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九月の姫君(プリンセス)たち
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人通りのないトンネル、奥に入ったカーブのあたりに、風の舞い込む音が立つ。
ちぎれた葉っぱも流れてくる。コナラ、ブナ、それから……トウカエデ?
いずれも秋には黄色、あるいは紅くなり目を愉(たの)しませてくれるものながら、まだずいぶん緑が残っていた。季節がまだ早いのだ。自然に紅葉して落ちるより先に、いたずらな突風に吹き飛ばされたものかもしれない。
あるいは、ただならぬ力に押し流されたか。
来たね。
鶴見 五十鈴
は頭頂からつま先――つま先が実在しているかどうかは別にして――まで、電気が走ったような感覚を覚える。
このところ五十鈴の『居る』トンネルに、よそから質の悪い怨霊が流れてくるようになった。
上半身だけでずるずると這っては、十年も昔の恨み言をぶつぶつ言っているようなものとか、動物霊とまじりあってグシャグシャの藻みたいになったものとか、おそらく痴漢の慣れの果てだろう、鄙猥(ひわい)な笑みだけの存在とか、そういったたぐいだ。五十鈴のようにまともな姿とか思考力を保っている存在などまるでない。
原因はわかっている。このトンネルで夏場に肝試しをする不届き者が多かったせいだ。いささか心外ではあるが、五十鈴が居つくトンネルは心霊スポットして知られているのである。主として若者の肝試しは毎年のようにあるが、今年はとくに多かった。彼らは知るまい。遊び半分であろうと霊を見たい怖がりたいと願って歩き回れば、自身には見えず感じることもできずとも、いつの間にか連中を呼び寄せてしまうものなのだ。
ただ雑然と徘徊するだけの低級霊なら、無視していればそのうち他の場所へ移ったり、黙殺に絶えきれなくなって消滅したりするのが常であり、しばらくのあいだ鬱陶(うっとう)しくはあっても実害はほぼない。人間にもいわゆる『見える』体質のものは一定割合でいるものの、彼ら彼女らは慣れているので適切に無視をしてくれる。
しかし無視しきれない例外はある。実害のあるタイプの怨霊だ。これは十把一絡げの雑霊とはわけがちがう。はっきり悪霊と呼んでさしつかえがない。
いま、このトンネルに居を定めた悪霊は、Tシャツに半ズボン姿、野球帽をかぶった子どもの霊だ。よく見れば履いているスニーカーがやたら時代遅れのアニメキャラクターもので、野球帽だって解散して存在しないプロ野球チームのものだとわかるだろうが、暗いトンネルではそうもいくまい。近づけば、ナフタリンに似た匂いがうっすらとする。以下、名前がわからないので、スニーカーのキャラ名から取って、この霊を仮に
Q
と呼ぶ。
無害な見かけで油断させつつ、Qは通りかかった人の背中をすれちがいざまにものすごい力で突き飛ばし、道路に飛びこませ石壁に叩きつけようとするのだ。Qの行動原理はわからないし、なんらかの理由あっての悪意かもしれないが看過できるものではないのはまちがいない。Qの存在感は強烈なので、霊視体質の薄い一般人にも比較的見えるようだ。しかし見える見えないは関係ないらしい。Qはまったく見えない人相手にも平気で襲いかかっている。
Qの活動は活発で、ここひと月で両手で足りないほどの事故を起こしていた。幸い人死には発生しておらずせいぜいが軽傷、とはいえいつ大事故につながるかはわからない。ああいうのとは一緒にされたくないがおおまかなくくりでは同じジャンルの存在ゆえ、五十鈴も苦々しく思っているのだった。本当なら首根っこをつかまえて、お説教のひとつでもしてやりたいものだが、地域差もあるのかもしれないがここらの霊同士は相互不干渉が常であり、実際Qが、五十鈴の呼びかけに応じたことはついぞなかった。
しかしこのとき五十鈴が感じた力はQのものではなかった。
もっと深く強烈で、この表現は好かないが『聖なる』力だ。
錫杖の頭部、遊環(ゆかん)とよばれる鉄の輪が鳴った。編み笠をかぶった遊行僧がひとり、トンネルの入り口に姿を見せている。法衣のボロボロ具合から見て、かなり年季の入った僧だとわかる。左手が錫杖右手には数珠、片手拝みの姿勢、足はわらじだ。高齢で、編み笠から見える頭には髪が見えない。おそらくはきれいな剃髪にしているのではないか。頬から下は白く長いひげに覆われており、毛先が未使用の筆のように尖っていた。眼光鋭くただひたすらに、読経をつづながらゆっくり進む。
怨霊祓いだろう。このところ多発する事故の話をきき、近所の僧が招聘したのだろうか。それとも五十鈴が知らないだけで、寝子島には前からこのような高僧がいたのだろうか。
ううっ。
五十鈴は息が詰まった。呼吸などしていないがそう思うのだから仕方がない。見えない壁に圧されているように感じる。ゼリーのようにやわらかくも、決して好意的ではない壁だ。僧の歩調にあわせて壁がぐいぐい迫ってくる。自分は地縛霊ではあるが悪霊のたぐいではない。それでも生まれた(再生した?)理由が理由だけに、自分がネガティブな存在であることは否定できない。これもおかしな表現かもしれないが、額と背中に冷や汗をかく。
除霊されちゃうの……私?
だとしたらずいぶんな巻き込まれ事故だ。自分は悪をなさないというのに。
けれどもトンネルにこもる他の霊の反応たるや、五十鈴のものとは段違いだった。上半身だけの恨み霊が、喉をかきむしったかと思いきや霧のようになって消えてしまった。藻の塊はごろごろ転がって逃げたが、転がるたびにサイズが小さくなっていった。例の鄙猥笑いもすぐさま悲鳴に変わって、まもなく消滅の道をたどった。他の有象無象も、負の走光性をもつ生物のように必死でトンネルから逃げていく。悪いたとえをするなら殺虫剤でも焚いたみたいだ。
しかしQはちがった。両腕をふりあげて走り、五十鈴を追い越して僧に駆けていく。
「
ぎいいいいいいっ!
」
帽子をかなぐり捨てた顔は邪鬼そのものだ。目はそれぞれがドーナツ盤レコードのように丸く大きく、青黒い牙と長い爪をむき出しにしていた。
けれど僧は慌てることなく、念仏を唱えつつ編み笠を右手でつまみ上げたのである。
「
成仏せい、小僧ッ!
」
僧がひと声叫ぶや、激しい力の奔流が、風と光の塊となってQに激突した。
まぶしくて五十鈴は目を開けていられない。しかしかぼそい声をあげてQが消滅するのはかろうじてわかった。
同時に五十鈴は、自分の体も浮きあがり糸の切れた凧のように吹き飛んでしまったことも理解していた。
なんで私まで……!
完全に巻き添えである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年09月21日
参加申し込みの期限
2022年09月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年09月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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