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秋色の、どこかの公園で過ごす日に。
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◆貴女と一緒に息抜きを。
見つけた公園の入り口に自転車を止め、ふむ、と
八神 修
は中を垣間見た。小さな公園だ――フェンス代わりに周囲に植えられた低木が、秋色に染まってどこか華やかにも見える。
入り口に据えられた車止めのブロックを通り過ぎ、足を踏み入れれば少し行った先に、白いモルタルの水飲み場が見えた。季節柄だろうか、それとも他に何か事情があるのか、使用禁止と書かれた、いかにも手作りなラミネートフィルムのお知らせが下がるロープが周りにぐるりと張り巡らせてある。
が、水が出ないのかと言えばそうでもないらしい。栓が緩いのか、あるいは誰かがお知らせを無視して利用した後しっかり閉めていなかったのか、噴水口からはちょろちょろと水が流れ出していて、それが足元の水受けに溜まっている。
(――そして猫の水飲み場になっている、と)
水受けの周りに集まり水を飲んでいる猫達をも見て修はふ、と目元を緩めた。そんな修の気配に気づいたそのうちの何匹かが、なんだ? とばかりに修の方を振り返り、じっと見つめてくる。
怖がらせないよう、僅かに目を反らしつつ軽く肩を竦めた。
「こんにちは。ベンチを借りるよ」
それに返事はなかったが、そのまままた水を飲み始めた所を見れば、修の滞在は許されたのだろう。「ありがとう」とその背中に声を掛け、修は軽く見回して居心地の良さそうな陽だまりのベンチを見つけると、そのままそこに腰を下ろした。
とん、と傍らに置いた鞄を開ければ、中には図書館から借りてきた何冊かの本が入っている。そのうちの一冊、スイーツレシピ本を取り出すと、目次で見つけて気になっていたスイーツのページをぱらりと開いた。
高校3年の秋ともなれば、日々が受験勉強に明け暮れがちだ。とはいえ適度な休息は必要だと、こうして陽だまりでのんびりリフレッシュしつつ、読むのはスイートポテトパイの作り方――先日、
七夜 あおい
と一緒に食べたのが、とても美味しかったから。
ぜひ自分でも作りたい、作ってあげたいとスイーツレシピ本の目次を色々と眺め、名前の載っていたこの本を借りてきた修である。自身でも料理をたしなみ、スイーツ作りもそれなりに出来ると自負してはいるが、
(この、何回も畳んだ生地が膨らむかというと……)
難しそうだ、と息を吐く彼が見ているそのレシピは、パイ生地から手作りする本格的なもの。まずはパイ生地を作ってみる所からかな、とレシピの手順と自身のスケジュールを照らし合わせて、うーん、と考える。
と、不意に暖かだった陽だまりが遮られ、レシピ本の上に影が落ちた。
「……?」
その途端にひんやりする空気に秋を感じつつ、何だろうと顔をあげればそこには、見知った顔。否、見知ったなんてものじゃない――ついさっきもその存在を思い出していた、何ならいつだって折に触れて思い出し、想わずには居られないたった1人。
軽く目を見開いて、その名を呼ぶ。
「あおい?」
「やっぱり修くん?」
「「こんな所でどうしたの?」」
しまいには全く同じセリフを同じトーンで言い合って、きょと、と2人は顔を見合わせた。一拍してからおかしさが込み上げてきて、クスッ、と笑いを零したのも同時。
それからあおいに、実は図書館で勉強した帰りにここで休憩していて……という話をすると、あおいがすごいね、と顔を綻ばせた。
「あ、でもじゃあ、お邪魔しちゃった?」
「全然。あおいは? 何処かから帰る途中だった?」
「うーん。それもあるけど、ほら、ここ集会所になってるでしょ?」
あれ、とあおいが指さしたのはあの、猫達が集まっている水飲み場である。――なるほど、猫の集会所にもなっているのか。
猫を見に来たんだよね、と嬉しそうに顔を綻ばせて猫達を見つめる、あおいにこそ眩しく目を細めながら修もまた猫達を見れば、あおいの存在はどうやら猫達には既知のようで、我関せずとばかりに毛づくろいをしたり、水を飲んでいる姿が映った。うちの何匹かがひょいとこちらを見て、てこてこと歩いてくる。
今日はおやつないよ、とあおいが破顔しながらしゃがみ込み、そのうちの1匹の頭を撫でた。おやつ、と呟いた修はレシピ本を膝に置くと傍らの鞄をがさごそ漁り、何か猫おやつを持っていたかなと確認する。
ちら、とそんな修を見たあおいが、だが膝の上のレシピ本の方に気を取られたようで、視線を膝の上に落とした。じ、と見つめたタイトルを呟く。
「『おうちで作るとっておきスイーツ! おもてなしから子どものおやつまで』……?」
「――あぁ、これ。ほら、こないだ一緒にスイートポテトパイを食べただろ? あれが美味しかったからさ、自分でも作れないかって……もちろん、ちゃんと参考書も借りたけどさ」
「ああ! 美味しかったよね! ……え、あれって家でも作れるの?」
「この本に載ってるから作れるはず、なんだけど、パイ生地がちょっと難しそうだ」
素直に感嘆の眼差しを向けたあおいに、向けられた修は少しばかりの見栄を張りつつ、軽く微笑みレシピ本の表紙をポンと叩いた。『ちょっと』どころかなかなかに難しそうだとため息を吐いた後なのだが、そんな事、好きな子にはなかなか言いたくない。
ゆえにそう告げた修に、そうなんだ、とあおいは納得した風で――彼女の料理知識とスキルを考えればそれも当然ではある――また、足元に集まってきた猫達を撫で始めた。心なしか、先ほどより増えているようだ。
いつもこんな風なのかとあおいを見れば、彼女も少し驚いている様子。だとしたら、と少し考えて修は、ああ、と苦笑した。
「ここ、公園の中で一番日当たりが良さそうだからかな。――猫は暖かい場所をよく知ってるね」
「あ、なるほど! 修くんが美味しそうなスイーツの本を持ってるからかな、って思った」
「どうだろう? 写真は確かに美味しそうだけど」
「ふふっ。修くんが作ってくれるお菓子は、いつも美味しいけどね」
にこっ、と笑いながらそう言った、あおいに少し息を飲む。それはどういう意味と少しばかり邪推して、でも彼女の様子を見る限り言葉以上の意味はなさそうだ、と自分に言い聞かせた。
だからふぅ、と小さく1つ深呼吸をして、おどけた口調で笑いかける。
「お褒めに預かり光栄です、お姫さま。――上手く出来たらまた、食べてくれると嬉しいよ」
「うん! 楽しみにしてるね!」
そんな修にあおいがにっこりと、嬉しそうな笑顔で大きく頷いた。その足元には集まってきた猫が何匹も転がって、人間の事情など知らぬとばかりに、彼女の靴にじゃれついていたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年11月30日
参加申し込みの期限
2022年12月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年12月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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