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碧南の仮装コンセプトを聞いてすぐ、柚乃は自分の衣装を決めていた。
市販品では完全再現できないと思ったので、いくたびか夜なべして縫い上げたのだ。
魔界の悪役令嬢に仕える侍女、その衣装を。もちろん同じゲームのキャラクターだ。
メイド服のゴシック性を高め、魔界らしく不吉な要素もちりばめる。可愛いパーツは身につけるが、決して主(あるじ)より目立たぬよう気を配った。影で令嬢を支えるけなげな役柄だ。
私は碧南先輩にお仕えしたい。身も心も捧げたい。
もし先輩に凶弾が飛ぶことがあれば、盾となって受け止める。
衣装には、柚乃の誓いと覚悟がこめられているのだ。胸のリボンはその象徴で、可憐なデザインながら堅く結んである。
碧南先輩に驚いてもらいたい一心でうんと早く待ち合わせ場所に着いた柚乃は、一番会いたくなかった人物を目の当たりにしていた。
霧生愛! よりにもよって彼女とは!
愛はキリッとした軍服姿である。なんの仮装なのか柚乃には一目瞭然だった。
やはり同じゲームからの悪役令嬢付きの近衛騎士だ。碧南、そして自分と同コンセプトではないか。
青年士官という設定で、タイトな軍服に袖を通し、長いブーツをはいて銃剣をさしている。羽根飾りつきのマスケットハットも鮮やかだ。もともとボーイッシュな細面、はっきりした目鼻立ちということもあり、歌劇団の男役のような華があった。
なんで霧生がここに。
今日は碧南とふたりきりのつもりだった。碧南は認めないかもしれないが、柚乃のなかではデートだったのである。なのに愛は碧南の仮装を聞き出し、イメージを合わせた服でしれっとやってきたのだろう。
お邪魔虫にしても最悪すぎる。他のバスケ部メンバーならどれほどましだったか。
私はこの子が嫌いだ。
とにかく突っかかって来るし、嫌味を言うしで、相性も最悪。性格だって悪いに決まってる。
ああもう、憂鬱!
怒鳴りたいくらいだった。『なんで私たちと一緒に来るわけ? あっち行ってよ!』と。
しかし柚乃が口にしたのはまったく別の言葉だった。
「似合ってるね、その格好」
悔しいが本心だ。自分とちがって既製品を買っただけのようだが、オーダーメイドかと目を疑ったほどだ。しかし同時に血を吐きたくなる。一呼吸もあけずに『見たからもう帰って!』とつづけたいのを必死でこらえた。
「ありがとうございます。浅見先輩こそ」
言いながら愛とて、柚乃がただならぬ心理状態にあることを読み取っている。
柚乃の声には険があった。以前、柚乃が高野先生の誕生日祝いをサプライズでやろうと言い出したとき、せめて事前に話をしてほしかったと愛は反論した。蝶よ花よのお嬢様育ちだからだろうか、柚乃には計画性のなさが目立つ。ごく当然の指摘のつもりだったが、これを聞くや日ごろ穏やかな柚乃の声はだんだんと早口になり、トーンを高めていったのである。あのときの声だ。
すぐに会話は途切れた。どちらも話す気がないので当然だろう。
参ったな。
愛は天を仰ぐ。もともと不仲ということもある。柚乃と一対一の状況は息が詰まりそうだ。
そこにちょうど、
「ふたりともお待たせ~!」
時間よりまだかなり間があるというのに、ごめんごめんといいながら碧南が駆けてきたのだった。
碧南は両手を胸の前であわせ愛、柚乃、それぞれのキャラ名を叫んだ。
「ふたりとも私と同じゲームの衣装だー! すごーい! 格好いい! かわいい~!」
普段、こういう浮かれた声を碧南は出さない。やっぱり照れがあるからだ。でもいまはかまってはいられない。きっと自分の目にはハートが宿っているだろうと思いつつあえてはしゃいだ。
はしゃぐしかないよね。
寸前まで柚乃と愛に一触即発の気配がただよっていたのだ。自分が道化になるほかないではないか。
きゃいきゃいと会話をはずませる。場が和んだと思ったところで何気なく碧南は愛に言った。
「それにしても愛ちゃんって、貴公子然とした仮装が本当によく似合うよねぇ」
思ったことを口にしただけだ。他意はない。
けれど他意がないからこそ、人を傷つけることがある。
碧南自身は気がつかなかった。でも愛は気づいた。
浅見先輩、私を睨(にら)んだ。
柚乃のまなざしは白い刃だった。袈裟懸けるように愛を斬った。ほんの一瞬ではあったが、愛が背筋に冷たいものを感じるに十分だった。
同じだ。インターハイ決勝戦のときと。
優勝候補の筆頭聖アデリア女学院高を相手に、寝子高女子バスケ部は一歩も引かぬ攻勢に出て大接戦にもちこんだ。コートにはキャプテンの碧南はもちろん、ポイントガードの柚乃、一年生唯一のレギュラーにしてシューティングガードの愛の姿もあった。途中まではテクニックと体力、最後は気力のぶつかり合いとなった。何度か危うい場面もあったがしのぎついに優勝旗に手がかかった延長戦、決勝ゴールをもぎとったのはアデリアだった。
運ではない。愛は確信している。あと一歩、自分たちはおよばなかった。
両チームが整列したときすでに愛は泣きじゃくっていた。文字通り声をあげ、体内の水分すべてを流出させる勢いで号泣していた。こんなに派手に泣いたのは、愛がこの世に生をうけた瞬間以来ではなかったか。
そんな愛を支えるように、碧南は黙ってハグをした。彼女が泣き止むまでずっと。あのとき碧南が安っぽい言葉を口にしなかったことを、愛はいまでも感謝している。
ようやく涙を拭い更衣室へと歩き出したときだ。
白い光を愛は感じたのである。
浅見柚乃の視線だった。
おっとりお嬢様と呼ばれる彼女もこのときは泣いていた。唇を噛んで涙を流していた。しかし同時に、射貫くようなまなざしを自分に向けていた。気づいて愛がまなざしをあげたときにはもう、こちらを見てはいなかったが。
柚乃の視線の意味はわかっている。
嫉妬。
浅見先輩、碧南先輩に恋してる。
やめようよと愛は言ってあげたい。きっと報われない恋だから。傷つくだけの片想いだから。
ああ、また嫉妬されてしまったんだろうな。
熱い石炭でも飲まされたみたいに腹が立つ。
なんで私、他人の恋にやきもきしなきゃならないのよ。
恋なんてしなけりゃいいのよ……恋なんて、ね……。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月15日
参加申し込みの期限
2023年01月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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