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しずくがこぼれおちるとき<白>
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――20:56、滴のアトリエ
人に戻った
万条 幸次
が鍵を閉め、アトリエ内が閉じられると、途端に姿を現した少女がいた。
「おお! 死体じゃ! こういうシチュエーション、ゲームで見たことあるぞ、まさかリアルで見れるとは! しかしインパクトが足りんのう、心臓を抉るとかもっと猟奇さが欲しい所じゃ」
「ぎゃあ! だ、誰!? 悪魔!?」
幸次が驚くのも無理はない。彼女は布を最低限巻き付けただけという外を歩いていたら即警察が来そうな格好で、しかも体中に赤い文様が描かれていたのだ。ファンタジーゲームの中ならいざ知らず、コンクリート造りの現代建築の中では違和感しかない。
サキリ・デイジーカッター
が咳ばらいをする。
「驚かせてすまない。僕の刃物の付喪神である
イツトリ
だ」
イツトリは、ふふん、と鼻を鳴らす。
「面白そうなことがありそうなのでサキリについてきたのじゃ」
「デイジーカッターの連れなら心強いな。よろしく」
サキリの実力を知る
八神 修
はまるで動じない。流石である。
「死体っ、死体っ。早速調べるのじゃろ? 解剖するならいくらでも切り裂くぞっ」
「いや。まずは室内を調べてみよう」
イツトリの不謹慎な発言にも修はしれっとしたままだ。
自分ならいちいち動揺しちゃうなぁと幸次は尊敬するような眼差しを修に向け、それから、
「これ、黒白さんの絵だよね」
壁に立てかけてあった絵を写真に撮ってはSNSで共有していった。
修は真四角のコンクリート造りの室内を歩いてみた。
キッチン。あまり使った形跡がない。
トイレとユニットバス。こちらも綺麗だ。掃除したばかりのように見える。
「……」
立つ鳥跡を濁さず。
そんな言葉が脳裏を過ったが、口にするのは憚られて、修は呑んだ。
幸次はまだ絵の方を調べている。
「噂のグラフティ、黒白さんが描いたのなら、下書きや構想のメモが残っているかもしれないね」
「そうだな。例えばこんなところにあるかもしれない」
修は南京錠のかかった戸棚に手をかざし、鍵を<分解>で壊して開ける。
「あった。クロッキー帳だ」
何冊も並ぶうちの一冊を引っ張り出して開く。
「どれもモノクロ……鉛筆画だな……」
「なんだか胸が苦しくなるような絵ばかりだね」
「とりあえずこれも共有しておこう」
修はクロッキー帳の絵も写真に撮ってSNSにあげていく。
サキリがやってきて、戸棚の中を覗き込んだ。
「彼女の過去について何か解りそうなものはないかな。日記的な物とか」
日記帳はなかったが、クロッキー帳は何冊もある。それから画材。4Bやら2Hやら様々な濃さの鉛筆が刺さった瓶は、よく使われているのか手前にある。その奥には、短くなった黒と青のクレヨンが、思い出を詰め込むみたいに瓶詰めになっていた。これらは滴にとって鍵をかけてしまっておきたいものだったのだろうか。
「クロッキー帳が日記代わりだったのかもしれないな」
サキリはすべてのクロッキー帳を取り出すと、一番古そうなものからページを捲ってゆく。
なんといえばよいのだろう。古いものほど……家族だろうか、友人だろうか、人のような形をしたものを殺すみたいに上から黒く塗りつぶした絵が多い。
「心の泥を吐き出した跡みたいだ」
そのあと、猫の絵が何枚もあった。
子どもらしい拙いクレヨン運びで描かれているのは黒い子猫だ。
瞳だけは青で、きらきらと宝石のように澄んでいるのが印象的である。
猫ならば、とサキリからクロッキー帳を手渡された幸次は、しんみりと言った。
「この猫のこと大好きだったんだなっていうのが、絵からもわかるねぇ。昔飼っていた猫かなぁ」
「そういうの、分かるのかい?」
「分かるっていうか……そういえば黒白さんは小さいころに猫を亡くしたって聞いたことがあるよ」
幸次は遠い目をして、猫の絵を描かずにはいられなかっただろう滴と、自分の思い出とを重ねてゆく。
「僕が昔飼っていた猫は花見って言ってね。綺麗な白猫で、1年ぐらいで死んじゃったけど、何とか立ち直れたのは家に来た時にもう高齢猫だったからって諦めがあったからかも……寝てると思って何となく撫でた手に感じた冷たさだけは一生忘れないけど、彼女の場合は大丈夫だったのかな……」
クロッキー帳を捲るうち、大丈夫ではなかったのでは、と幸次は思った。
絵から愛のようなものが感じられたのは、その猫の絵の時代だけだった。
新しいものになるにつれ、人物や風景などをデッサンした絵が多くなっていくが、そのどれもが陰鬱だった。
陰鬱なものが美しく描かれるようになっていって――。
「……これは?」
サキリは何冊目かのクロッキー帳のとあるページで手を止める。
「なんじゃなんじゃ?」
イツトリがサキリの肩越しに覗き込んでくる。
「急に絵の趣が違うんだ。幾何学的というか」
「三角の中に、四角。四角の中に、円……じゃな。むむ、次のページも、またその次もじゃ」
すべてがモノクロのクロッキー帳の中でそのモチーフだけは何故か、青で描かれている。
サキリには何故かそれが『救い』のように感じられた。
――21:10、南西のグラフティ「寝子島の絵」
ちょうどシーサイドタウンと星ヶ丘の間くらいの場所だろうか。海側に目をやれば、閑静なマンション群があり、明かりのついた窓が整列している。山側を見ると桜栄邸。この時間は静かで出入りもない。
三宅 葉月
がいる場所は、大きめの通りから一本裏に入った建物の裏だった。ほんの何十メートルかの違いなのに、街灯の明かりは届かなくなり、マンション群とは真逆の闇が広がっている。
「このあたりのはずだけれど……」
葉月は手にしたLED懐中電灯を、コンクリート塀をなぞるように向けてゆく。
滴とは何度か面識があった。その彼女が亡くなり、さらにはテオが失踪した。それらに関係しているのが「周辺で人が消えるストリートグラフィティ」らしい、と情報が回ってきてから、さほど時間は経っていない。ねこったーで情報収集したところ、グラフィティは3か所。葉月は、自分の現在地から比較的近かった南西のストリートグラフィティを調べに来たのだった。
懐中電灯が作り出す円形の灯りが移動する。
現れる、猫の横顔のような形の黒い染み。
これは、寝子島だ。
寝子島が黒一色に塗りつぶされている。
その絵は、不吉でどす黒い瘴気を漂わせているように、葉月には感じられた。
指先を伸ばす。
「……」
絵に触れた瞬間、眩暈めいた感覚を覚え、葉月は深呼吸した。
大丈夫。
もうなんともない。
「画材は……インクね」
顔を近づけ匂いを嗅ぐ。独特の刺激臭が少ないから、水性インクだろうか。
指先を見る。乾いている。描かれてから数日は経っているようだ。
絵は下手ではなかった。
むしろ描きなれた人の手によるものに見えた。
滴の絵が何枚かSNSで共有されていた。アトリエ調査組が参考にとUPしたものだ。葉月は絵画が専攻だ。絵を見る目は素人よりはある。滴の絵とこのグラフティは黒の戸惑いのない使われ方がよく似ていた。同一人物が描いた可能性は高い、と葉月は思った。
絵の周囲も慎重に探る。
何の変哲もないコンクリート塀だ。
ここでなければいけない理由が何かあったのだろうか。
「……まずは連絡を」
葉月は絵に背を向け、絵のあった場所、画材、絵の周辺の状況について共有すべく、SNSにアップする。
送信し、
「――誰」
振り返る。
……心の底に響くような笑い声──心の襞をざらつかせる不快な笑い声がする。
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担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年10月23日
参加申し込みの期限
2022年10月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年10月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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