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Who Knows What Love is?
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温かい珈琲にリラックスしたか、そこからしばらくウォルターと七瀬は本の話題に花を咲かせた。好きな作家について語り合い、読んだ本の感想を交換する。文也はあまり口を挟まなかったが、求められていくつか、短い意見を口にしたものである。
最近読んだ本ですけど、と七瀬はカバンから本を取り出した。
「去年出たばかりのエッセイ集です。抜群に面白くて」
これとか、と示すと、短い一節を読んでウォルターは吹き出した。
「大真面目な文体でこんなことを書かれたら笑わずにはいられないよねぇ」
「残念ながらこの著者は数年前に急死されたんですけどね。やけんこの本、この人の最初で最後のエッセイ集なんです」
「そうなのか」ウォルターはため息をついた。「寡聞にして知らなかったよ」
「よかったらお貸ししますよ。僕はもう読み終わって、ときどき読み返していただけやけん」
「いいのかい? ありがたく借りさせてもらうよ。それにしても……はは、読んだら声に出して笑ってしまいそうで、公共の場では開かないほうがよさそうだなぁ」
七瀬はこの本で幸せなひとときをすごした。ウォルターもそうあってほしいと願う。
文也は柱時計を見上げる。
いつまでも七瀬くんと先生を眺めていてもいいのだけれど。
頃合いと思って声をかけた。
「そろそろ店を閉める時間なんだ。でも」
と小首をかしげる。
「困ったことに雨、止みそうにないね」
「あっ、もうそんな」
七瀬は椅子から腰を浮かせた。楽しい時間がすぎるのは一瞬だ。もう外は暗い。
「七瀬くん、傘、持ってなかったろう? 先生もですよね?」
なので、と文也はカウンター下から大きな傘を取り出した。ビリジアンの上品な傘だ。十六本骨だがグラスファイバー製で軽い。
「使ってよ。今度来る時に返してくれればいいから」
「いいんですか?」
「もちろん。だけどね」
文也の眉が八の字に垂れた。
「残念なことに傘は一本しかないのですよ」
なんてね、という言葉を胸に秘す文也なのである。もちろん嘘だった。
けれど事実をおくびにも出さず、文也は両手で傘を水平に持って「はい」と七瀬に差し出した。
「まあ、というわけだから、これで仲良く帰ってくれたまえ」
雨の国イギリスでは、よほどのことがないと傘を差さないという話を文也は聞いたことがある。なので、『僕は傘なくていいから』などとウォルターが言わないか不安にも思ったが、
「ごちそうさまでした。傘もお世話になります」
案外あっさりウォルターは受けて、ぺこりと一礼したのである。郷に入ってはということなのか、レコードが濡れないか気にしたからか、それとも、
俺のたくらみに気がついていて、それでも乗ってくれたのか……なんてね。
いずれにせよ悪い展開ではなかろう。
「また来ますね」
先に出口にむかったのはウォルターだ。いいぞと思いつつ文也は七瀬の袖を引いた。ささやく。
「小生に言われたところで、恋も知らないくせに、と思うかもしれないけどさ。恋でも恋じゃなくても、前に踏み出さないと何も変わらないよ」
えっ、と声には出さないものの、七瀬の表情からは彼が意味を飲み込めていないことは明白だった。
まわりくどい言い方をするべきではなかったか。じゃあシンプルに――。
「自分の気持ちに素直にね」
これでいい。文也は七瀬の袖を離し、手を振るのだ。
「それでは、またのご来店を」
身長差もあるのでウォルターが傘を差し、先に店から出て七瀬を待っている。
七瀬も傘に入った。
お似合いじゃないか。
戸が閉まってもなお文也は、ふたりの気配が店内に残っているような気がしてならなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
思ひ出語り、恋語り
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
2人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月04日
参加申し込みの期限
2023年01月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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