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九月の姫君(プリンセス)たち
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シーサイドタウン駅前は早くも夜の気配が訪れつつある。
琳子は周囲をうかがった。円を描くように歩いてもみた。
待ってる、ってことだったけど……?
けれど駅前広場には覚の姿はなかった。待ち合わせ場所をまちがえたのだろうか。スマホのNAYINを確認する。いや、まちがいようのない内容だ。
仕方なく琳子はその場にとどまった。さすが繁華街、目の前を通りすぎていく人の数は多い。
五分ほど経過しただろうか。
「あーすまんすまん琳子ちゃん、よそでヒマつぶしとったらいつの間にか時間すぎてもて……」
あっはっはと屈託のない笑顔とともに覚が姿を見せた。さすが営業職、まだ残暑厳しいというのにスーツ姿だ。偶然かもしれないがスーツは琳子が想像したとおりの柄だった。ネクタイだって同じだ。黒と緑のシルクタイ、大口の契約が取れたお祝いに琳子が買ったものである。ちょっと値の張るブランド品で、裏返せば有名なロゴマークがでてくる。
「ヒマつぶしって?」
「パチンコ」
またもや覚はあっはっはと笑う。「負けてもーたわ。まあ額はしれとるけどな」とも言った。とんだ時間つぶしだったわけだ。けれども覚は気にしていないようだし、琳子も気にしないことにした。小さなことにうじうじせず、万事さっぱりとしているのが覚なのだ。全員そうとは言わないが、妙にこじんまりと道徳的で、賭け事なんてとんでもないという人種の多かった寝子高にはこういう男子はほとんどいなかった。やはり琳子からすれば未知のタイプであろう。
ひょいと肘を折って腕を出す覚だ。腕を組んで歩こうということだろう。いちいち口に出さないあたり気が利いているし、何より動作が自然ではないか。百戦錬磨というか洗練されているというか、ともかく恋愛に手慣れた印象だ。古いフランス映画のよう。いっぽうで琳子たるやぎこちない。えっ、と半秒ほど間を開けてようやく彼氏の行動を理解し、彼女として彼の腕に両腕を回すのである。
なんだかコンプレックス感じるな……。
共学の高校で周囲にはカップルも多かったというのに、どうして自分はこう察しが悪いのだろう。彼が恋愛の国の都心に入っているのだとしたら、自分はまだ郊外、それどころか国境付近で入国に手間取っているように思えてならない。
でも彼が選んだのは私で、私が選んだのは彼だから。
恋愛の国の都心入りはかなわなくても、少しでも彼のいる場所に近づきたい――そんな風にも思うのだ。
覚の腕はスーツ越しでも引き締まっていることがわかる。やわらかい部分がほとんどなく、ぎっしり中身が詰まっている印象だ。渉外担当には体力が必要やでと、どんなに疲れた日も酒を飲んだ日も就寝前、毎夜腕立て伏せを二十回ずつ五セット計百回やっているという彼の話は本当だろう。
不思議だ。
ほんの少し前までは、琳子と覚はお互いのことなど知りもしなかったのだから。
彼とは色々な縁があって出逢った。しかもまさか、同じ職場の同期としてまた会うなんて思わなかった。
再会を機に自然な形でお付き合いというか、そういう関係になった――。
とはいえ琳子は恋愛方面にはひたすら疎いと自覚している。だからこの関係をどういう風に進めていけばいいのかまだわからない。遊園地の乗り物(ライド)のようだ。問題はそのライドが、どこへむかうのか明かされていないところだ。いささか強引なところもある覚に、引っ張ってもらうばかりで申し訳なくも思っている。
けれどふたりはお似合いのカップルと社内で評判だったりするのだが、当の琳子は知らなかったりする。
連れだって歩き出す。駅前広場からペデストリアンデッキを通って、道路を眼下に、駅舎を背後に。
「どこ行こか?」
「えっと……」
変でしょうかと前置きしてから琳子は言った。
「しばらくこうして、ただお話しながら歩いていたいです」
「変ちゃうよ。ええやんか、なんか月九のドラマみたいで」
「月九の……?」
「あれやん? 恋愛のやつ。なんかごっつイケメンと別嬪(べっぴん)がわちゃわちゃするやつ」
「わちゃわちゃ、ですか」
あまり知らなくてと琳子は申し訳なさそうに言った。学生時代からずっと、そういったドラマの放映時間帯はアルバイトないし家事に追われており、テレビの前にいることなどなかったからだ。録画するほど興味があるわけでもないし、友人とそんな話をした記憶もない。もちろんクラスにはその手のドラマを熱心にフォローしている人もいるにはいたが、あまり親しいほうではなかったし、彼女らの語るあらすじが、よく言えば波瀾万丈、悪く言えば紙芝居じみていて、どうにもなじめなかったせいもある。
そっか、そういう媒体で勉強するのかな……恋愛上手は。
またもコンプレックスの雲が琳子の心にかかりそうになるも、覚が簡単に吹き飛ばしてくれた。
「あー、俺もよう知らんで。流行っとるドラマはとりあえず最終回だけ観るようにしてただけやし」
「最終回だけ?」
「そうそう。それまでの展開はネットで読んどくねん。しかも観るいうても、録画したのを倍速でちゃっちゃとチェックするだけな。一応押さえとくかぁ、ってことで。ほんだら話のタネには困らんやろ? タイパやでタイパ」
なんとあっけらかんとしていることか。タイパというのはタイムパフォーマンス(時間対効果)の略だという。ちゃっかりとしてはいるが、アンテナが長いあたりも覚らしい。
そんなことを話しているうち、大観覧車の足元まで来た。
「じゃーまあこれも流れや、行っとく?」
「流れですか」
琳子は笑ってしまった。言われてはじめて観覧車に乗る気になったつもりではあるが、もしかしたら自分は心の底流で観覧車を目指していたのかもしれない。それを覚が読み取ったのだとすればさすがの洞察力といえようし、単なる思いつきだとしても、ベストに近いタイミングのひらめきだと思う。
覚にエスコートされ観覧車に乗りこんだ。
案外狭いね。
琳子は前に妹と乗ったことはあるが、そのときよりも観覧車のケージが小さくなったような気がした。
膝つき合わせてというよりは、膝と膝をぶつけあうような格好だ。
「あれやね、むかいあって座るんはちと無理があるな」
じゃあ失礼して、と覚は琳子の隣に座った。
それでも狭いことにちがいはない。肩と肩がくっついている。彼の体温を感じる。男性用オーデコロンの匂いも。
観覧車はゆっくりと上昇する。夜の寝子島は頭上から目線の高さとなり、ついには眼下へと位置を変えた。
「夜景、綺麗ですね」
ぎこちなく感想を口にしたが、琳子の視界に夜景はあっても、心にはほとんど届いていない。
さもあろう。琳子の胸を占めているのは覚への想いだけだったから。
ドキドキする……。
口を開いたのは覚だった。
「なんか、ドキドキせえへん?」
えっ――?
まさか同じことを考えていたなんて。
琳子ちゃん、と呼びかけられ見上げた覚の顔は紅潮していた。
彼、真剣な表情で見てる。
私のことを。
経験なんてないし知識だって乏しいけれど、こうした場面では目を閉じるものだと琳子は知っていた。
琳子の唇に覚の唇が重なった。
ファーストキスだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年09月21日
参加申し込みの期限
2022年09月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年09月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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