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秋色の、どこかの公園で過ごす日に。
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◆幸いを噛み締める。
近所の児童公園は、土曜日の午後とあって小さな子やその保護者、それから小学生や中学生の姿もあって、なかなかに混んでいた。
「楓ー。おともだちとぶつからないように遊ぶのよー」
「はーい」
公園に着くや否や、まっしぐらに砂場へと走って行った娘の背中にそう声を掛ければ、返事だけは『良い子』の答えが返ってくる。まったく、と苦笑いと呆れの間のため息を吐いた
梓 智依子
に、一緒に来ていた祖父母がくすくす笑いながら、ひ孫の後について行ってくれた。
ありがとう、とその背に声を掛けながら智依子もまた、楓の様子が見えるところに移動する。――児童公園に連れて来てやれて良かった、と思った。
いつもなら土曜日の午後はバイトのシフトが入っていて、楓の事は祖父母に任せきりの智依子である。けれども今日は偶然、シフト交換でバイトが休みになったので、せっかくだからと家族みんなで遊びに来たのだった。
閑話休題。
ひとまずは祖父母に楓の見守りをお願いして、智依子はスマホを取り出した。と言ってもゲームなどをするのではない、今日の授業で出た宿題を調べたり、お夕飯のメニューを検索したり、楓に必要になった衣類や持ち物の事を確認したりと、やるべき事は山のようにある。
それでも、意識は完全にはスマホに向かない。時々ちらりと楓や祖父母の様子を見て、またスマホで調べ物をして、またすぐにちらりと楓を見て――
「にゃおー! ふにゃー!!」
「――ぷふっ! 楓、何やってるの?」
気付けば砂場で一緒に遊んでいた――特に友達という訳でもないけど、いつの間にか一緒になって遊んでいるのはよくある事だ――同い年くらいの男の子と、猫の鳴き声を真似ながらまるで怪獣のようにのっし、のっし、と歩き回る、小さな楓怪獣が居た。思わず吹き出しながら尋ねると、えー? と嬉しそうに笑ってまた「にゃー!!!」と歯を剥き出しにして叫びながら、砂を蹴立てて歩き出す。
それどんな怪獣なの、と考えていたら一緒に怪獣になっている男の子の母親らしい女性が、うはははは! と大笑いし始めた。
「ちょっとあんた、それどんな怪獣なの!?」
「にゃおんがー!」
「わたしはにゃにゃんがー!」
「あははははは! お嬢ちゃんも、あはははははは!」
「やだ、楓ったら……ックククク」
遠慮なく笑い飛ばす女性に釣られて、智依子も堪え切れず肩を揺らして笑い出す。おかしい。おかしくて、可愛い。
つい手にしていたスマホでパシャリと撮ると、あー! と楓が怒ったような驚いたような声を上げ、バタバタと駆け寄ってきた。見せて! と言うから見せてやると、じっとしばらく見つめた後で、次は違うポーズになる。
「もういっかい、とって!」
「えぇ……また撮るの?」
「ぼくもとって!」
「僕もじゃないでしょ!? もう、ホントすみません」
「いえいえ。じゃあ2人とも撮るわよー」
すかさずポーズを取って楓の隣に並んだ男の子も一緒に撮ってあげると、今度は変顔ではなく得意げな満面の笑顔が2つ、並んで画像に収まった。それをお母さんに送ってあげて、それじゃ、と頭を下げてまたお互い、自分の子どもの見守りや、ママ友との井戸端会議を再開する。
そういえば祖父母は、と辺りを見回してみれば、やはり孫の見守りに来た同年代の人と世間話をしていた。となると帰るのはもう少し後かな、と考えていたらちょうど児童公園に来たママ友が、楓ちゃんママ、と声を掛けてくる。
「あ。こんにちは」
「こんにちは! ねえ、昨日の園からのお知らせ見た?」
「見ました! ちょうど今も調べてて」
「あ、そうなんだ? うちはね、旦那がネットで見つけてくれたんだけど、この……」
「え、見せて見せて。あー、これ! どこで見つけたの?」
そんな風に智依子もまた顔見知りのママ友と、情報交換から互いの子どもの愚痴なんかを話していたら、時間はあっという間に過ぎて行く。その間もちらちらと子どもを見守り、時折は声を掛け、ちょっとごめんねと中座して追い掛け回すのも、いつもの事。
その、いつも通りの日常が――考えてみれば随分な幸運なのだと、ふと智依子は思った。
(おじいちゃんとおばあちゃんが居なかったら)
ただでさえシングルマザー、しかも未成年だった自分が楓を出産するなんて、難しかっただろう。ましてや今のように3年遅れで高校に通ったり、娘の預け先を心配することなくバイトをしたりなんて、夢のまた夢だったはずだ。
順当にいけば妊娠が判った時点で中絶か、出産した後に養子か何かに出していた事だろう。もし何としても自分の力で育てる! とがむしゃらになった所で、きっと働ける先も限られていたし、高校に進学するなんてとてもじゃないが、出来なかったに違いない。
――智依子が今こうして、余裕のある子育てを楽しみ、日々を穏やかに過ごす事が出来ているのは、地主である祖父母のおかげだ。祖父母が智依子を庇護し、楓を可愛がり、その面倒を見てくれているから、智依子はこうして同年代とは『ちょっとだけ違う』日常を送れている。
(それは――とても幸運なことだわ)
それを噛み締め、智依子は元気に遊びまわる楓を、穏やかに祖父母世代と交流をしている祖父母を見つめた。今月5歳になる楓は今は、何人かの子ども達と一緒に公園の隅のイチョウの木の下で、銀杏を踏んで回って遊んでいる。
あれ匂いつくのよねぇ、と顔を顰めたママ友に、同じように苦笑いして頷きながら、その様子を智依子はじっと見つめていたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年11月30日
参加申し込みの期限
2022年12月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年12月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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