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秋色の、どこかの公園で過ごす日に。
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◆秋の味覚を狩りつくせ!
その公園は、島山梅園からほど遠くない山間にある。否、公園、というのは正確ではないかも知れない――秋のキノコ狩りのシーズンに適当な空き地にバーベキュー用の設備が設えられて、そこでキノコを焼いたりして食事できるようにしてあるだけの、どちらかと言えばキャンプ場とかバーベキュー場とか、そういった印象の方が強い場所だ。
けれどもそこが公園を名乗っているのだから、まあ公園なのだろう。例年のようにキノコ狩りに訪れる
仙藤 紫
はもちろん、
仙藤 蒼
にもその謎が解けた事は、ついぞない。
閑話休題。
知る人ぞ知るその、キノコ狩りや木の実採取が楽しめる山間の公園に、仙藤家が揃って足を運んだのは日曜日、秋晴れの気持ち良い朝の事である。その性質上、最低限のルートは確保されているものの、決して交通の便が良いとは言えない公園は、けれどもすでにそこそこの賑わいを見せていた。
キノコ狩りの受付をして、毎年お決まりの注意事項を聞いて――たまに変わっていたり、増えていることがあると、何かトラブルがあったんだろうなと想像する――いざ出発、と紫と蒼は舗装されていない山道を歩き出す。2人だけだ――両親はレンタルしたバーベキューコーナーで、採ってきたキノコを焼く準備をしつつ、のんびりしている事だろう。
ゆえに紫と蒼はそれぞれ使い込まれた、ところどころ開きグセのついているキノコのガイドブックを手に、キノコを探して山道を踏みしめる。落ち葉を踏んで滑り落ちないように、最初からずんずん進むんじゃなくて歩幅は小さめで。
去年キノコを見つけた場所に、今年もあるとは限らない。逆もまた然りで、歩きながらあちこち慎重に見まわしていると程なく、倒木の陰にひょっこり顔を出しているキノコを発見した。
「あっ、お姉ちゃん、あれあれ」
「ちょっと待って、見てみるから……うーん、これは……あ、食べられないキノコだわ」
そのキノコを睨みながら、ガイドブックをパラパラめくって食べられるキノコか否か、調べる姉の手元を見ていた蒼はふと、こんな時、と呟いた。そう、こんな時はいつも――10年前まではいつも、
「おじいちゃんが居れば、すぐに判るのにね」
「そうね」
そんな蒼の言葉に、紫が視線をガイドブックに落としたまま、ひょいと軽く肩を竦めた。けれども、その瞳に少しばかり影が落ちた気がするのはきっと、蒼の錯覚ではない――と思う。
なぜ今になって思い出したのか、それは10年近く前、蒼が6歳の時の事だ。その時はこの公園はあったけれど行かなかったのか、それとも公園なんて存在していなくてただ九夜山に行ったのだったか、覚えてはいないけれどもその6歳の秋に蒼は、今のように姉と、それから祖父母と一緒にキノコ狩りで九夜山に登ったのだ。
結論から言ってしまえば、その時は祖父の独壇場だった。幼かったから多少記憶にバイアスがかかっていたとしても、間違いなく祖父はやたらめったらキノコに詳しく、ガイドブックなんて見なくても一瞥しただけで次々と判別して見せたのである。
『ああー、そりゃダメだ蒼、取るんじゃない。毒キノコだ、食べられん』
『おお紫、面白いキノコを見つけたな。だがこれも食えん、毒はないが不味すぎる』
いちいちそんな蘊蓄を垂れる祖父に、祖母は呆れ顔だったようにも、微笑ましく見ていたようにも思う。キノコだけじゃなく、食べられると教えてもらった野イチゴを摘んで食べたり、楽しくなって一帯のキノコを採り尽くして怒られたり、そんな祖父を見て祖母が『ちょっと落ち着きなさい』と逆に怒ったり。
(後はなんか、やたらカサの大きなキノコも見つけたんだよね)
とはいえそれは色も不気味で、さすがに子ども心にも『アレはヤバい』と感じ、遠巻きに見つめるだけだった。案の定、蒼の視線と表情に気付いた祖父が『ありゃ猛毒キノコだぞ』と言いながら、頭を撫でてくれたっけ。
――けれども、祖父とのキノコ狩りの思い出はそれが最後。翌年の春、あれほど元気に山を駆け回っていた祖父は、突然亡くなってしまったから。
(ホント、何でこんなこと思い出したんだろね?)
解んないな、と首を捻りながらまた、見つけたキノコに手を伸ばす。途端、『こりゃ蒼! なんもかんも採っちまうんじゃない!』と祖父が怒ったような気がして、はっ、と目を瞬いた。
手の中には、これはちゃんと食べられるキノコ。そして採取用のカゴにもたくさんの――文字通り、山盛りになったたくさんのキノコ。
あちゃ~、と顔を顰めた。祖父の事を妙に思い出したのはもしかしたら、これを警告するためだったのだろうか。
「そんな馬鹿な」
「何が馬鹿なの? ……って、蒼! そんなに採ってどうするの?」
思わずセルフ突っ込みした、蒼の声に振り返った紫がぎょっと目を見開いて、カゴの中の山盛りのキノコを凝視した。紫自身も、キノコを集めて回るのは結構好きだから、つい採り過ぎてしまったかな……と自省する程度には採ってしまっているけれど。
それでもせいぜい、蒼の半分といった所で、けれども量にしたら家族4人がお腹いっぱいキノコを楽しめてしまうくらいにはある。そこにさらに蒼の採った分もとなると、かなりの量だ。
そんな姉の言葉以上にモノを言う眼差しに、内心自分でも「これどうしよう……」と思っていた蒼は、潔く開き直る事にした。
「しばらくキノコ祭りでいいじゃん。ひとまず明日はキノコご飯にしてさ」
「それだけじゃ使い切れないでしょ。それ、全部食べられるの?」
「食べるよー! なんかさ、キノコ狩りって宝探しみたいな感じがして、好きなんだもん」
それはきっと、祖父の影響も多分にあるだろう。紫にも身に覚えがない訳でもなく、ふぅ、と吐いたため息はゆえに、仕方ないなと前向きにキノコの使い道を検討するそれだった。
取りあえず最初に調べるのは、キノコの保存方法だろう。帰りに島山梅園に寄って聞いてみれば、案外教えてもらえるかもしれない。
そんな事を考えながら、そろそろ戻りましょ、と妹を促して山を下り始める。
「お姉ちゃんも結構採ってるじゃん。あっ、野イチゴも採ったんだ、これ美味しいんだよねぇ」
「椎の実も見つけたから拾ったわよ、炒ったら美味しいでしょ。蒼のキノコは――まず食べられるものかどうか調べた方が良さそうね、私も何回か間違えて毒キノコ採りかけて、冷や汗かいちゃったわ」
「ゲッ!? うぅぅ、お願いしまーす!」
そうして2人賑やかに山を下り、両親の居るバーベキューコーナーへ戻るとすでに、串に刺された肉や野菜が万端に用意されていた。姉妹の帰りを待ちかねていたらしい両親が、さっと汚れを落としたキノコを次々と串に刺して、ちょうど良い火加減に調節された炭の上に並べ始める。
程なくして、ふわり、漂ってきたのはキノコの香しい匂い。種類によって微妙に違うのに、なぜだか間違いなくキノコだと判るのが面白い。
もちろん姉妹も両親を手伝って串を回し、焼きながら出来上がったものから「いただきまーす」とかぶりつく。
「んん! 塩しかかけてないのに美味しい! マジたまらん!」
「香りがとてもいいのよね。採りたてだからかシャキシャキしてるし……すごく美味しい」
そうして口を突いて出るのは、心からの素直な叫び。もっともっとと手が止まらず、次々にはふはふアツツと食べているうちに、第一弾はあっという間になくなってしまう。
けれどもキノコは幸い、まだまだあった。少しお腹が膨れて余裕が出来たので、次は鉄板も暖めて椎の実を炒ったり、裂いたキノコで焼きそばを作ったり。
美味しい秋は、まだまだ続く。
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あとがき
担当マスター:
蓮華・水無月
ファンレターはマスターページから!
いつもお世話になっております、または初めまして、蓮華・水無月と申します。
この度はご参加頂きまして、本当にありがとうございました。
秋色に染まるどこかの公園で過ごす物語、いかがでしたでしょうか。
皆様の楽しげなアクションに、精一杯お応えさせて頂きたいと、頑張って執筆させて頂きました。
公園、と一言で申しましてもイメージするものは様々だったりしますよね。
皆さまの中のいろんな公園を、想像するのも楽しく、何となくふんわりとした公園見取り図を脳内に作ってみたりしていました(笑)
お届けさせて頂きましたリアクションが、皆様に僅かなりとも楽しんで頂ける物であれば、心から嬉しく思います。
またのご縁がございましたら、どうぞ宜しくお願いいたします(深々と
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年11月30日
参加申し込みの期限
2022年12月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年12月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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