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まだ十八歳だが
椎井 莉鳥
は、キスもさまざまだと学んでいた。
恋の始まるキスがある。
恋をたしかめあうキスがある。
そして、恋の終わりのキスもある。
去年の今ごろ莉鳥は、なりゆきながら元カレと寝子島イリュージョンランドでのハロウィンイベントに参加した。廃墟と化した遊園地にて、彼と手を取り合ってゾンビから逃げたのである。けれど恋の再燃にはつながらなかった。結んだ手はとけ、彼に突きはなされた莉鳥はふりかえらずに走った。この日の記憶はオレンジや黒ではなく、鉄骨に浮いた赤錆の、剥がれかけた瘡蓋(かさぶた)に似た色に塗りつぶされている。
あのハロウィンに先立つナイトプールでの出来事──偶然彼に遭遇し、絶えて久しいキスをした。
今では理解できる。あれこそ、恋の終わりのキスだったと。
昨年のハロウィンは、終わったものを確認するだけの時間だったのだ。
もう一年が過ぎている。
家に直帰する気になれず、莉鳥はシーサイドタウンにまろび出ていた。案の定、真昼のような明るさだ。
街路樹は電飾のかたまりとなり通りは歩行者天国に化し、住民も観光客もふくめ立錐の余地もないくらいの歩行者が行き交っている。無感動な視線で莉鳥は往来を眺める。その過半数、下手をすれば八割ちかくの人間がなんらかの仮装をしているのである。なんの変装もしていない自分はまちがいなく少数派だろう。
だからどう、という感慨も起きなかった。
もともと浮かれるタイプではない。浮かれたいとも思わない。
そもそもいまはそれどころではない。
高校三年の莉鳥にとって今年は転機の年だ。この転機は今年度いっぱい、つまり翌三月末までつづくことになる。
中学からはじめた陸上競技は、夏に走高跳でインターハイで優勝したことで一区切りがついた。
陸上部は引退し、大学入試のため受験勉強に専念している。薬剤師志望なので、来年は木天蓼大学薬学部をはじめいくつかの大学薬学部に願書を出す考えである。
予備校の講師は手堅い選択と呼んだ。今年になってからの模試ではすべて、第一希望A判定の合格圏内という結果を残したからだ。
だけど、それにあぐらをかくわけにはいかない。
大事な大会と同じだ。気を緩めると思わぬところで足をすくわれる。
文武両道の才媛……人は私をそう呼ぶけれど。
その通称にも、なんら感じるものはなかった。
それでも、パレードくらいは見て帰ろうか。
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少女の髪が揺れている。長い緑色の髪だ。風とは逆方向になびいている。裾の長い白いワンピースも。
ワンピースの少女に視線をあわせ、
三毛谷 道哉
は数秒黙った。
少女は動かない。動きはじめたパレードを見つめたままだ。行動を起こすそぶりは見えなかった。
やはり私たちの同族ではなさそうだ。しかし、いわゆる超自然な存在なのはまちがいない。
だったらそれほど心配はいらないだろうか。まさかあそこから転落したりはすまい。そもそもただの人間なら、バルーン人形の頭部に乗ることすら無理な相談だ。
「みちちかくん、あのこがきになる?」
餅々 きなこ
が尋ねてきたが、「いいや」と道哉は肩をすくめた。
「まったく気にならないといえば嘘になるけど、邪魔をしてはいけないようにも思うんだ。干渉はよしておこう。彼女にも事情がありそうだしね」
「うん」
きなこはうなずいた。自分もそう思うと言うのだ。
「わるいれいとかじゃないよ。けはいでわかる」
「そのようだね」
まあ、少女になんらかの動きがないうちはこちらも手出しはひかえよう。祭りを満喫することにする。
「じゃあ見物に行こうか。せっかくのはろうぃんぱれーどだ。楽しもうじゃないか」
「さんせい」
まもなくきなこは道哉の隣に立った。
立った?
いつのまにかきなこには足ができているのだった。竹のサンダルを履いている。服装だって一変していた。水色のストライプが入ったワンピース、かつて道哉が購入した衣装ではないか。ただ、この季節には少々寒そうに見えた。
これもかそう(仮装)だよときなこは言う。
「にんげんのおんなのこの」
「いいね、でも途中で店に立ち寄って上着を買おうか」
「だいじょうぶだよ。なんともかんじないから」
「なに、私が見たいだけのことさ。秋めいたきなこを」
懐手した道哉の袖をきなこがひっぱる。
「まいごになったらいやだから」
「あ、そうか。そうだね」
道哉が腕を解いて袖から手を出すと、ごく当たり前のようにきなこは手をつないだ。
道哉はじわじわと、胸にあたたかなものを感じている。
大人げない、最近どうかしているな私は。
恥ずかしいのだが、嬉しいのは事実だ。きなこから誘ってもらえるなんて。
……同じあやかしではあるが、猫と人。
もっとも私は猫又で、きなこはもうすぐ七百歳にもなるのだが。
彼女と比べれば道哉のほうがずっと若輩者という事実は、見た目とまるであべこべなのである。
まあ、お互いあやかしになれなければ会えない縁だと思えば、これはこれでよいものか。
可笑(おか)しなふたりだ。しかし奇縁もまた縁(えにし)、得がたい倖(さち)と思いたい。
道哉の脳裏に鏡の記憶が浮かんだ。たとえるなら夜の井戸、冷たく静かな面をもつ鏡だ。
「せっかくやし、おまえものぞいてみるか? 運命の相手が見えるかもわからんで?」
自称辻占の男が言った。運命の鏡という話だ。言葉は信じるにしても道哉は、男にはあまり好感がもてなかった。余裕ぶった口調の節々に、つねに相手の心理的優位に立とうとする性根が見え隠れしていたからだ。遠慮しておくよと道哉は断り、男が鏡を持ち去るにまかせた。
だから見ようとしたのではない。
けれど男が鏡を持ち替える瞬間、道哉の視界に鏡面が入ったのである。
鏡に映っていたのは自分ではなかった。きなこの姿だった。
運命の相手――きなこが?
つまらないことを思い出したものだ。道哉は記憶を振り落とす。
生まれてもう一世紀半になる。夢見る年頃ではないだろう、とっくに。
振り回されてどうする。本当という証拠もない。
そもそも、あの男の口車に乗るのも癪(しゃく)に障るじゃないか。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月15日
参加申し込みの期限
2023年01月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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