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星太郎とアーナンド、書生ふたりの珍道中だ。
アーナンドは肩で風きりマントなびかせ、カラコロ下駄を鳴らして歩く。
いっぽう星太郎はわざと眼鏡の位置を動かしてみたり、「J・S・ミルいわく」などと哲学的論議(形だけ)をふっかけてみたり、これまた書生気質を吹かせ歩くのだ。
やってみるとスタンプラリーも案外楽しいもので、スタンプ帳がぽんぽんと埋まっていくとむやみに盛り上がる。
「あと、あそこの店も協賛店ですねー。その隣も」
「やったー! 早くもスタンプ十個集まるじゃない。何もらえるんだっけぇ?」
「十個だったらサンマさんシールですねー」
「う……アタシの分はアーナンドちゃんにプレゼントするわン。さくらちゃんとタクマちゃんで一枚ずつになっていいと思うしぃ☆」
「ありがとございまーす。ふたりとも喜ぶですよ」
おじさん同士で和気藹々とスタンプラリーをしつつとはいえ、漫然と歩いているわけではないのだ。ふたりは九鬼姫との待ち合わせ場所へと向かっていた。
「よく考えたら」
ふと気がついて星太郎は言う。いまさらながらではあるが言わずにはいられない。
「なぁんでアタシがコッチでスタンプラリーやってんのよ! アタシは小規模店主、ラリー客を受け入れる側じゃない通常ならっ!」
星太郎の美容室『エトワール』はスタンプラリー協賛店の申請をしなかったのだ。
「あーそれはたぶん、星太郎さんのお店が超忙しかったからではー?」
星太郎の店は個人経営なのだ。昨日の殺人的忙しさ下であれば、とてもではないがラリーの対応なんてできなかっただろう。
「そうなんだけどね。でもこれ言ってみたかったの。言ってみーたーだーけーでーすー!」
ほとんど八つ当たりみたいな言動だが、
「わかってますよー」
アーナンドはソフトに笑った。気を悪くした様子はまったくない。むしろ『星太郎さんらしいです』と喜んでいる風すらある。
ついついアーナンドちゃんにキーキー言っちゃうのは、アタシが彼の包容力に甘えてるだけなのかしらぁ。
でもちがうのよと星太郎は思う。
アタシ本当は甘えるより、甘えられたい男の子なんだもんっ!
シーサイドタウンのモールが見えると、にわかに星太郎は落ち着きを失った。
「どうしよ! 九鬼姫ちゃんいるわよね?」
キャーと声を上げアーナンドの広い背中に隠れる。
「ここからはわかりませんがー、どしたんです星太郎さん急に」
「これ言わなかったっけ? 言ったわよね!? こないだもデートしたけど、アタシ九鬼姫ちゃんとカレシカノジョの間柄になったって思ってるわけ! ていうかなったの! でさ、いまさらだけど『プロムナード』って恋愛禁止だったりしないわよね!? よね!?」
「ははは、そんなルールないですよー。交際、いいじゃないですか。九鬼姫ちゃんには、星太郎さんが必要ですよきっと」
「
ホントにそう思ってる!?
オヤジが若い子に熱上げてーとかなんとかあきれてない!?」
星太郎の口調たる鬼気迫るものがあったが、アーナンドは落ち着いたものだった。
「いいものですよー、熱上げるってのも。ほら、九鬼姫ちゃん、来てますよ」
「おう。ふたりとも」すぐに気づいたものらしく、九鬼姫が駆け寄ってきた。
一瞬迷ったのち星太郎は言う。
「かなちゃんおはよ!」
夜の業界人の世界では、夕方でもあいさつは『おはよう』である。
「かなちゃん?」九鬼姫が首をかしげた。
「やーだアンタのことじゃない。現代社会の戸籍上の名前。
八幡 かなえ
だから『かなちゃん』よ」反応が鈍いなと思ったので付け足した。「……『九鬼ちゃん』じゃないとやっぱダメ?」
「まあいまひとつピンと来んが、そちがそう呼びたいのなら好きにするがいい」
「いいの!?」
「そう昂(たか)ぶるでないぞ。許す」
九鬼姫はもしかしたら『どうでもいい』と思っているのかもしれないが星太郎の思いは別だ。
だって恋人同士じゃない! 特別な呼び方があっていいはずよ!
これでまた一歩九鬼姫もといかなちゃんに近づいたと確信するのである。
案の定九鬼姫はなんの仮装もしていなかった。流行遅れのボアフリースに野暮ったいスカート、いずれも量販店のしかもセールで購入したとおぼしきイージーすぎる上下である。でも心配はいらない。
「ところで今日はかなちゃんに似合いそうな衣装、いろいろ持ってきたのよ着てみない?」
近場に仮設更衣所があるのは調査済みだ。ホラホラこっち来て来て! と星太郎は彼女の背中を押した。
これを見届けて安心したのか、
「じゃ、ワタシはこのへんで失礼しますよー」
アーナンドはさっと姿を消すのである。
「あれ、アーナンドちゃん」
呼び止めかけたが星太郎は考え直した。アーナンドも家庭人だ。しかもシングルファーザーなのである。家では娘と息子が待っていることだろう。ここまでつきあってくれただけで十分であろう。
「でね、かなちゃんこれ見てよ。ポリエステルだけどね。でもポリの振袖も最近は発色柔らかいのが出てるのよー」
星太郎が彼女に勧めた衣装は振り袖、だが江戸時代というよりはもっと近代、それこそ大正時代あたりをイメージしたデザインだった。着替えてきた九鬼姫に、白いウエストエプロンを巻くのである。
「こんな感じでこうしてこうすれば……じゃーん! パスタレストラン寝子道の給仕さん風よ! 大正浪漫風と言ったほうがわかりやすい? いい感じでしょう~? うふふ、アタシの書生風とお揃いって感じね、嬉しいわ」
美しい人形を鑑賞するかのように、星太郎は九鬼姫をつくづくうっとりと眺めた。やはり見立てたとおりだった。レトロモダンな仮装は彼女にぴったりだ。
「プロムナードの衣装にしてもいいわぁ、汚しても心配ご無用よ、ポリだもの汚れには強いわン」いつもかなちゃんのこと考えてるんだからねと星太郎は言う。「この間のコスメポーチだって考えたのよ、ずいぶんと」
「いつも想われとるとは面はゆいのう」照れているのか九鬼姫の声はこもりがちだ。「……しかし礼を言うぞよ」
「そろそろ行かない? 今年最後のハロウィン☆デイズ見物!」
星太郎は手を伸ばす。
きゃ!
心臓がいきおいよく飛び出して北極まで到達するのではと星太郎は疑った。
まさか九鬼姫が応じてくれるとは思わなかったからだ。彼女は特に意識する様子もなく星太郎の手を握ったのだった。ほとんど無造作に。そうするのが当たり前であるかのように。
はあぁ~。
四十代後半、中年男子。だが男子。
とうに不惑を達成し、人生そろそろ天命を知る時期かという身かと、いささか達観しつつある星太郎だが、まだときめきを失ってはいなかった。
いやむしろこれからアタシ、人生最大のときめきタイムに入るのかもしれなわン!
歌うように呼びかける。
「アタシね、かなちゃんといっぱい思い出作りたいの。お仕事のときも、プライベートなときも。だからね、少しずつ特別にも慣れてほしいわ~」
「『かなえ』呼びもか?」
そうよぉと告げ、つないだ手と手から星太郎は熱を感じた。
「アタシ、かなちゃんの笑顔が見たいの、大好きよ……」
これを聞くなり九鬼姫は、からからと笑い出したのである。
「何を言うかと思えば! 安んぜよ、星太郎とおったら、わらわはいつも笑っておるよ」
九鬼姫の目は、星太郎を見ていなかった。ラストひと騒ぎとばかりに盛り上がるシーサイドタウンでもなくそのずっと上、雲に隠れようとする月を見ていた
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月15日
参加申し込みの期限
2023年01月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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