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寝子暦1371年のハッピー・ハッピー・ハロウィン☆デイズ!
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陽太は手を振った。
「ナターシャさん!」
来てくれたんですねとつとめて明るく呼びかけたのだが、
「ああ、昨日は取り乱してしまった。すまない」
ナターシャは視線を斜め下に落としただけだった。やはり『何かあった』のだろう。
彼女は白いベースボールキャップにグレーのレギンス、茶色のオーバーサイズシャツという組み合わせだ。レザージャケットの内側はタートルネック、黒いベースボールキャップという陽太の服装はたまたまだったが、まるで事前に打ち合わせてきたように同系列のとりあわせではないか。
「それで、あー、話というのは?」
「歩きながら話さないか。スタンプラリーとかいうものにも興味がある」
「本当に!?」
「嘘を言ってどうなる」
それからしばらく視線をさまよわせて、ナターシャはぽつりと言ったのである。
「ひょっとして似合わないのか……? 私と、スタンプラリー」
はっきりそうとは言わないが、ナターシャの眉間に傷ついたようなくぼみがあった。こうしているともうひとりのナターシャこと『クリス高松』に似ている。(同一人物なのだから当然だが)
大至急陽太は手を振るのである。
「あ、いえそんなっ! てっきりオレの希望にあわせてくれただけだと」
「私は、好きではないものを曲げて好きだと言えるほど人間ができていないよ。寝子島を歩くのも久しぶりだしな。最初はどこへ行く?」
「でしたよね」
聞けばナターシャが意識を取り戻したのは夏以来だという。ずいぶん長いこと沈黙していたものだ。一時期ナターシャには消滅願望があったというが、すでに安定したはずだ。しかし数ヶ月彼女の体はクリスとして生活していたのだ。
寝子島ハロウィン☆デイズは今日までである。といっても最後のひと盛り上がりだと言わんばかりに仮装している通行人は多い。だが周囲の視線が自然と視線が集まってくることに陽太は気づいた。自分たちはなんのコスプレもしていないというのに。
そっか、ナターシャさん目立つもんなぁ。
身長百九十センチ超、目の覚めるようなブロンド美女のナターシャなのである。まるでスーパーモデルだ。陽太だって背は高いほうなのに、彼女と歩いている限り見上げて話さなければならない。そういえば彼女は、テロリストを彷彿とさせる目出しマスクをしているときだけ本来の姿でいられたはずだ。事情が変わったのだろう。
「そこにスタンプありますよ」
さっそく教えると、黙ってナターシャは自分のスタンプ帳を広げた。
「押してくれ」
「いいですけど……ナターシャさんスタンプ嫌いなんですか?」
「ちがう。下手だ」
「下手?」
「下手なんだよ。こういうのが。まともに押せたことがない」
「まさかぁ。でもやってみましょうよ、ほらこれスタンプの下に敷くゴム台もありますから」
「そうか?」
無造作にナターシャはスタンプをとり、これまた無造作にポンと押しつけた。
スタンプは、半分以上がかすれていた。
「……見ろ」
ナターシャはうなだれている。押し方が雑すぎると言いたいが、それはそれで傷つけそうな気がして、陽太は頭をぽりぽりとかいた。
「じゃあ次からはオレが」
いや、とナターシャは言った。
「私がスタンプを押すから、その上から陽太が手で押さえてくれ」
いやそれはとは言い出せない。以後、手でナターシャがスタンプを押し、彼女の手に自分の手を重ねて押しつけるという謎の共同作業が繰り広げられることになった。
他愛もない言葉のやりとりはあったが、なかなかナターシャはメインの話をしないままだった。
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人気シリーズだけあって、寝子島には『魔法少女ミスティックエール』の仮装者は少なくなかった。でも大抵のエールはハローニャックで買える既製品なので、手製のエール装は異例といえよう。連れのアリアとWARマチーンもそろって手製、和気あいあいと街をゆく。コトコ、杏那、桐太の三人だ。コトコと桐太は手をつなぎ、そのすぐ後ろを杏那が歩いた。
ハロウィン☆デイズのスタンプラリーについて、コトコはしっかり事前調査してきたという。
「おみしぇいって『とりっくおあとりと』して、すたんぷらりするんれすね」
「そーそー。スタンプ百個集まったら超スゴ賞品全プレってことらしーっすけど、あーしらはとりま十個スタンプの景品シールを目指すっすよ」
トリックオアトリートの声が飛び交う。もちろんコトコも加わって、桐太ともどもお菓子を入手していった。
「うあー、おかしー、ありあとれすー!」
杏那はアリアに扮しているからか、逆に小さな子に「トリックオアトリート!」と呼びかけられ焦った様子だが心配はいらない。
「あんなねーね、こまったらぽっけ見てねって、かーかがいってたれす」
杏那の衣装のポケットには、コトコの母が仕込んだお菓子が入っているのだった。
「フォロー感謝っす」
コトコにだけ見えるように後ろ手でVサインして、杏那はお菓子を子どもたちに配った。べっこうアメのような定番もあるが、甘味は砂糖ではなく星幽塔にしかないロヘキシルの乾燥粉末だったりして、奇妙なしかし極上の甘さを提供した。一口食べた子どもたちは次々「なにこれ!? おいしい!?」と目を丸くする。
お菓子の家といえばヘンゼルとグレーテルだが、お菓子の島があるとすればそれは寝子島なのではないか。もちろん島そのものがお菓子ではないものの、どこにいってもコトコと桐太を魅了するお菓子にあふれているのだ。
この状況で目移りするなといっても無理というものだ。解き放たれた猛獣のようにコトコと桐太は行動する。
「あ、とー、あのおいしそーなのたべたいれすー!」
「ぼくもー!」
「あー、そんな走ったらだめっすよ~」
興味のむくまま惹かれるまま、あっちこっちスタンプ押してテイクアウトして、食べて遊んで散策を楽しむのだった。追いかける杏那も楽ではなかろうが、子どものお守りは性に合うらしくずっと笑顔で、ときとしてふたりを追い抜かしたりして笑わせた。
いまの寝子島は恋愛の島でもある。昨夜もさぞや多かったであろうが、今日もたくさんのカップルでいっぱいだ。女性同士や男性同士腕をからめる組み合わせもあるし、二度見してしまうほどの年の差ラバーズもある。もちろんそのすべてが恋人同士ではないはずだ。純粋に友達同士もあるはずで、じつは親子というのもあるだろう。不倫もあるにちがいない。
でもコトコにはみんなカップルに見えた。
とーと、とたにーにとおなじ。
ひそかに思った。でもなぜか、口に出していうのはやめておいた。
超がつくほど長身の女性と、少年のふたり連れが横切っていった。女性のほうは見覚えのあるような気がするが、みまちがいかもれすとコトコは思う。彼女の雰囲気というか、まとっている空気の色が未知のものだったからだ。
「え? こっち行きたいんすか? あんまスタンプラリー協賛店ないと思うっすよ?」
「いーの、とー、きになるのれす」
真昼のキャットロード、ひょいと角を曲がってコトコは足を止めた。
ライトの落とされたネオン看板が見える。光っていないのでわかりにくいが、たぶんモチーフは猫だと思う。
そうだ。なぜなのかコトコは、あの店が気になって仕方がなかったのだ。
「あ、カタカナ! とー、ならいまいた。こにょかんばん、よめましゅ! えと、ぷろむにゃーど……えっへん!」
アルファベットの“promenade”は無理だけど、小さく書いてある読み仮名だけなら問題ない。ふんすとコトコは鼻息するのである。
「すたんぷらり、ここもれきるれすか?」
「いやぁ、昨夜ならともかく今日は無理っすねえ」
休みなんで、と杏那は肩をすくめた。
「えー? どしてやすみなのねーねしってるれすか?」
「それは」と言いかけた桐太を制して杏那は言う。
「あーしの職場っすから。あーしにとっちゃかけがえのない店っす。仕事は嫌なこともあるけど、あーしの友達はみんなここにいるし、おおむね最高の場所っすよ」
でも、と杏那は看板を見上げた。
「それももうじき、終わっちゃうかもしんないんすけどね……」
はははと杏那は笑ったが、あまり楽しそうではなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月15日
参加申し込みの期限
2023年01月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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