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I'll be there - 仲良くなりたい、その10
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「……アーナンドちゃん、アタシ、大丈夫かしら?」
木野 星太郎
がやにわに顔を上げた。それまでテーブルの木目を数えているかのごとく、ひたすら顔を伏せていたというのに。こめかみには血管が浮き鬼気迫る表情、岩をもうがつ眼光だ。強い。圧が強い。カウンターむこうの
アーナンド・ハイイド
はたじろぐほかない。
「あ、だ……大丈夫っぽいと思います。星太郎さんの健康状態、ルックスライクベリグーね」
どういう反応が求められているのかわからず、アーナンドが絞りだしたのはこの回答だった。
ところがこれは星太郎が望んでいた言葉ではないのだ。まるっきり!
「ちーがーうーのー!!」
頭が大噴火したように星太郎は声を張り上げる。もし言霊に姿形があるとすればこの瞬間、牙を剥く黄金の獅子が出現したにちがいない。
「アタシイケてるかしら、衣装大丈夫かしら、寝癖付いてないかしらン! イヤーっ! 九鬼姫ちゃん連れてく前からこんなんでどうするのよー!!」
ハートはもう限界状態、昨夜からずっとジタバタそわそわしっぱなしの星太郎なのだ。頭のなかお花畑と呼びたくば呼べ。心に花を抱くひとは、花を揶揄する者よりずっと美しい。年齢なんて関係ない、恋の喜びを知るかぎり誰もが青春のただなかにある。場所はアーナンド経営のインドカレーの名門『ザ・グレート・タージ・マハル』、日時は火曜日午前十時すぎ、開店前の店内にて、中年美男子星太郎は青春現在進行形だ。
ついにこの日が来た。けっして大袈ではなくついにこの日が来てしまったのだ。
九鬼姫とのデートの約束……!
ずっと前から申し込んでいて、ひとたびOKは得ながらも九鬼姫の体調による延期が何度かあって、それでもとうとう、待ち望んでいた刻(とき)が訪れようとしていた。キャバクラではなかば業務となっている同伴出勤だのアフターだのではない。れっきとした、と書くといささか語弊がありそうなので表現を変えると、九鬼姫自身能動的な状態での待ち合わせの約束だ。星太郎は九鬼姫と出勤までの約半日をともにするのだ。
「ここまで大変でしたからねー。ようやく願いかなっておめでとございます」
ぴたり合掌してアーナンドは笑みを浮かべた。なんとまあ福々しい顔をしてくれるものか! これには星太郎もえびす顔だ。
「ありがとアーナンドちゃん! 嬉しいわあ~」
ちょっと語尾にビブラートがかかったのは、まだ九鬼姫と会う前なのに、すでに星太郎が感無量だからだろうか。生の九鬼姫を目にしたとたんショックで心臓が止まったりしないよう気をつけたい。
「それと見た目のことなら大丈夫中の大丈夫ですよー。超カッコいいです!」
ダブルサムズアップで保証してくれるアーナンドである。といっても、とアーナンドは笑った。
「星太郎さんは現役の広告モデルさんでしたねー、ワタシみたいなシロートが言うまでもないことでした」
「ヤダよしてよアーナンドちゃん、おだてちゃダメだってば~! あれはなりゆきで選ばれたってだけだからー!」
先日星太郎はモデルデビューを飾ったばかりだ。香水の広告ポスターである。『香る色気』というテーマにあわせ、大人の魅力がしたたるようなポーズと表情を写真に封じこめた。モデルのヘアスタイルを手がけるほうならいくらでも経験があるが、自分がモデルになるのは初体験、最初こそ恥ずかしさがまさってなかなかうまくいかなかったが、ものの半時間も経つころにはどんどん大胆になっていった。……前口上はこのあたりにしよう。さあお待ちかね、その成果をご覧あれ!
ポスターはいずれ全国のドラッグストアやネット上の商品ページ、ねこでんの吊り広告などで展開予定だが、現在はまだ準備の段階だ。しかし『ザ・グレート・タージ・マハル』内ではひと足早く、星太郎提供の一枚が先行公開されていた。ガネーシャ神のタペストリーやインド映画のポスターがならぶなかでは悪目立ちするかと思いきや、スターのオーラという意味では他の展示物とも通底したものがあるようで、案外違和感なく調和している。
「だから自信もってくださいよ星太郎さん、ワタシも応援してるですよ」
「ありがとっ! ちょっと自信出てきたわン」
ところで今日はどんな予定ですかとアーナンドが問うた。
「いろいろ考えてるのよン」
んふふふとアゴをさすって星太郎は言う。
「計画はー、ご飯食べてー、九鬼姫ちゃんにデートに似合う服買ってー」
「ほうほう」
アーナンドはゆったりと開店準備をしながらうなずく。以前ほどアーナンドはあくせくしなくてもよくなった。もうじき社員の絢美清子(あやみ・せいこ)が来るし、くわえて土日祝日には優秀なバイトもいる。だから食器入れを整理したりテーブルを拭いたりというのは身についた習慣としてやっているだけである。話にはちゃんと集中していることは星太郎も承知だ。
「でね、プチプラの化粧品も買い込んで、化粧用ポーチにつっこんでプレゼントしようとも思ってるのン」
「プチプラ……? プラスチック製ということですかー」
もー! と星太郎は頬をふくらませた。
「娘のお父さんなのにニブいわねぇ。そんなことじゃさくらちゃんが中学生くらいになったときにクチきいてもらえなくなるかもよ?」
「そ、それは困りますよー!」
アーナンドがあきらかにうろたえた。小学一年生の娘ディピカ・さくらと四歳の息子タクマ・ラジープは、彼にとって最大の泣き所なのだ。
「プチプラは『プチプライス』の略よ。要は安いけどイイものってことね」
「なるほど。覚えておきますよー」
なんならメモでも取りたいくらい熱心な反応を示すアーナンドなのだった。
「もちろんアタシはほら、おぜぜのある中年だから、高級化粧品をどっさり買ってあげることだってできるけど……」
「久鬼ちゃんなら『無駄づかいするでない!』とか逆に怒りそうですよねー」
「でしょう? それだけにセンスの見せ所よね」
実際九鬼姫はつつましい。三つから四つでワンコイン(プラス税)という駄菓子を一生懸命選んで買うのを好み、予定のない日中は、リサイクルショップのしかもワゴンセールで買ったトレーナーを無造作に着ているほどだ。姫君という話に合わない印象があるかもしれないが、贅沢三昧の姫君など例外的存在または後世の人の脚色で、戦国時代では政略結婚の道具でしかなかったわけだから、案外このあたりが実情なのかもしれない。
「買い物が終わったら、そのまま通院ご一緒してー……あ、できれば途中でシアトルスタイルのコーヒーをテイクアウトして、飲みながら歩いて行けたらいいわねえ。アタシはブラックコーヒー一択よ、だって生クリームはもたれるお年頃だモンっ」
とアーナンドを笑わせる星太郎である。
「普通のオデエトとはちがうかもしれないけど、こんなのも楽しそうじゃない?」
九鬼姫とのデートが、世間一般のそれと異なるポイントだ。当初は治療も通院も拒否していた彼女だが、星太郎ら周囲の勧めもあり、きちんと通院するようになっている。劇的によくなっていはいないようだが、いくぶん脳腫瘍の成長はスローダウンしたらしい。発作や不調も収まっている。
「あとはおうちに送って、アタシは一足先に『プロムナード』で九鬼姫ちゃんの出勤を待つ予定かしらぁ」
「充実してますねー、久鬼ちゃんも喜ぶ思いますよ」
保護者のごとくアーナンドは言うのである。たしかに九鬼姫に限らず『プロムナード』のキャバ嬢たちにとって、彼は保護者のようなものかもしれない。とりわけ、帰る故郷のない何人かにとっては。
「とくに楽しみなのはお買いものねー」
どんな高性能なプロネタリウムだって、いまの星太郎の目に浮かぶ星々を再現することはできないだろう。
「似合うお洋服セレクトしてあげたいのン。お嬢様な服とか、ちょっとクラシックな感じのとか……きっと似合いそうな気がするんだものぉおおおおおおおお!」
タイムトラベラーかつ『戦国時代の姫君』を名乗るだけあって、九鬼姫は振袖や浴衣といった和装を好む。最近ではもっぱらショート丈の和ロリを選ぶことが多いが、キャバ嬢のスタンダードなカクテルドレスも色白なのでぴったりだし、まみ子に借りたゴスロリ服もキュートに映えた。
たとえば和装の延長で矢絣袴にブーツ履きの大正モダンスタイルはどうだろう? ゴスロリセーラー服もお人形さんみたいでいいのではないか。前に恋々のおさがりでチャイナドレスを着ていたこともあるが、あそこまでセクシーでなくても胡服っぽいデザインもよさそうだ……星太郎は頭のなかでシミュレートしている。趣味全開かもしれないが、想像だけでワクワクがとまらない。
もちろん病院の時間があるゆえ長居はできないだろう。なので九鬼姫に服を選ぶときは、受診時間に間に合うよう取っ替え引っ替え着せたものから厳選しようと星太郎は考えている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年10月31日
参加申し込みの期限
2022年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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