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九月の姫君(プリンセス)たち
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雨が降るわけでもなく青空がのぞくでもない霧のように白い曇天だが、それだけにカナリアの翼は黄金のナイフのごとく、まっすぐな光の軌跡を空に描いた。
首を飾るは金の鍵、悠揚と翼ひろげて
桜井 ラッセル
は翔(と)ぶ。いまのラッセルはカナリアだ。さしあたって予定もない午後の散策を楽しんでいる。
雨の匂いはしない。かといって日なたの匂いも感じない。どっちつかずの空ではあるが、秋の気配を求め、紅い曼珠沙華(マンジュシャゲ)の花をさがして滑空するのもまた楽しからずやというものだ。スケッチブックは持ってきている。いい花と出逢えたら写生でもしてみようか。
……?
鳥の姿のときラッセルの感覚は、普段に増して鋭敏になる。視力はもちろん聴覚嗅覚、羽をなでる空気の触覚、いずれもミリ単位で変化を察することが可能となるのだ。ゆえにラッセルが異変を感じるのは早かった。
風がねじ曲げられた……?
それもかなり極端に。
自然に生まれる変化ではない。つむじ風だってれっきとした法則をもつ。風乗りたる鳥類にはこんな変化は起こせないし、このところちょくちょく見かけるドローンのたぐいだってもっと礼儀正しいはずだ。可能性があるとすれば飛行機くらいだが、こんな低空に航空機があるとは思えず、あったとすれば風だけではなく音でラッセルは悟るはずだ。
――この感じ、さては。
直感するものがありラッセルは鋭角的に方向転換すると、奇矯なふるまいをした風の方向へと翼を急がせる。
予想は的中した。正直、的中してほしくなかった。
寝子島警察署の建物だった。
署の上空に漂う姿は鳥でも飛行機でもなく人間、少なくとも人間の姿をした何かだ。しかも女の子である。
ラッセルは彼女を知っている。
晴月という名前だ。たしかにそう名乗った。
膝くらいまである長い髪はエメラルドグリーンで、純白ノースリーブのワンピースを着ている。滞空するのに翼の上下が必要なラッセルとちがって、どういう原理か空に浮いている。
夏の初めにラッセルは晴月と出会った。月の夜が見せた魔法のように。
あの出来事は夢か幻か、または幽霊かと思ってたけど……真昼間から会えるのかよ!?
晴月はラッセルの接近に気づいておらず、ワンピースの裾をはためかせ楽しそうにキャッキャと笑っている様子だ。
晴月が楽しそうにしているだけならいい。むしろ大いに歓迎したいところ、笑っている女子を見るのはいいものだ。
けれども行動が問題だった。上空にとどまる晴月は、両腕をあげて風を呼んでいるのだ。もちろん科学的に証明はできないがそうとしか思えなかった。空飛ぶ少女という時点ですでに常識世界から逸脱しているので、彼女が風を呼び操っていたとしてもなんの不思議もないだろう。
晴月の眼下では警察署を包むように局地的に突風が吹き荒れ災害を引き起こしていた。消火栓が外れて水が噴水みたいに噴き出し、窓は何枚も割れている。国旗や県旗、警察旗のたぐいもポールからちぎれて吹き飛んでいた。おそらく署内は大騒ぎのはずだ。
周辺にはこの局地的異常気象を見守る見物人が出始めていたが、ラッセルの印象にひときわ残る姿があった。
……誰だ?
隠れる必要もなかろうに電柱の影に身をひそませ、スマホではなく立派なカメラを警察署に向けている男性だ。ベージュのジャケットに青い野球帽という組み合わせはちぐはぐな印象、ここからでは顔は見えないが、注意をむけるとラッセルの研ぎ澄まされた聴覚に、男性にしては甲高いヒヒヒという笑い声がかすかに聞こえた。
写真撮影しながら笑ってるのか。
なんで?
しかしラッセルに考えている時間はなかった。
「えーい!」
晴月が声をあげると調子を合わせ、風が勢いを増したのだ。
屋外のバイクやスクーターがドミノ倒しみたいになぎ倒された。風の強さに限界はないというのか、パトカーすらぐらぐらと揺れはじめたではないか。ハリケーンが直撃しているような光景だ。
『晴月、それダメだ! おいたが過ぎるってやつだぞーっ!』
ラッセルは声を上げた。もちろん口から出るものはカナリアの鳴き声にすぎないが、晴月であれば思念が届くはずだ。
しかし晴月は集中しているようでラッセルの呼びかけに気がつく様子がない。ずっと楽しそうだが邪悪な雰囲気はなく、積み木遊びをしている子どもさながらだ。実際、(晴月の発言を信じるなら)彼女の月齢は生後半年少々のはずだ。善悪の判断などつかずこの破壊活動を遊びとしてとらえているのだろう。
とにかく止めないとと思うのだがそうもいかない。
風、ヤベーくらい強い……! まずいな……!
巻き起こる嵐が眼下限定だとしても、風に乗る身として影響を受けないわけにはいかなかった。懸命に翼を動かすがラッセルも吹き荒れるものに飲まれバランスを崩しそうになる。波の出るプール、あれを百倍にしたようなメチャクチャな乱気流だ。軽い体ゆえある程度の距離から先には進めない。これ以上近づけば墜落するだろう。
しかしついにパトカーの前輪が浮かぶに至ってラッセルは意を決した。
『晴月たんま! スト―――っプ!』
このままでは死者が出かねない。我が身が砕けようが構わず、ラッセルは一本の矢と化し晴月に急迫する。
やべっ!
金の羽毛が散るのがわかった。ありえない方向に翼関節がねじ曲がるのも。
当然飛行の継続などできようもない。ラッセルの小さな肉体は制御を失った。こうなればもう、空に投じた濡れ雑巾に等しい。
「んっ!?」
晴月の声が聞こえたように思う。
けれどこのときすでに、ラッセルの視界はブラックアウトしていたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年09月21日
参加申し込みの期限
2022年09月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年09月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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