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君の忘れ物
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「もうすぐ、だね」
「んー?」
「ハロウィンも楽しみだけど、今度は文化祭があるでしょ。またウォルターさんは景品になるの?」
「去年の反響を元に、生徒から打診があれば断れないなぁ」
彼が誰かと過ごす時間を、去年は気にしなかった。
ただ慕われている先生がいるなと遠目に見て、先生と生徒の信頼関係が羨ましかった。
「それは先生としてのお仕事だから仕方ないけど、それが終わったら」
――運命って、あると思いますか……?
ぎゅっとショルダーバッグのベルトを握りしめ、
вор
にも夕陽が水平線に飲まれる瞬間が見えるようにと調整する。
あの時は色んな運命が交差していた。
様々な出逢いあって、特別な始まりがあって、気付かなかった訪れもあって。
――え、あるんじゃないの?
「……公園で、のんびりお話したいな」
「そうだねぇ。読書をしても紅葉を楽しんでも良さそうだ」
きちんと意識をしたのは、この夏から。
片想いの許可をくれただけでも嬉しいのに、これ以上なんて望めば関係は崩れてしまうかもしれない。
でも、じっとしているなんて無理なんだ。それだけでは何も動かないから。
「その時は、デートとして来てくれる?」
こうして聞いても、答えなんてわかっている。きっと気が向いたらねって大人の顔で笑うんだって。
寄せては返す波のように、近寄ったと思ったら引いていって、油断をしていたら大波でずぶ濡れになってしまうけれど、決して引きずり込んで溺れるようなことにはならない。
「どうしよっかなぁ、また秘密が増えちゃわない?」
だから、冗談めかしてでも悩んだ素振りを見せてくれるだなんて思っていなかった。
ほんの少しでも可能性があるだなんて思わせる、やっぱりずるい人には変わりないけど。
「考えておいてね」
夕日も半分以上しずんで、空の端は紫色が滲んでくる。あっという間に夜へ飲み込まれて、マジックアワーの時間は終わるだろう。
今は2人で見るこの景色を大切にしたいから、視線は夕陽へ向けることにした。
ただその日に、大切な話ができるといいなと――緊張を胸に。
約束通り柚春をマンションまで送り届け、部屋に入っていくのを確認してからウォルターは車を走らせる。
すっかり空からオレンジ色が無くなる頃まで浜辺にいたけれど、この時間の街道沿いは混むだろうか。そう急ぐ予定も無いし、車を出したついでだ。
メアリに連絡をして、買い物を頼まれるでもいい。ただぼんやりと1人の時を過ごすために、今度は山道を走ってみるのも悪くないかと――思っていたのに。
住宅街の十字路で一時停止。無灯火の自転車が飛び込んできやしないだろうかと注意を払っていたら、ミラーにぼんやり人影が映る。
「……本当に、突拍子も無く現れる子だねぇ」
もう何度か顔を合わせている、名も知らぬ少年。
彼の柚春至上主義な言動や、姿をくらました後にворが落ちていたこともあったから、付喪神的な存在だとは思っているけれど、彼自身からは何も聞いていないので憶測の域を出ない。
「最初に言ったよな、守れないなら手を離せ」
「急くねぇ」
「オレは――自分が守れないからって、アンタに守れって頼みたいんじゃない」
ギリッと歯を食いしばる姿は半透明。実体を伴うのも条件があるのか、彼自身が好き勝手に出来ることではないのだろう。
そんな彼に、可哀想にと安心する言葉を投げかけたところで逆撫でするだけなのもわかっている。
「今は、離せないねぇ」
「遊び相手なら柚春じゃなくたって、他にもいくらだっているだろ!?」
「あのねぇ……こっちから手を伸ばして抱き留めてるわけじゃないんだ、離しようがない」
突き放すべきだと言うのなら、そんな指図を受ける理由も無い。
どうなりたいのかなんて、こっちだってわからないのに答えられるわけもなかった。
「それは、ヒトの想いは不安定だからか?」
「ん? まぁ、そうなんじゃないかな。今すぐどうにかならないからって、この先のことはわからないねぇ」
ヒトの姿はしていても、人ではない彼にとっては理解しがたい思考なのかもしれない。
けれど納得いかないと言いたげな顔をしながら――渋々と口を開いた。
「……アンタにも心はあるんだな」
「みたいだねぇ」
「まあ、そういうことなら今日は勘弁してやる。それから……」
柚春には絶対に内緒だと念を押して。年相応な笑顔を見せた少年は『
透破
』だと名乗って姿を消した。
柚春の忘れ物を届けたウォルターは、そういえばと思い出したように告げる。
「今日は僕の忘れ物を知らせてくれてありがとねぇ」
「えっ、今日は手ぶらで行ったと思うんだけど……」
「君が勝った物の話」
あのとき。
心を無くしたと言った彼に、心はあるよと伝えた。
「……あの日に無くしたんじゃなくて、忘れてたみたい。捕まえてくれてたんだねぇ」
きっと両腕に幼い自分も含めて抱きしめられたとき、全てを認めてくれたときに繋ぎ止められた。
――ハートはちゃんと、あったよ。
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あとがき
担当マスター:
浅野 悠希
ファンレターはマスターページから!
この度はリクエスト頂きありがとうございました、浅野です。
今回のご依頼内容と、最近のシナリオにご参加頂く稲積さんの心境を少しずつ拾い集めてみました。
描ききれなかったシーンを、ようやっとお届けできたのかなと思います。
変わったこと、変わらないこと、変えられること、変えられないこと。
きっとお互いに手探りだと思うので、どうかそれぞれのペースで進める道を探してくださいね!
この度は大変お待たせしました、お楽しみ頂けると嬉しいです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年11月24日
参加申し込みの期限
2022年12月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年12月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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