this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
君の忘れ物
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
10
つぎへ >>
「最近のウォルターさまは、良い顔をされているように感じます」
屋敷の空気が柔らかくなった。時に童心のような顔をして笑うようになったり、張り付いた笑顔で隠してきた怒りも悲しみも、露わにするようになった。
腫れ物を触るように見ないでくれと人を遠ざけた少年時代から潜めていた感情の機微が見え隠れしている気がする。
ようやっとメアリにも、目に見えてウォルターの心の時が動き出したように感じていた。
「それが僕を切っ掛けになら嬉しいけど……もし、そうじゃなくても心のつかえが取れていたらいいな」
きっと彼にとって、二度と見たくも無い記憶だっただろう。
いくら視界を塞いでも、直前まで見ていた光景から出来事の察しはつくし、人の手で塞いだくらいではあの破裂音はかき消えない。硝煙と鉄さびの混じり合う香りと悲鳴、それから息をのんだ彼の鼓動と震えが、半端に遮られた世界にいた柚春の中に、より残酷な描写を色濃く残した。
――あんな日を忘れろだなんて、一緒に受け止めてあげるだなんて、無責任に言えるわけが無い。
だけど一緒に泣くことが、彼らを抱きしめることが、ほんの少しでも安らぎになっていればと願うのだ。
「共に歩くことは、すべてを分かち合うことではございません」
メアリが首元から取り出したのは、チェーンに通した指輪だった。さして主は気にしないだろうが、やはり職業柄目立つアクセサリーを身につけるのは憚られるし、仕事中に傷が付いたり無くしてしまいたくない。
それでも常に心は添い遂げると誓った日に贈られたこれだけは、肌身離さず持っていたかった。
「人生の先輩が言うと、説得力が違いますね」
憧れめいた瞳で指輪を見る柚春に、メアリが多くを語ることはなかった。
またいずれ、機会があったら聞いてやって下さいと笑って指輪を光にかざすと、懐かしそうに目を細めた。
「お力添えができるほどの経験もございません。時代によって、国によって……個々によっても答えは違うでしょう。わたくしの言葉は、多数ある縁の中のひとつに過ぎませんよ」
「僕は未来を知っている人に答えを聞きたいんじゃなくて、色んな物の見方を知りたいんです。決められた一本道しかないだなんて、思いたくないから」
偶然の巡り合わせが、望むような未来にばかり繋がっているはずがない。
良いことも悪いことも『運命』と呼んで受け入れられるなら、両親のように引っ越しが多いことを楽しめたはずだし、その場その場の縁をもっと気楽に紡げたはずだ。
忘れられることを恐れて割り切れないということは、違う道を求めていると言うこと。夢見がちではあるけれど、それに憧れて素直に従ってばかりではいられない大事な想いを見つけた。
「……ええ。答えは柚春さまの中にしかございません」
ここへ訪ねてきたときのような憂いは、もう無かった。
メアリの安堵したような笑みに釣られて柚春もまた微笑み返すと、まるでタイミングを見計らっていたように足音が聞こえてきた。
「誰か来てると思ったら……話すなら中に入ったら?」
寒くないの、と声をかけてきたのはウォルターだ。確かに考え込みながら庭いじりをしていた時には気にもしなかったけれど、こうしてじっと立ち話をしていると風が冷たいかもしれない。
「あっ、そういえばすっかり手が止まって……メアリさん、ごめんなさい」
「いいえ、いつもより手入れが行き届きましたから。ありがとうございます」
夏に比べ、日の出ている時間も短くなってきた。主も顔を出してくれたことだし、そろそろ庭先の掃除は終わらせて室内の仕事に戻っても良い頃だろう。
「二人は手を洗っておいでよ、その間にお茶くらい淹れてあげるからさ」
「……ウォルターさんが?」
何でもそつなくこなす天才肌ハイスペック――人はそう呼ぶけれど、彼にも苦手なことがある。
幼い頃より身の回りのことはメイドに任せてきた彼にとって、家事全般はお世辞にも出来るとは言い難い。任せてしまえばインスタントコーヒー感覚で盛られた茶葉から渋い液体が抽出されそうだ。
「それはわたくしの仕事ですから、取り上げないでくださいませ」
「お茶くらいで大げさだなぁ、これくらい僕にもできるんだから」
「メアリさんの技術はこれくらいなんかじゃないですよ!」
少し加減が変わるだけで、味も香りもどれほど変わることか。そう熱弁する柚春に気圧されながらも、「できると思うけどなぁ」なんて独りごちる主をキッチンへ立ち入らせまいと、メアリは素早く庭先を整えてしまう。
「こちらを片付けましたら、すぐに参ります。どうぞごゆっくりお待ちくださいませ」
「はぁい……ありがとう、メアリ」
日頃の感謝も込めたような、さらりとした言葉。けれど微笑みには、少し慈しむ想いが滲んでいて。
何をとは言わないので、問わない。ただメアリは、主からお褒めの言葉を賜ったことに深々と頭を下げた。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
君の忘れ物
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年11月24日
参加申し込みの期限
2022年12月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年12月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!