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秋色の、どこかの公園で過ごす日に。
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◆懐かしさが募る秋の日。
さて困った、と
倉前 七瀬
は膝の上に置いた本を見下ろし、思案に暮れていた。否、もっと正確に言えば途方に暮れていた。
(まさか洋書やったとは……)
秋晴れの、気持ちの良い公園である。寒すぎもせず、暑すぎもせず、心地良くも過ごしやすいこの季節、公園のベンチはある意味、何処よりも贅沢な特等席だ。
けれどもそれらの要素は残念ながら、今の七瀬にとっては何ひとつ助けにならない。むしろ何処にも助けを求められない、という意味では常より悪い状況といえる。
――これほどに七瀬を困らせている、その要因は膝の上に置いたこの本だった。図書館で適当な本を探して本棚を眺め、これなら良さそうだと背表紙だけ見て借りてきた本――それがまさか和訳も付いていない完全なる洋書だなんて、その時の七瀬が知るはずもなく。
秋晴れの良い気候を楽しむべく、ぶらぶらと散歩をして紅葉なんかを楽しんだ後、さて公園のベンチで読書でも……とうきうきしていた七瀬の目論見は、ゆえに最初の1ページ目、どころか最初の1文字を見た所で頓挫した。うむぅ困った、と何度目かのぼやきとため息を同時に吐き出すも、完全なる後の祭りだ。
嗚呼、なぜあの時、せめて中身を確かめなかったのか。否、そもそも自分が見ていた本棚が洋書コーナーだと、なぜあの時の自分は気付かなかったのか。
「うむぅ……」
もう何度目とも知れないため息を吐き、だがせっかく借りてきたのだし、折角の読書日和なのだし、と悪あがきを試みる。これでも一応、現在に至るまで学校で何年も英語を学んでいるはずなのだ、ここで諦めるなんていくら何でも情けないではないか。
そう己を奮い立たせ、再び洋書を開く。途端、目に飛び込んでくるアルファベットの大群に怯みつつ、頭から読み下してみようとし、それをあきらめて次は知っている単語を拾い読みつつ、何とか数ページはめくってみて。
だめだ、と再び挫折した。
「うーん……呪文のごた…………いっちょんわからん……」
どうかしたら呪文の方がまだ、日本語で書いてくれてるだけマシである。あちらは少なくとも読み方だけは解るが、こちらはもうさっぱりだ。
それでも「折角の読書日和……」としばらく名残惜しそうに、否、恨めしそうに本の表紙を眺めていた七瀬だが、やがて小さな諦めの息を吐いた。どうやったって読めないのだから、粘るだけ無駄というものだろう。
そうして帰ろうと立ち上がりかけた七瀬はだが、ふと視界の端に過った見知った人の姿に、あっ、と思わず声を上げた。
「ウォルター先生、奇遇ですねぇ!」
「おや、倉前ぇ?」
どうしたのぉ、とその声に目をぱちくりさせて七瀬を見たのは、
ウォルター・B
先生である。寝子高でお世話になった、けれども卒業した今となってはこうしてたまに偶然出会うより他、縁のなくなった人。
と言ってもさほど広くはない島の事だ、今日のように、たまに顔を合わせる事はあるのだが――
「先生はお出かけでしょうか?」
「んんー、まぁねぇ。倉前は?」
「僕は読書しようと思っちょったんですが……」
ウォルター先生の言葉に説明をしかけて、はっ、と気付く。これは『チャンス』だ。
手の中には(恐らく英語の)洋書。そしてウォルター先生は英語のお国からやって来た、英語の教師。
ごくり、唾を飲み込み七瀬はごく真面目な顔になって両手に洋書を握り締め、ウォルター先生に問いかける。
「先生……これからお時間ありますか?」
「んー……?」
その真剣な眼差しと声色に、ウォルター先生がきょとん、と首を傾ける。そんな先生に、実はこれこれこうでして、と洋書を見せながら事情を説明すると、くっ、と喉の奥で笑いを噛み殺した。
倉前ぇ? と人差し指で七瀬のおでこを突きながら、からかうような笑顔になる。
「ココに教え込んだと思ったけど、忘れちゃったのかなぁ」
「うっ! その、高校の時も今も、英語の授業は得意やなくて……高校の時は先生がおったけん、まだよかったんですけどねぇ」
ソコに幾度となく食らった『白い魔弾』の痛みを思い出し、思わず額を抑えながらごにょごにょと言い訳を試みるが、今はともかく当時の七瀬の成績なんてウォルター先生の方がよく知っているだろう。ゆえに「知ってるよぉ」と楽しげに笑ってウォルター先生は、ほら、と手を差し出してきた。
きょと、とその手とウォルター先生の顔を見比べる七瀬に、ひょいと肩を竦める。
「教えて欲しいんでしょ? さすがに全部翻訳はしてあげないけど、要点ぐらいは教えてあげるよぉ」
「……! ありがとうございます!」
そうして告げられた言葉に、ぱっと顔を明るくして洋書を渡した七瀬にウォルター先生が、またくつくつと喉を鳴らした。鳴らしながらタイトルを見て「ああ、この作者か」と呟き、パラパラと一通りめくる。
それからポム、とその本で七瀬の頭を軽く叩いた。
「テストでも出したことあるよぉ。そこから読んだらとっつきやすいかもねぇ。この、115頁の」
「あー……あー? そう言われると見覚えがあるような」
「ははっ。この本は短編集だから、どこから読んでも良いんだよねぇ。倉前に読みやすそうなのは、後は――」
そう言いながらぺらぺらとページをめくり、さらに読む時に気をつけるべき表現や、英語独特の言い回し、少しばかり出て来るスラングなんかを、すらすらと解説してくれる。その姿はまるで学校の先生のようだ――いや、ウォルター『先生』なんだって。
変な感想を抱きながら、七瀬はウォルター先生の『授業』をほうほう、あーなるほど、と拝聴する。自身も横から本を覗き込み、先生の『授業』と一緒に眺めれば、何となく読み下せそうな気がした。
「――先生、ありがとうございます。わかりやすい『授業』でした」
そうして話が終わって、返された洋書を受け取りながら七瀬がそう頭を下げるとウォルター先生は、そうだろう、と言わんばかりの笑顔になる。それがオシゴトだからねぇ、と言われればまったくその通り、返す言葉もない。
そのやり取りが嬉しくて――懐かしくて、ふふ、と七瀬は笑みを零した。
「こうしていると高校時代に戻ったみたいです。また、たまに英語教えて欲しいです。……なんちゃって」
「――まったく、卒業しても手のかかる生徒だねぇ」
軽口のような本音の言葉に、ウォルター先生がそう、苦笑しながら肩を竦める。それって、と見上げれば先生はただ、唇の端を吊り上げて笑うだけだ。
また同じようなことがあれば、こうして『授業』をしてくれるのかも知れない。――そう感じて、七瀬はほっこり胸が暖かくなったのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年11月30日
参加申し込みの期限
2022年12月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年12月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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