどーんと座りながら、理事長こと桜栄あずさは生徒たちが次々と漁船に乗り移っていく光景を眺めながら、満足そうに頷いた。
　きっと、頭には今夜の魚やお酒に合うおつまみの想像が描かれているのだろう。
　そんな満足そうな顔も、その後ろにある欲望をあまり隠すには至っていない。
（隠す必要すらないかもしれませんが･･････）
　檜扇唱華は、そんな理事長を見ながら、やれやれと見えないように少しだけ息をついた。
「あ、宴会の準備は後でいいから、とりあえず釣りに送り出しちゃって」
　そんな理事長の言葉に頷くと、唱華は学生たちをサポートするために、船に乗り込むのであった。

　一方、だらだらと暑さにやられそうになりながらも、カメラを構えてこの釣り大会の様子を撮影している男がいた。
　雨垂ミゾレ。
　一応、行事のテイをとらねばいけないので、雇われたカメラマン･･････としてここにいる。
（面倒なことになっちまったなー）
　このミゾレは七月頃、なぜか･･････そうなぜか魚の写真を激写していた時期があった。
　そこで漁師たちと顔見知りになり、そういえば、とスクープに撮りに来ていたところをそのまま連れてこられて紹介されたのである。
　学生たちが漁船に乗り込み、次々と釣りに出ていく姿を撮影しつつ、自分が乗る予定の船を探す。
「やるって言ったからにはしゃーねー、釣りしてる奴らの写真でも撮るか。記者で鍛えた撮影スキルを見せてやるぜ」
　そう言って、カメラを大事そうに抱えて漁船へと乗り込んでいくのであった。

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