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新涼灯火
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小さな花が道ばたに彩りを添える季節になっても、風は少し冷たくて上着が手放せない。それでも春を感じたくて、
愛猫 萌々子
は昼食を持って中庭で良い場所を探していた。
カーディガンが風に煽られ、思わず身を縮ませる。ボタンを閉じておくべきだったかもと視線を落とした先、萌々子は僅かな違和感を覚えた。
(この服は……)
寝子島ととても似ているけれど、違う世界。萌々子の通う寝子島高等学校とよく似た、塗子島-ぬこじま-高等学校の制服だ。校章バッジの色からして、在学しているのは1年生だろう。
この世界――あぃびぃと言う名で制作している漫画【のののガール】について、知らぬことはない。ただそれは、世に出していない物も含めて構想が纏まっていることに限る。
(塗子島の物語は、4月の入学式と共に始まります。春のようで肌寒いと言うことは)
寒戻りでもなければ、恐らく春の早いうち。萌々子は3月頃ではないだろうかと予測した。校舎の人影も、心持ち少ない気がするのは、卒業式までの自由登校か既に式が終わっていて3年生がいないためだろう。
舞台の時期を特定すれば、起こるイベントは絞られる。主人公でもない自分は、それを影で支えて原作とズレないように立ち回るか、パロディとして引っかき回すかを作者権限で選べる、のだろうが。
(……私は、まだ決めていません。この重要なシーンをどう描くのか、迷っている)
大筋としては決まっている。この時期にラストバトルがあり、打ち勝った主人公
野音 のんこ
が重要な選択を迫られるも、変わりない日常がこれからも続いていく……そんな、モデルとなった
誰か
が歩みそうな、そうなってほしいという願いを込めるようなラストシーンは明確だ。
けれど、のんこ1人が戦い誰も彼女に救われたことを知らぬとするか、この1年を過ごした友と戦うのか。そういう細かいところはまだ決めかねている。
(どんな戦いになるか、わからない以上……私にできることは)
「どーんっ!!」
考え込む萌々子に笑いながらタックルをしてきたのは、のんこだった。これから何が起こるとも知れず、屈託無く「どーしたの?」なんて問いかけてくる。
「ま、まさか期末が終わったばかりなのに、抜き打ちテストある!?」
「ない、と思いますけど」
大きな試練のことを告げれば、展開が変わってしまう。萌々子は口を滑らさないように気をつけながら、のんこと他愛ない話を楽しんだ。
描き上げた世界では無い以上、ここは知っている塗子島ではないのかもしれないが、彼女と友好を深めていた世界ではあるようだ。
ならばなおさら、どう振る舞えばいいのだろうか。
(作者としてのんこを導くのか、友だちとしてのんちゃんを支えたいのか……)
実際のところ、【のののガール】の中で萌々子のような立ち位置のキャラクターはいない。いや、交友範囲が広く誰とでも打ち解けられる彼女には、その中で特別という定義がなく、友と認めれば誰もが親友となる……といったほうが正しいかしれない。
親友というモブの1人。それがこの世界での萌々子の立ち位置だ。
「あのね、のんちゃん……もし、ですよ?」
「うん?」
大きく無邪気な瞳が、なんだって楽しい物に変えて笑ってしまうことを知っている。
好き嫌いはハッキリしていて、嫌なことから逃げ出すときもあるけれど、悪いことには真っ向からダメだと言える強さも持っている。
それはモデルの彼女がそうだからで、のんこを形作ったのが萌々子だからだ。
(でも)
これから起こることは変えられなかったとしても、その後の選択は『のんちゃん』の望みだろうか。
誰かが選んでくれないかもしれない未来を、選んで欲しい理想を、目の前の彼女に託しては居ないだろうか。
――こわい
違う答えが返ってくるのが、受け止められず幻滅するのが。崇拝するがゆえに『彼女』を見てないとしたら、認めることが出来るだろうか?
――なら、全てが壊れてしまえば?
ざわりと揺れた木々のざわめきに紛れて、そんな声が聞こえた気がした。
春めいたというには生ぬるく、悪寒のする風が頬を撫でて鳥肌がたつ。
「……萌々子ちゃん?」
「ちが、そんなの……私は」
鈍い痛みがこめかみから広がるようにして、思考が散漫になる。思わず座り込んでしまった萌々子を心配するのんこの叫び声を遮るように、2人の間に割って入ったのはレオナルドだ。
「悠長なことはしていられない、空を見ろ!」
「なに、あれ……」
「お出ましなんだろ、招待なんざしてねぇってのに」
夕暮れとも違う禍々しい色が空を侵食していく。鳥は立ち去り犬は吠え、猫は驚き固まって――人は次々と意識を失って倒れ込む。
始まったのだ、『オワリノカミ』による……【ラスボス】による本格的な攻撃が。
「のんこ屋上だ! 急げっ!!」
「でも、萌々子ちゃんが」
「島中の人間が倒れているんだぞ、オマエは全員担いでいく気かっ!」
悔しそうに顔を歪めるのんこに声をかける余裕も無い。でもせめて気にせず決戦の場へ向かって欲しいと萌々子は微笑みかける。
「ぜったい……絶対助けるから!」
駆け出すのんこの背を見送り、痛みの増した頭痛に歯を食いしばる。
この戦いは見届けなければいけない、自分では思いつかないバトルシーンがあるかもしれないし、それに。
「……オマエ、ひとじゃないな? 能力持ちで多少耐性があったところで、ひとなら堪えられないはずだ」
レオが訝しむようにこちらを見ている。
創造主であることがバレたなら、この危機に対する責を詰められてもおかしくはない。物語の山場として、島中を混沌と化した『オワリノカミ』を造ったのは、間違いなく萌々子なのだから。
(私は……)
この世界の立ち位置は、未だわからない。
ただ間違いなく、【のののガール】の作者で、この世界や登場人物はそれと似ていて、まだ決めていないラストバトルのシーンではあるけれど。
「ひとじゃありません……私は、ののちゃんの友だちですっ!」
彼女1人で、戦わせるわけにはいかない。
決意を秘めた萌々子の瞳に、レオは満足げに笑う。
「上等だ、そのチカラ利用させてもらうぜ」
痛みを我慢するために土を握りしめていた手の甲に、レオが軽く触れると嘘のように痛みが引いていく。それそころか、身体が光り輝いてとても軽い……いや、浮いてる。
肉球型の文様が真っ直ぐに空へ光の柱を立てる。その1本はか細いけれど、島のあちこちから立ち上がった光は蔦が絡み合うように何かを編み上げていく。
(お願い、届いて……!)
タンッと地を蹴り、萌々子は軽々と屋上へ辿り着く。そこにはオワリノカミの攻撃をかわしながら交渉を試みるのんこがいた。
敵意がないことを見せるためか、反撃をしないのんこを嘲笑うように、その背後ではじわりじわりと黒い靄が広がる。気付けばそれは、彼女を飲み込みそうなくらい、大きく開いたおぞましい口となった。
「あのバカッ!」
食らい付かれる前に駆け出したレオは、簡単に振り払われて地に叩き付けられる。並大抵の力ではオワリノカミには及ばない、だけど。
「のんちゃん! 私が攻撃を食い止める間に、あれをっ!」
敵に一矢報いることが敵わなくても、攻撃を相殺することならできるはず。萌々子は衝撃波を操り、のんこが準備を整えるまで時間稼ぎを粘った。そしてのんこは、頭上で輝く光の束へ手を伸ばす。
思いが呼応するように、光はのんこの手に馴染む剣となって姿を現した。
「みんなの力を思いしれっ! 友情パワーDEスーパーつよつよソードっ!!」
触れたところから浄化されるかのごとく、いとも簡単にオワリノカミを切り裂いた。地響きのような断末魔だけ残し、敵が消えたことを証明するように空が晴れていく。
「倒した……やった、やったあ!」
おもわずのんこに駆け寄って抱きしめる萌々子も、すっかり忘れていた。
怪我をしたレオを優しく抱き上げて微笑む存在のことを。この戦いのあとで、ある選択が迫られることを。
(この世界の危機を救ったことで、のんこは神様になれる権利を与えられる)
その答えは決めてある。でも決まっているのは、自身で描く【のののガール】の中の話だ。
「のんちゃん……」
不安げな萌々子へ、のんこは無邪気な笑みを見せる。
ゆっくりと開いた口からは、けたたましい電子音が鳴り響いた。
こんな感動的なタイミングで、なんのバグか。
そう瞬いた萌々子の眼前には漫画のストーリープロットを書き込んでいるノートがあった。このあとは約束があるから、没頭しすぎないようにアラームを仕掛けていたんだ。
(ただの夢、ではなさそうでしたけど)
ノートには戦闘シーンの草案を書くばかりで、迷っていた名残がある。そこに先ほどの内容はなく、見てきた世界はやっぱり違うのだろうかと思案する。
(私の立ち回りで動けるキャラがいれば、採用もありですが……)
あれは、自分とのんこが切り開いた別の世界線でもいいかもしれない。
どちらにしようかと悩みながら、萌々子は約束に遅れないよう身支度を始めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月10日
参加申し込みの期限
2023年01月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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