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BABY STRANGE
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九月とはいえ外はまだ、蝉の声がしているのである。
本当はまだステレオ放送ばりばりで、巨大ステレオみたいな音がしてもおかしくないはずだが、室内まで蝉の声は入りこんでこない。防音防風ついでに遮熱、すぐれた窓ガラスが入っているからだ。
ここ、
八神 修
の邸宅には。
星ヶ丘の山の手にある大きな家だ。ハウスキーパーや調理人、場合によっては警備員や運転手も電話一本で駆けつけるという万全さながら、住人といえるのは修ひとりである。
されど『嵐が丘』のヒースクリフ邸よろしく、幽霊でもいなければやってられぬほどに閑散としているわけではないのだ。『人』に限定しないのであれば住民にはことかかないのだから。
「こんにちはー」
七夜 あおい
がドアを開けると、おなじみの猫三匹が、『ようこそ』と言わんばかりの顔を見せにきた。つづいて犬二匹がのっそり出てきて尻尾をふってあおいを迎えた。姿は見えずとも気配はまだある。小刻みな足音は、ウサギのものかもしれないし、昼寝から起きた別の猫かもしれない。ひょっとしたらリスかハムスターが、走り回っているせいかもしれなかった。
そうして、
「ようこそ」
裾を出した英紳士ブランド製の青いブロードシャツ、その袖を折りながら修が玄関に出てくる。
「暑くなかったか、外」
「まあまあ」
ひゃー、とあおいはTシャツの胸元をつかんでひっぱる。
「ここ涼しいねえ。家中エアコン効いてるんだ。生き返る~」
「冷たいものでも用意させよう。上がって」
「あ、今日お手伝いさん来てるんだ」
「夕方まではね」
おじゃましますとあいさつして、あおいは靴を座って脱いだ。
「新しい靴か?」
「どうしてわかるの」
「脱ぐとき座ったから。まだ硬いのかと思って」
「実家が送ってきたんだけどね。お母さんがサイズ間違ったからって……なんで娘に送ってくるかなあ。おばさん向けデザインなのに」
まあ、ちゃんと使ってるあたり私も貧乏性だけど、とあおいは苦笑いする。
「へえ、見せてよ」
やだよ恥ずかしいとあおいは言った。それでも修は玄関下を見るそぶりをする。
「ほらほら勉強するんでしょ今日は? 行った行った」
本当に見られたくないらしく、あおいは修の背を押すのである。
畳敷きの十六畳間で勉強というのも、禅の修行みたいで悪くはないが、ちょろちょろ猫犬が見に来る可能性があるので避けて、修はあおいを自室に招いた。
棚や照明がアールデコ調の広い部屋だ。ふかふかのカーペット、ミズナラ材とスチールを組み合わせたデスク、背が高いだけではなくスライド式という、図書館でもはじめようかという規模の本棚。ゲーミングノートPCもあるのだが、修はあまりゲームをしないので、もっぱらネットやワープロ目的でしか使用しておらず宝の持ち腐れ状態だ。寝室は別ということもあり、以前部屋を見たときあおいが「大企業の社長室っぽい」と言ったことがある。
「ほら、机増設したんだ」
自分のデスクの隣を修は示した。
「本当だ。いつの間に」
「先日。あおいがいつでも来て勉強できるように」
「よしてよ私なんて、逆さにした段ボールのみかん箱で充分だから」
とんでもない、と修は言う。
「あおいにそんなもの提供できないよ。俺の生涯のパートナーになってほしい人に……」
「修くん。今日、そういう話はナシで」
ストップ、というように片手をのばしてあおいは告げた。有無を言わせぬ口調だ。
「今日は勉強しに来たんだから。わかった?」
「悪かった。わかったよ」
あおいは公私の区別をちゃんとつけたいということか。
それともこの時期は、恋だの愛だの言うべきじゃないということか。
けれどもきっぱりと拒絶はしなかった――前向きにとらえたい。
いずれにせよ、空気を硬直させたくはないな。
なので修は相好をくずして、
「けどあおいが望むなら、俺もつきあおうか。段ボール箱」
案外使い勝手がいいかもしれないとおどけると、「ちょっとちょっと!」とあおいは破顔した。
「いやこっちの高級デスクのほうがいいから! 絶対!」
なお子だくさんの七夜家では、どうしようもないとき実際に、段ボールをデスク代わりにしたことが本当にあるという。さすが六人きょうだい――と感慨深くなる修である。
夏が去りおとずれたのは九月、大学受験をひかえた修は、そろそろ本腰にはいる時期である。あおいは大学を目指さない。それでも目指すのは医療福祉系の専門学校だ。願書も出すし入試もある。当然、受験勉強の必要もあるのだった。
静かな時間が流れた。
カリカリとシャープペンシルがノートを削る音、赤いサインペンが円を描く音、辞書をめくる音に消しゴムをかける音。ひとつひとつはさざ波のようだが、連続するとそれこそ音楽のようも聞こえる。それも小刻みで、繰り返しの多いミニマルミュージックだ。
一時間少々集中した。
革張りのチェアに腰かけて、ふうと修は息をついた。ひと段落ついたところだ。
見てはいけないなと思いながら、ついあおいの姿を見てしまう。
あおいも集中していた。じっとテキストを読み、蛍光ペンのキャップを取ってラインを引く。かと思いきや数ページ戻って、前のほうの記述を確認したりする。鉛筆で書き込みを入れることもしばしばだ。
「あっ……」
あおいが使っていた消しゴムが手を離れ、ころころと転がって修の手元まできた。
はっしと押さえて顔を上げたあおいの視線が修と合う。
「修くん」
「ああ」
「もしかして私のこと見てた?」
「少し」
誤解しないでくれ区切りが付いて先に小休止していただけだ、と慌てて言い足す。
あおいに見とれていたなんて口走ろうものなら、彼女はそれこそ、(いわく)おばさん靴をひっかけて帰ってしまうかもしれないからだ。
幸いあおいは穏やかに、
「じゃあ私も休憩しようかな」
と言っただけだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年08月23日
参加申し込みの期限
2022年08月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年08月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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