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九月の姫君(プリンセス)たち
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無音だったがあえて効果音をつけるなら「
シュポン!
」といったところか。
消えたと思った晴月がまたたく間に、ラッセルの眼前に落ちてきた。いや、戻った。
「うわ早っ!」
良かったよ戻ってくれてとか言うより先に、ラッセルは思わずガード姿勢をとってしまった。しかしラッセルの戸惑いに一切気づくことなく晴月は目を輝かせている。
「遊びに行くの!? わたし、連れってもらえるの!? ねえねえ!」
「お、おう。警察へのいたずらをやめるならな」
「やめる!」返事が早い。
「ところで警察署が悪い人たちの基地だとか、社会正義がどうとか、それ誰から聞いたんだ?」
「カトー!」また即答だ。
「かとう?」
漢字に直せば加藤だろうか。加東? 河東? まさか加糖ではないと思うが。
「うん、そう名乗ってた。社会派ジャーナリストなんだって」
「ジャーナリストだって……?」
ラッセルの脳裏に、警察署にカメラを向けていた野球帽の男の姿が蘇った。
「カトー、いろいろ教えてくれたよ。この国は侵略を受けている。侵略のセンペー(尖兵?)はあいつらだ、って」
聞き捨てならない話である。だが否定する前にラッセルは問いかけた。
「ちょい待ち。そのカトーって、晴月とはどういう関係なんだ?」
「前の晩に知り合った」
「それだけ?」
「うん」
カトーという名前からしてなんだか偽名くさいが、すくなくともその男が、晴月に嘘を教え込んだのはまちがいなさそうだ。「そのカトーって、いま近くにいる?」
そういえば、と言って晴月は浮きあがった。周辺を見回して戻ってくる。
「いないよ。どっか行ったのかな?」
何らかの理由で警察に恨みをもつ男が、ピュアな晴月と知り合って彼女の能力を利用しようとしている――ありえる話だ。カトーなる男がそれなりに口は立つことが予想できた。かといってカトーを頭ごなしに否定して、晴月は信じてくれるだろうか……。
少なくとも自分のほうが、信用できる人間だと知ってもらうほうが先かもしれない。
だからラッセルは『大風を起こして何かを攻撃するのはよくない』『危ないし、ケガをする人が出るかもしれない』『強大な力を一方的にふるうことは正義ではない』という三点だけを晴月に言い聞かせ、ぐっと柔らかい話に移ることにした。
「じゃあこれからどうする? 俺、時間あるしとことん付き合うぜ」
待ってましたとばかりに晴月はバンザイするのである。
「やったー! 遊ぶ、わたし、ラッセルと遊ぶ~!」
「なら、まずは服だな」
晴月のノースリーブが寒そうで、ずっと気になっていたのだ。
「おっとその前に、人前で飛んじゃだめだぞ」
今日はね、とラッセルは白い歯を見せた。
「よし、じゃあ街でも行こうか」
「知ってる! これってデートだね!」
「んー……おう、そういうことだな」
絵のデッサンでもするはずが、ばったり晴月と会って大きく路線変更となったわけだが、なりゆきとはいえ彼女を悪の道に進ませるわけにはいかない。これも人助けだ。けっしてやましい気持ちからの行動ではない。当然浮気でもない。
もちろん晴月は現金のもちあわせがなかった(そもそも現金という概念を知っているかすら怪しい)ので、ここからは全部ラッセルのおごりとなるわけだが、幸い本日は資金的に余裕があるのでOKとしよう。
まずはシーサイドタウンの衣料店に行き、晴月にマッチする衣装を選ぶことにした。安くてもセンスのいい店を、ラッセルはたくさん知っている。
ノースリーブワンピを脱ぐのが嫌だと晴月が言うので、肩から羽織る形のカーディガンをあわせた。
「ほら、秋を先取りって感じだぜ。どうよ?」
「さきどりー、さきどりー♪」
意味が分かっているのかは謎だが、少なくとも気に入ったようだ。
つづいてスニーカーとソックスだ。そんなの必要ないよと晴月は言う。つねに地面からわずかに浮游しているそうだ。しかしずっと裸足というわけにもいかないだろう。似合うよ可愛いよよとおだてつつ一揃いチョイスした。
首元が寂しいので安いチョーカーをアクセントにして、鳥と花のヘアアクセサリーをあしらうと、予算の都合で上から下まで廉価品ながら、目の覚めるようなガーリースタイルへと晴月は変貌したのであった。こうなると手元が寂しくて、なんだかバンブーハンドルのバッグなんて持たせてみたくなる。ええいついでだ、買ってしまおう。
かくして変身は完了した。全身鏡をふたりでのぞいて、思わずふふふと笑いあう。
「どーよ、お姫様の一丁上がりーっ」
流れるような動きで手を差し伸べて、ラッセルは仰々しい口調で述べた。
「俺がおもてなししますよ。姫君」
これは以前、仮装した王子様の再演だ。白馬も王冠もないラッセル王子だが、姫を楽しませる知識なら誰にも負けない。
「エスコートを許しますわー、王子様」
たどたどしいながらも応じるセリフとともに、晴月はラッセルの手を握った。
「プリンセス晴月、小腹が空かないか?」
「すいた!」
「それじゃあ新作スイーツに案内しよう。いいとこ知ってるんだ~。秋って、芋に栗にいい季節だよな」
「知ってる! 芋栗三年柿八年!」
「いやだからほんと、どこで覚えるんだそういうの」
「図書館!」
「なーるほど、それはいいな」
「と、動画サイト!」
「それはあんまり……っていうか、ほどほどにな。ああいうの玉石混交だから」
フルーツメニューに定評ある喫茶店で、秋の味覚満載のパフェを分けあって食べた。題してモンブランパフェ、バニラ、マロン、ミルクと三種のアイスクリームの土台にマロンクリームを乗せ、きめ細かな色の栗を飾った逸品だ。シャインマスカットのフルーツケーキ、はちみつ紅茶とあわせていただくと、豊潤な香と甘味に舌がとろけそうになる。
「わたし、こういうとこ来てみたかった!」
ひとりじゃ来れないから――と気恥ずかしそうにうつむく晴月は、ちょっとドキリとしそうなほどの美少女なのだった。
「そう言ってもらえて光栄だよ。晴月だけじゃできなかったことでも一緒ならやれるからなー」
「じゃあもうひとつ、お願い」
「何でも言ってくれ」
「おたがいに『あーん』して食べさせあいっこしない?」
映画で観たんだと晴月は言った。
「え……マジで」
「マジで♪」
さすがに……こっぱずかしすぎる!
が、これも人助けだとラッセルは改めて思うことにする――!
晴月が街を見たいというので、とくにどこか定めることはせず、ぶらぶらとシーサイドタウンを歩いて探索した。
そのあいだずっと晴月はよく笑い、色々なものに興味を示し、ときに不思議な発言でラッセルを戸惑わせたものだ。
陽が傾きかけたころ、
「あそこ行きたい」
と晴月が言うので空の見える公園に入った。都会のなかの静寂ポイントというべきか、公園には人はまばらだ。
モノリスみたいなモニュメントの乗った台座に、ふわっと飛び乗って晴月は言った。
「今日は楽しかった」
晴月の言葉から、そろそろ別れの時間なのだとラッセルは悟っている。
「じゃあ今度は、晴月のおすすめ教えてくれよ」
「いいよ。ならわたし、迎えに行く」
「なあ、晴月ってさ、普段は何してんの~?」
「普段のわたし?」
「そ。ちょっと興味があって」
「普段わたしは……」
モニュメントのてっぺんと晴月の間の距離が縮まった。
晴月が浮きあがったのだ。空へと。
「……風だから」
この言葉だけ残して、あっという間に晴月は、秋空に吸いこまれるようにして姿を消したのだった。
風の妖精……なのかなあ……。
ぽかんと口を開けたまま、ラッセルは空を見上げている。
でも彼女は『迎えに行く』と言った。その言葉は覚えておこう。
晴月は服ごと消えたが、握りが竹のハンドバッグだけ忘れていった。
あとから報道されたところによれば、警察署は大さわぎになったものの死傷者はなかったそうだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年09月21日
参加申し込みの期限
2022年09月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年09月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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