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『HALO ~氷解無垢~』
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【あるいて、あるいて】
ふたり、手分けして古書店をめぐることにしました。
人通りはまばら。商店街は開いているお店、シャッターが下りている店で半々くらい。お世辞にも活気があるとは言えませんけれど、やわらかい日の光に照らされて、寝そべるようにして息づく街並みの情緒がなぜだか懐かしく、愛おしく思えて、寂しげに見えて、綾花はたまらない気分になりました。
(素敵な場所)
この街のどこかに、という程度のヒントしか持ち合わせはないもので、結局のところ、片っ端から探してみるほかありません。まずは手始めに、目に付いた古書店から覗いてみることにします。
「あの、すみません……!」
「はいはい、いらっしゃい。あらめずらしいわね、こんな古くて小さな古本屋に、こんなに若くて可愛らしいお嬢さんがいらっしゃるなんて」
綾花のようなお客はあまり訪れないらしく、店主のおばあさんに愛想よく出迎えられて、あたたかいお茶まで出されてしまいました。
塩気がきつめのこぶ茶をいただきながら、せっかくなので尋ねてみます。
「私、探している本があって。こんな本なんですけど、こちらに置いてないですか?」
「はいはい。ええと、は……はろー? へいろー?」
おばあさんは狭い店内にぎっしりと本が詰まった書棚を端からチェックしてくれましたけれど、お目当ての本は見つかりません。綾花はぺこりと頭を下げ、次のお店へ向かいます。
白髪まじりのおじさんが店主をつとめるお店では、気になるミステリー小説がお値打ち価格でずららっと揃っていて、ちょっぴり心が引かれましたけれど、ここはガマン。分厚い本が数冊なんて、そんなに重い荷物を持って、いくつも本屋さんを回れるとは思えません。
次に入った怠惰そうな若い店主のお店には、手がかりなし。店内のラインナップもパッとしません。
その次の、小じゃれた店構えの古本屋さんは、綾花も納得の品ぞろえ。またしても後ろ髪を引かれつつも、
「すみません。こんな本を探してるんですが……」
「HALO? ああ、新見 冬ね」
「し……知ってるんですか!?」
尋ねてみれば、初老の店主は立派な髭を撫でつけながら、慇懃な仕草でうなずきました。
「確か、ここらの出身の作家さんでしょう。あまり売れなかったようだけれどね」
「それじゃ、本、こちらに置いてたりは……」
「いやあ、ウチには無いかなあ。あまり数が出なかったようだから。重版もされていないだろうし、確かに見つかれば、稀少なお宝だねえ」
なんだか金銭的価値にだけ注目しているように見られて、綾花はすこうし、むっとしましたけれど、ここはこらえて。
「他に、置いてそうなお店を知りませんか?」
「そうだねえ。僕もあまり詳しくはないけれど……商店街の北側の古書店あたりで、よく見かけたって話は聞いたよ。ああ、本じゃなくて、本人を」
「新見さんを、ですか?」
「子どもの頃にね。確か、生家はそちらのほうだったはずだから」
お礼を言って、綾花はお店を飛び出します。
有力情報あり! とつるぎへ連絡を入れ、合流したらすぐさま北へ。それらしきお店の並びを見つけたら、片っ端から聞き込みして回ります。お店からお店へ。また違うお店へ、精力的に歩き回りました。
けれどその日は結局、日が傾くまで探し続けても、お目当てのあの本を目にすることは、残念ながらありませんでした。
温泉旅館とひと口に言ってもいろいろ、ピンキリですけれど、ココはきっと当たりです。趣きある木造建築は味わい深く、それでいて手入れがゆきとどいて清潔感がありました。女将さんはじめ、スタッフはにこにこ笑顔で出迎えてくれますし、このあとの夕食も地元の食材を使ったおいしいメニューがてんこもりとのことで、とっても楽しみです。
「ふわぁ……!」
「ふひィ~~~」
それにこの、客室付きの露天風呂の開放感! 大きなウッドデッキにの向こうに広がるたそがれの街並みを眺めつつ、ひのきのイイ香りに包まれながらに、ふひィ~~~です。
せっかくだし、いっしょに入るッスか~? なんて誘われていささか恐縮してしまった綾花でしたけれど、そんな緊張もあっという間に、すぽーん! と飛んでいってしまいました。
「気持ちいいですねえ……はふう」
「ね。この宿にして良かったなあ」
スレンダー、というよりちょっと痩せすぎなつるぎは、グラマーでスタイルのよい綾花を無遠慮に眺めて、珪さんがうらやましいッスなあ。などとしみじみつぶやき、なんだか綾花をどぎまぎさせたりしました。
と。綾花はすこうし、遠慮がちに切り出します。
「あのう。つるぎさん。せっかくなので……その、こういう機会なので、聞いてみたいことがありまして……」
「ああ。珪さんのこと?」
こくこくこく、と小刻みにうなずくのは子どもっぽいだろうかと思うものの、前のめり。
「珪先生の学生時代のこととか、もっと聞きたくって。確か、文芸部の先輩後輩だったんですよね?」
「うんそう。漫画読みながらダベったりーってなオタク活動を除けば、そうだね、小説を読んだり書いたり。ずいぶんお世話になったよ、珪さんには。わたしが書いたのを珪さんがバカ丁寧に、手加減なしに批評してくれるもんだからさあ、わたしもアツくなっちゃって、だったら珪さんも書いてみてくださいよ! って言ったら翌日、400字詰めに20枚くらいのを書いてきてね。それがまた、すっげー出来が良くってさあ」
「そ、それ見てみたいです……! とってあったりしますか?」
「部誌がいくつか残ってたかな。ありゃどこやったっけかな~……今度探しとくよ、たぶん残ってる」
「やった……!」
しばしゆったりと湯に浸かりながら、珪先生と、つるぎと、綾花の話がめぐります。
ちゃぽ、と湯をすくい、肩口へかぶってほうっ、ため息ひとつ。
「珪先生の学生時代の写真とか、残ってませんか? 制服姿、見てみたいです」
「写真かあ、わたしも珪さんもあまり撮らなかったけど。少しは残ってるかな? それも今度、ね」
「はい、ぜひ!」
ちゃぽ、ちゃぽん。はふう。
「学生服ね。高校時代かあ」
ふとつるぎは遠い目をして、口元を緩めます。
「珪さんってさ、ご存知、マジメが服着て歩いてるような人でしょ? わたしはこのとおりだってのにさ、不思議と、妙にウマが合ってねえ……」
彼について綾花へ語ってくれるつるぎは、弾むよう。なんだか嬉しそうに見えました。
先に聞いたつるぎの言葉をそのまま受け取るなら、そこに恋愛感情の類は無かったそう。本当のところは、分かりませんけれど……少なくとも彼女と彼の間には、絆がある。そう感じます。
それが綾花にはなんだか、ぽわんと嬉しくて。なんだかもやっと、戸惑って。けれど不思議と、イヤな気持ちではなくって。
(大人になるって、大変だなぁ)
恋にも愛にもいろいろあって、どうやら、たったひとつの言葉で表せるものではなさそうです。
綾花は人の抱く感情、その奥深さの片鱗を知りました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSS(500)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年12月20日
参加申し込みの期限
2022年12月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年12月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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