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寝子暦1371年のハッピー・ハッピー・ハロウィン☆デイズ!
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噛みしめた唇から赤い血が一条、細い糸のようにしたたり落ちる。
世間はハロウィンで浮かれているのかもしれない。だが
葉利沢 倫理子
は別だ。怒りの感情に身を焦がしている。
みんなで私を嘲笑っているの? 私を指さしているの?
あいつは孤独(ひとり)だ、って。
とりわけこの仮装コンテストたるや! 倫理子はずっと下を向いて肩を震わせていた。どいつもこいつも、倫理子を惨めにするために来ているとしか思えなかった。和風海賊のカップルだのグラビアアイドルのウェディングドレスだの、まるで悪意のお膳立てではないか。
もっとも不愉快だった演目はいうまでもない。
血走った目で倫理子、いや、倫理子の皮を被った
Malice
は舞台に目を向けた。
すべての演目が終わり、コンテストの各部門賞と大賞の授与式が終わったいま、舞台には誰の姿もない。客席も無人だ。唯一の例外は客席にあるMaliceで、すでに舞台にないもの、かつて存在したものを見つめている。
Maliceにはこの世で許せない女が三人いる。
ひとりは、じゅん。姫木じゅんという女。
あの女は私からさゆるを完全に奪った。
あの泥棒猫……!
名前と顔を思い出すだけでも気が狂いそうなほどの怒りを覚える。
子どものような顔をしておきながらじゅんは老獪だ。
私に心を許したように見せて、その実はさゆるを私から奪う機会をうかがっていただけ。
どこで経験を積んだのかじゅんは、一瞬Maliceが我を忘れ素の倫理子に戻りそうなほどの快楽を自分に与えた。うっかり正気を奪われそうになったものだ。だがじゅんの狙いはあくまでさゆるひとりだった。
Maliceが許せない女、いまひとりは言うまでもなかろう。
あの泥棒猫にたぶらかされて、骨抜きになったさゆる。
群衆にまぎれた倫理子の姿にさゆるは気がつかなかっただろう。だからああまで無防備な姿をさらしたのだ。
無様なまでにじゅんにしなだれかかって。
あなたはいつからそんな醜態を人にさらせるようになったの?
Maliceにとっては血が沸騰しそうなほどの光景だった。
あの物憂げで、心に冷血の獣を住まわせていたさゆるという女はどこにいる? 私の心をゾクゾクさせた女は?
じゅんと対になるような服装で照れ笑いするさゆるの姿は、Maliceの目には傀儡(くぐつ)としか映らなかった。バカみたいに歌っていたことも許しがたい。ビルの屋上から突き落とした死体よりも無様だとMaliceは思った。
許せない女、最後のひとりは言うまでもない。
私の肉体の元の持ち主。倫理子!
存在自体が罪としか言いようがないほど弱い女。
なのに……!
あの雨の日に人格を入れ替えて以来、私から身体を奪おうとする。
ふざけるなとMaliceは言いたい。いまさら遅いのだ。時計の針は逆回転しない。
お前にこの身体を返してなんかやるものか。生きることを捨てた奴に、誰が返すもんか!
「畜生!」
死んでしまえ、すぐ死んでしまえ。念じながら誰もいない客席で、Maliceはパイプ椅子の背に額を打ち付けた。自分を罰するように。自分のなかにいる者を黙らせるように。
だが行動は逆効果だった。Maliceの内側に封じた主が、目覚めて呼びかけてきたのだった。
涙雨――あなたは彼女にそう言ったわ。
声は言った。倫理子だ。Maliceの消したりたい存在、不倶戴天の敵が、ほかならぬMaliceを気づかうように呼びかけてくる。
雨はまるで自分の心模様って、あなたは朝鳥さゆるさんに言った。あなたは本当は泣いているのではなくって? ずっと悲しみに打たれているのではなくて?
黙れ。
「黙れええええ!」
両手で我が首を締め上げながらMaliceは駆け出す。パイプ椅子をなぎ倒し会場から飛び出そうとする。
さすがに気がついたのかボランティアスタッフが制止しようとしたが、その手をはらいのけてMaliceは走った。
なんだこの人!?
花音には何が起こったのかわからない。
観客の退場が終わって一息ついて、もしかしたらあの女の子がいないかと、淡い期待を抱いて会場に戻ってきたのだ。
「落ち着いて!」
駆け寄ろうとした花音は強い力で跳ね飛ばされた。不意を討たれたためか転倒する。
あの人どこへ?
倒れたパイプ椅子をとりのけて立った花音は、ステージ中央に立ち尽くす倫理子の姿を見たのである。
そう、倫理子だった。ステージに立っているのは葉利沢倫理子その人だった。
Maliceではない。Maliceから自分を取り戻したのだ。
「……ここは、何かのステージ?」
無人のステージを見回すとおぼろげながら記憶がよみがえった。Maliceの目が見たものだ。うらやましくなるほど幸福な光景だった。
そう、朝鳥さんと、もうひとりの女性だった。ふたりが歌っていた。婚礼の歌を唄う鳥のように。
あのふたり、心から愛し合ってると私は理解した。たぶん、Maliceも。
Maliceに妨害させてはいけない。朝鳥さんには幸せになる権利があるから。Maliceの思い通りにはさせない。絶対、絶対に!
しかし行動する時間は倫理子にはなかった。まもなくMaliceが主導権を取り戻し、ステージから飛び降りると「ちょっと待って!」と追いすがるボランティアスタッフ(花音)を尻目に脱兎のごとく逃げ出したからである。
「冗談じゃない」
Maliceは舌打ちする。倫理子のような弱い女に何ができるというのだ。
なおも追ってくるスタッフから逃れる。駅前の通りに飛び込み、仮装の群衆にまぎれこんだ。
Maliceは仮装していない。通常の服装でしかない。だが倫理子の皮をかぶっているという意味では、まぎれもなく仮装者のひとりではあった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月15日
参加申し込みの期限
2023年01月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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