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６月の★ハッピーバースデイ
【エルデスト１Ｆ：テーブル席】
「あっ、岬姉様！ 蓮君が来たのよ〜」
配膳を手伝っていた花風 ももは、入店してきた森 蓮の姿を見つけ、喜びの声を上げた。
「今日は会にお招きいただき、有り難うございました。
そして岬さん、お誕生日おめでとうございます」
と美崎 岬に祝福の言葉を述べている森の所に、自分も駆け寄るもも。でもいざとなるとやっぱり、もじもじしてしまうようで、そんな妹を見かねて花風 冴来が、
「蓮も、誕生月だったっけ。おめでとう。
妹が貴方にプレゼントがあるみたいだから貰ってあげて頂戴」
「蓮君、おめでとうなのよ〜」
可愛らしい手書きレタリングのグリーティングカードを添えて渡した、もものプレゼントは金の懐中時計だ。スコールセコンドの付いた、古いアンティーク品である。
「姉様と一緒に選んだの。手巻き式だから、百年経っても動くのよ」
今なお実直に時を刻む、その時計の履歴に、じっと思いを馳せる森だ。
「貴重な贈り物を、有り難うございます、大切に使わせて頂きますね」
そしてテーブルの中央に立つマカロンタワーも、この花風姉妹が持参したものだと聞くと、
「これは立派ですね。
卵白を使っているものは、私は食べられないのですが、お気持ちには深く感謝します」
「あ、森さんマカロン食べないです？
じゃあ、それもらって美崎さんにプレゼントするですよ！」
とそこにやって来た北 玄が、皆の見ている前でタワーまるごと岬にあげようとするのを、びっくりして止める冴来だ。
「ちょっと、なあに貴方！ 勝手に何やってるのよ、
それは私の妹が持ってきたものじゃないの！」
「わ、玄さん！」
その間に岬が割って入り、
「そのマカロン冴来ちゃん達のなの、
でも１つなら私にも食べさせて下さいな！」
あーんと目をつむってヒナ鳥のように催促する岬に、
「美崎さんがお口を開けて待ってるですよ！ 僕のあーんを待ってるですよ！
どうするです！？ どうするです、僕？（心臓ばくばく）」
「ちょっと貴方、だからそのマカロンは、ももの」
肩をぶつけてマカロンをむしり取り、競って岬の口に入れる、北と冴来の２人だ。
「うふふ、じゃあ私からも２人にお返し！
はい、あーん！」
のぼせて口を開けるその北を、どーーんと横から突き飛ばし、
「ちょっと！ 妙に岬に対して馴れ馴れしいわね。
貴方なんかに岬は渡さないわ。岬は私の親友だもの」
とこれ見よがしに岬に抱きついてみせる冴来だ。
「なんかよく分からないけど、花風さん、僕に悪い印象もってるみたいですよ！
僕、すごくすごく品行方正ですよ！ 不思議ですよ！」
ギャーギャーうるさいその北を尻目に、妹といっしょに岬にプレゼントを贈る。
「冴来ちゃんにももちゃん！
わわ、ありがとう……！ とっても素敵な髪飾りね」
さっそく髪に挿して、クルリとその場で回ってみせる岬。リボンの美しく揺れる、姉妹とお揃いの赤薔薇の髪飾りだ。
「うふ、大事にするわ！ ありがとう！
２人共心の底から愛してるー！」
ギューッと妹といっしょに抱き締められて、
「私も大好き。愛してる。
貴方の生に心からの感謝を」
そっと不器用にその岬を抱きしめ返す冴来だ。
一方、置いてけぼりの北 玄の方は、その美崎 岬の周りでぴょんぴょん跳びはね、失点の挽回にそれはもう必死である。
「もちろん自分でもプレゼント用意しているですよ！
金券ショップで買った、株主優待の映画券ですよ！
岬さんが好きそうな映画、いくつか選んだですよ！」
けれども、博愛主義の岬は、誰のことも平等に愛する。その注目を独り占めするのは至難の業……かと思われたが、
「映画ですか？ 是非！」
やった！ 岬が振り向いてくれた！
「僕、岬さんと一緒に映画、見に行きたいですよ！
またデートに行きたいですよ！」
「うふふ！ いいですよ。
一緒にお出掛け出来るの、とっても楽しいもの」
博愛主義の岬、あっさりＯＫ！ デートの約束を取り付けて、有頂天になる北である。
「やったですよ！ 映画のチケットにして良かったですよ！
本当は、会社の経費で超高価なイヤーカフ買おうと思ってたけど、
親とか上司とかに止められたですよ！ なんか犯罪になるらしいですよ！
残念ですよ！ また今度にするですよ！」
どこまでも型破りな北に、もう呆れるしかない花風 冴来だ。人を嫌うことのない妹の花風 ももの方は、ただ小首を傾げ、
「玄さんは岬姉様と仲良しなの？
玄さんもお誕生月ならプレゼント用意してくればよかったね……」
と残念そう。
「あ、美崎さん、それから」
そして北は、彼女に謝りたかったことを、この機会にようやく口にする。
「この前、高所恐怖症なのに観覧車デートしてくれてありがとうですよ！
ずっと気になってたけど、なかなか言えなくてごめんなさいですよ！」
彼女が高いところが苦手だったということを、その後で知った北は、ずっとそのことを気に病んでいたのだった。それに岬は答えて、
「高い所は……あの人の事思い出しちゃって。
だけど平気！ 気にしないで下さいね？」
「あっ、岬姉様！ 蓮君が来たのよ〜」
配膳を手伝っていた花風 ももは、入店してきた森 蓮の姿を見つけ、喜びの声を上げた。
「今日は会にお招きいただき、有り難うございました。
そして岬さん、お誕生日おめでとうございます」
と美崎 岬に祝福の言葉を述べている森の所に、自分も駆け寄るもも。でもいざとなるとやっぱり、もじもじしてしまうようで、そんな妹を見かねて花風 冴来が、
「蓮も、誕生月だったっけ。おめでとう。
妹が貴方にプレゼントがあるみたいだから貰ってあげて頂戴」
「蓮君、おめでとうなのよ〜」
可愛らしい手書きレタリングのグリーティングカードを添えて渡した、もものプレゼントは金の懐中時計だ。スコールセコンドの付いた、古いアンティーク品である。
「姉様と一緒に選んだの。手巻き式だから、百年経っても動くのよ」
今なお実直に時を刻む、その時計の履歴に、じっと思いを馳せる森だ。
「貴重な贈り物を、有り難うございます、大切に使わせて頂きますね」
そしてテーブルの中央に立つマカロンタワーも、この花風姉妹が持参したものだと聞くと、
「これは立派ですね。
卵白を使っているものは、私は食べられないのですが、お気持ちには深く感謝します」
「あ、森さんマカロン食べないです？
じゃあ、それもらって美崎さんにプレゼントするですよ！」
とそこにやって来た北 玄が、皆の見ている前でタワーまるごと岬にあげようとするのを、びっくりして止める冴来だ。
「ちょっと、なあに貴方！ 勝手に何やってるのよ、
それは私の妹が持ってきたものじゃないの！」
「わ、玄さん！」
その間に岬が割って入り、
「そのマカロン冴来ちゃん達のなの、
でも１つなら私にも食べさせて下さいな！」
あーんと目をつむってヒナ鳥のように催促する岬に、
「美崎さんがお口を開けて待ってるですよ！ 僕のあーんを待ってるですよ！
どうするです！？ どうするです、僕？（心臓ばくばく）」
「ちょっと貴方、だからそのマカロンは、ももの」
肩をぶつけてマカロンをむしり取り、競って岬の口に入れる、北と冴来の２人だ。
「うふふ、じゃあ私からも２人にお返し！
はい、あーん！」
のぼせて口を開けるその北を、どーーんと横から突き飛ばし、
「ちょっと！ 妙に岬に対して馴れ馴れしいわね。
貴方なんかに岬は渡さないわ。岬は私の親友だもの」
とこれ見よがしに岬に抱きついてみせる冴来だ。
「なんかよく分からないけど、花風さん、僕に悪い印象もってるみたいですよ！
僕、すごくすごく品行方正ですよ！ 不思議ですよ！」
ギャーギャーうるさいその北を尻目に、妹といっしょに岬にプレゼントを贈る。
「冴来ちゃんにももちゃん！
わわ、ありがとう……！ とっても素敵な髪飾りね」
さっそく髪に挿して、クルリとその場で回ってみせる岬。リボンの美しく揺れる、姉妹とお揃いの赤薔薇の髪飾りだ。
「うふ、大事にするわ！ ありがとう！
２人共心の底から愛してるー！」
ギューッと妹といっしょに抱き締められて、
「私も大好き。愛してる。
貴方の生に心からの感謝を」
そっと不器用にその岬を抱きしめ返す冴来だ。
一方、置いてけぼりの北 玄の方は、その美崎 岬の周りでぴょんぴょん跳びはね、失点の挽回にそれはもう必死である。
「もちろん自分でもプレゼント用意しているですよ！
金券ショップで買った、株主優待の映画券ですよ！
岬さんが好きそうな映画、いくつか選んだですよ！」
けれども、博愛主義の岬は、誰のことも平等に愛する。その注目を独り占めするのは至難の業……かと思われたが、
「映画ですか？ 是非！」
やった！ 岬が振り向いてくれた！
「僕、岬さんと一緒に映画、見に行きたいですよ！
またデートに行きたいですよ！」
「うふふ！ いいですよ。
一緒にお出掛け出来るの、とっても楽しいもの」
博愛主義の岬、あっさりＯＫ！ デートの約束を取り付けて、有頂天になる北である。
「やったですよ！ 映画のチケットにして良かったですよ！
本当は、会社の経費で超高価なイヤーカフ買おうと思ってたけど、
親とか上司とかに止められたですよ！ なんか犯罪になるらしいですよ！
残念ですよ！ また今度にするですよ！」
どこまでも型破りな北に、もう呆れるしかない花風 冴来だ。人を嫌うことのない妹の花風 ももの方は、ただ小首を傾げ、
「玄さんは岬姉様と仲良しなの？
玄さんもお誕生月ならプレゼント用意してくればよかったね……」
と残念そう。
「あ、美崎さん、それから」
そして北は、彼女に謝りたかったことを、この機会にようやく口にする。
「この前、高所恐怖症なのに観覧車デートしてくれてありがとうですよ！
ずっと気になってたけど、なかなか言えなくてごめんなさいですよ！」
彼女が高いところが苦手だったということを、その後で知った北は、ずっとそのことを気に病んでいたのだった。それに岬は答えて、
「高い所は……あの人の事思い出しちゃって。
だけど平気！ 気にしないで下さいね？」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年11月14日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年11月21日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年11月21日 11時00分
