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『HALO ~氷解無垢~』
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【ふるさとへ】
小学校の図書室に見つけた、子どもが読むにはいささか重厚にすぎる、言ってしまえば退屈そうな小説をちょっぴり背伸びして手に取り、ぱらりと開いてみたところで目に入る、茶色がかったページの下部へいやに丹念な筆致で描き込まれたパラパラマンガ。自分の前に手にとった誰かもやっぱり退屈してしまって、褒められない行いと分かっていながら、ついついペンが走ったのでしょう。
なぜそんなものを今思い出すのだろうと考えて、
綾辻 綾花
は自分が不思議な錯覚に陥っていることに気が付きます。かたたん、ごとんと列車にゆられて、窓の外をすごいスピードで流れてゆく電柱の数など無意識に数えているうち、綾花の内に構築された迷宮と景色がシンクロして、一枚の動く絵となって躍動し始めるのです。
窓枠のスクリーンの向こう、想像の
早川 珪
は小さな小学生となっていて、流れゆく家々の屋根をぴょんと跳び移り、生垣に突っ込んで失敗にぺろりと舌を出し、綾花へ手を振りました。
(……珪先生の昔は、どんな子だったのかな)
きっと早熟で、おませな子だったんじゃないかな。小さな珪先生は綾花のイメージのなか、にっこりと笑いかけてくれました。
「いやー。それにしてもさあ」
熱そうな缶コーヒーをくいとあおって、対面に座る馳 つるぎはなんだか申し訳なさそうに言いました。
「誘っといてなんだけど。綾辻ちゃん、ほんとに良かったの? お金とか、だいじょぶッスか?」
「はい、アルバイトでためた貯金がありますから」
「は~。それを惜しげもなく、珪さんのためにねえ」
愛ッスなあ、なんてつるぎがしみじみとつぶやくもので、綾花の頬はぽわわと赤く染まります。
客車に乗客はまばら。女子大生らしき着飾った女性二人と、昼間からカップ酒をくいくいやっているスーツ姿のおじさん、それに綾花とつるぎくらいです。女性たちの会話はおおむねひそひそ声で、おじさんもひとり旅においてわきまえているのでしょう、やたらに音を立てることもありません。車内は静謐と表現しても過言ではないくらいには静かで、自然と綾花たちの話し声もひそやかに落ち着きました。
寝子電から都営線へ乗り継ぎ、徐々にローカル線へ移り変わるにつれ、景色は閑散として……というより自然豊かとなり、目に映る新緑は深まります。想像の珪先生は飛び跳ねるのをやめ、中学生くらいの利発そうな顔立ちへ成長し、綾花へ目くばせ。なにやら口をぱくぱくとして、綾花へ伝えたいことがあるかのよう。
「なんて言ってるのかな……」
「うん?」
「あ、い、いえ! うちの猫が、どうしてるかなあって!」
「綾辻ちゃんとこの猫、クロワちゃんってったっけ。どんな子? 今度会わしてよね」
クロワ
はすこうし変わった猫ちゃんですけれど、つるぎならきっと大丈夫でしょう。お店の名前に『OLD LYNX』なんてつけるくらいの猫好きですし、きっと可愛がってくれるはず。クロワも懐いてくれるはず。
「そうだ、うちのじいちゃんチで飼ってる猫の写真、見る? こいつがまた可愛いヤツでさあ」
「わ、見たいです! 見せてください!」
スマホの写真には、丸々としてふてぶてしいブチ猫を抱いてご満悦なつるぎの、白い歯を見せて子どもみたいなにかっと笑顔。
次の乗り換えまで、ふたりは愛らしい猫たちの話に花を咲かせました。
窓枠へかつん、と缶を置いたのが、彼女なりのスイッチだったのでしょう。
「さてさて、綾辻ちゃん」
「はい……」
「着く前に、ちょっと話しておこうか」
綾花は思わず背筋を正します。きっと珪先生に関係する話だろうと分かっていたので。
つるぎは少し居心地悪そうにお尻の置き場所をもぞもぞと動かしてから、切り出しました。
「例の本さ。著者名を覚えてる?」
「は、はい。確か……」
新見 冬
。そう、確かそんな名前でした。
綾花には聞き覚えがありません。つるぎも同様だと話したことがありました。
「あれからまー、ホウボウ調べ回ってね。あれこれ分かったことがあるんだけどさ。わたしたちがこれから向かうのは、その新見 冬サンが生まれた街らしいのよ」
「えっ。あ、そうなんですか!?」
ん。とうなずいて、つるぎは缶コーヒーをごっくん。
綾花は身を乗り出します。
「新見って人は、小学校で教師をやっててね。その街で何年か、チビッコ相手に教えてたみたい。得意科目は国語で、ほら、文学をたしなむ楽しさを見い出して~とか、読むことを通じて自分の視野が広がって~とか。そんなやつ」
「教えてた、って、今は? どうしてるんですか?」
「教師は数年で退職したみたいよ。結婚を機に、ってやつね。で、その後は外国に移り住んだとかで、向こうで地域に馴染んでるかそれとも言葉の壁に苦労してるのか、専業主婦か、またセンセイやってるのか……ま、そこまでは分かんないけどね」
綾花はふむ、と唇をアヒルのようにとがらせます。ちょっぴり、戸惑いまじりに思案。正直に言って、あの本の作者が今日の突発的小旅行においてどんな意味合いを持つのか、いまひとつ想像が及ばなかったので。
つるぎはまたコーヒーの缶をかつんとやって、続けます。
「国語教師としてチビッコを教えるかたわらで、新見サンは本を書いてた。といってもほとんど趣味みたいなもんだったらしくて、実際、書籍の形になってるものは数冊しかないんだけど」
「そのひとつが……『HALO』?」
「そそ」
HALO。天使の輪っか。『氷解無垢』。そのタイトルの意味を、綾花はまだ知りません。
珪先生がなぜ、それを探しているのかも。
けれど……続くつるぎの言葉が、その繋がりの一端を示してくれました。
「新見センセイは結婚したって言ったよね」
「はい。それで教師をやめられたんですよね」
「そう。その新見さんの旧姓が、早川っつってね」
一瞬の間。なんだか空気がぐんにゃり、歪んだような感覚を覚えました。
「……えっ。えっ?」
「早川 冬。あの本の作者は、珪さんの叔母にあたる人らしいんッスよなーこれが」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSS(500)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年12月20日
参加申し込みの期限
2022年12月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年12月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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