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- 00月00日生 00歳
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ピョンっ！と跳ねて、新春☆初夢フェア２０２３！ ～茄子編～
目が醒めると篠原 翠響は、不思議な場所に居た。蒼と翠の入り混じったような、良く晴れた空の下、見上げるほどに大きな花が幾つも、幾つも咲き誇っている。
「あれ……チューリップよね……？」
ぽかん、と口を開けて見上げながら独り呟くと、そうだよ、とどこかから頷く声がした。誰か居るのかな、ときょろきょろ辺りを見回してみるけれど、不思議なことに、誰の姿も見当たらない。
あれ？ と首をこてんと倒して目を瞬かせた翠響の耳にまた、小さな、誰のものとも知れない声が響く。
『ねえミユラ、遊ぼうよ』
『遊ぼ。ぼくらと一緒に遊ぼ』
「遊ぼう、って言ってもここには誰も……」
姿の見えない誰かの声に、不思議と怖いとか驚いたとかいう感情が浮かばないまま、翠響は困った顔で目を瞬かせた。だって、姿が見えなければ遊べないじゃない。
そんな翠響の顔が見えたように、否、見ていたらしい『誰か』がくすくす笑った。笑いながら、そうだった、ときらきら光った。
『ニンゲンにはぼくらの姿、見えないんだった』
『でも今日は見えるはずだよ、だって始まりの夜だもん』
『妖精達の宴の夜だもん』
口々にそう言いながら、きらきら、きらきら光りを零して現れたのは、手のひらに載るほど小さな妖精である。蝶々のような羽根が背に生えた、けれどもそれ以外は小人のような姿の、まごう事なき妖精だ。
うわぁ、と思わず目を見開いて声を上げた翠響は、妖精へと手を伸ばした。ひらり、蝶々のようにその手をよけて、妖精たちがくすくす笑う。
『鬼ごっこ？ いいよ、ミユラが鬼ね！』
『わーい、鬼ごっこ、鬼ごっこ～♪』
「えぇ……？ 突然過ぎない？ まあいいよ、私が鬼ね」
そんな妖精たちに呆れて見せながらも、にっと笑って翠響はひらひらと飛ぶ妖精たちに向かって、えい！ と手を伸ばし始めた。きゃあきゃあと妖精たちが大喜びで、ひらり、ひらりとその手をよけては楽しげに、きらきらとした光を零す。
この光は何なんだろ？ と握ってみたら、手の中でころりと輝く小さな宝石になった。――え、なんか面白い。
くるり、くるりと動き回りながら、妖精たちを捕まえようと手を伸ばし、手の中に掴んだ光の粒に目を細める。赤、青、黄、緑、紫、白、黒、色んな色の輝く石が、幾つも幾つも翠響の手の中でころりと光る。
『ミユラ。それはお守りになるんだよ』
「お守り？ 何の？」
『うーん……なんか、すごいお守り？』
『すっごいの』
「はぁ……すっごいのね……」
肝心の所の語彙力が足りなさ過ぎる妖精に、仕方ないなぁ、と息を吐いた。とまれお守りだっていうなら貰っておこうと、ポケットにひとまず仕舞っておく。
と、ふいに頭上の大きなチューリップの中から、きらきらきら、と眩い光が降り注ぎ始めた。小さな小さな妖精たちが、お母さんだ！ と嬉しそうにざわめき始める。
お母さん、とそちらの方を見上げてみれば、翠響よりももっと年上の、美しい大人の女性が下りてくるところだった。背中にはやっぱり蝶々の羽根がある。
妖精の女王様かな、と思いながらその光景を見つめていた、翠響の前に女性が舞い降りて来て、こんにちは、と微笑んだ。
『ミユラ、この子達と遊んでくださってありがとう』
「いえ……なんか、すごく遊んじゃって」
『今宵は年の始まりの宴。ミユラ、せっかく巡り合えたのですからあなたも一緒に、始まりを寿ぎ踊りましょう』
「踊り？ いきなり言われても、私ちょっと……」
女性の言葉に翠響は目を見開いてから、両手と首をふるふる振る。そんな翠響を見て、女性は『あら、貴方の用意はもう出来ているのに？』と笑った。
えぇ？ と自身を見下ろしてみれば、翠響はいつの間にか緑色の、ドレスのようなレオタードに身を包んでいる。おまけに手には同じ、緑色のボールも持っているではないか。
これには翠響もつい、苦笑いが零れた。
「踊りじゃなくて、新体操なんだけど……ま、いっか」
妖精から見たら、踊りも新体操も同じに見えるのかも知れない。そう思いながらボールを手に、翠響は得意のプログラムを披露し始める。
何度も何度も練習し、身体に染みついた動きのままに。ボールを投げて飛び、跳ね、走り、回り――
そんな翠響の周りでは、小さな妖精たちが蝶々のようにひらひらと、一緒になって動き回っていた。本人達はどうやら楽しく踊っているようだと、その姿にまた苦笑して。
翠響と妖精達はくるくると、動き続けていたのだった。
「あれ……チューリップよね……？」
ぽかん、と口を開けて見上げながら独り呟くと、そうだよ、とどこかから頷く声がした。誰か居るのかな、ときょろきょろ辺りを見回してみるけれど、不思議なことに、誰の姿も見当たらない。
あれ？ と首をこてんと倒して目を瞬かせた翠響の耳にまた、小さな、誰のものとも知れない声が響く。
『ねえミユラ、遊ぼうよ』
『遊ぼ。ぼくらと一緒に遊ぼ』
「遊ぼう、って言ってもここには誰も……」
姿の見えない誰かの声に、不思議と怖いとか驚いたとかいう感情が浮かばないまま、翠響は困った顔で目を瞬かせた。だって、姿が見えなければ遊べないじゃない。
そんな翠響の顔が見えたように、否、見ていたらしい『誰か』がくすくす笑った。笑いながら、そうだった、ときらきら光った。
『ニンゲンにはぼくらの姿、見えないんだった』
『でも今日は見えるはずだよ、だって始まりの夜だもん』
『妖精達の宴の夜だもん』
口々にそう言いながら、きらきら、きらきら光りを零して現れたのは、手のひらに載るほど小さな妖精である。蝶々のような羽根が背に生えた、けれどもそれ以外は小人のような姿の、まごう事なき妖精だ。
うわぁ、と思わず目を見開いて声を上げた翠響は、妖精へと手を伸ばした。ひらり、蝶々のようにその手をよけて、妖精たちがくすくす笑う。
『鬼ごっこ？ いいよ、ミユラが鬼ね！』
『わーい、鬼ごっこ、鬼ごっこ～♪』
「えぇ……？ 突然過ぎない？ まあいいよ、私が鬼ね」
そんな妖精たちに呆れて見せながらも、にっと笑って翠響はひらひらと飛ぶ妖精たちに向かって、えい！ と手を伸ばし始めた。きゃあきゃあと妖精たちが大喜びで、ひらり、ひらりとその手をよけては楽しげに、きらきらとした光を零す。
この光は何なんだろ？ と握ってみたら、手の中でころりと輝く小さな宝石になった。――え、なんか面白い。
くるり、くるりと動き回りながら、妖精たちを捕まえようと手を伸ばし、手の中に掴んだ光の粒に目を細める。赤、青、黄、緑、紫、白、黒、色んな色の輝く石が、幾つも幾つも翠響の手の中でころりと光る。
『ミユラ。それはお守りになるんだよ』
「お守り？ 何の？」
『うーん……なんか、すごいお守り？』
『すっごいの』
「はぁ……すっごいのね……」
肝心の所の語彙力が足りなさ過ぎる妖精に、仕方ないなぁ、と息を吐いた。とまれお守りだっていうなら貰っておこうと、ポケットにひとまず仕舞っておく。
と、ふいに頭上の大きなチューリップの中から、きらきらきら、と眩い光が降り注ぎ始めた。小さな小さな妖精たちが、お母さんだ！ と嬉しそうにざわめき始める。
お母さん、とそちらの方を見上げてみれば、翠響よりももっと年上の、美しい大人の女性が下りてくるところだった。背中にはやっぱり蝶々の羽根がある。
妖精の女王様かな、と思いながらその光景を見つめていた、翠響の前に女性が舞い降りて来て、こんにちは、と微笑んだ。
『ミユラ、この子達と遊んでくださってありがとう』
「いえ……なんか、すごく遊んじゃって」
『今宵は年の始まりの宴。ミユラ、せっかく巡り合えたのですからあなたも一緒に、始まりを寿ぎ踊りましょう』
「踊り？ いきなり言われても、私ちょっと……」
女性の言葉に翠響は目を見開いてから、両手と首をふるふる振る。そんな翠響を見て、女性は『あら、貴方の用意はもう出来ているのに？』と笑った。
えぇ？ と自身を見下ろしてみれば、翠響はいつの間にか緑色の、ドレスのようなレオタードに身を包んでいる。おまけに手には同じ、緑色のボールも持っているではないか。
これには翠響もつい、苦笑いが零れた。
「踊りじゃなくて、新体操なんだけど……ま、いっか」
妖精から見たら、踊りも新体操も同じに見えるのかも知れない。そう思いながらボールを手に、翠響は得意のプログラムを披露し始める。
何度も何度も練習し、身体に染みついた動きのままに。ボールを投げて飛び、跳ね、走り、回り――
そんな翠響の周りでは、小さな妖精たちが蝶々のようにひらひらと、一緒になって動き回っていた。本人達はどうやら楽しく踊っているようだと、その姿にまた苦笑して。
翠響と妖精達はくるくると、動き続けていたのだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2023年01月03日
- 参加申し込みの期限
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- 2023年01月10日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2023年01月10日 11時00分
