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満ちるのは月か心か、それとも?
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長く生きれば朧気になる物もある。
もしこの地に季節がなければ、思い出す取っかかりもなく彼方へ消えた物もあったかもしれない。
空の朔望が知らせる時の流れなど、
三毛谷 道哉
には一瞬のことだけれど――だからこそ、忘れぬようにしている物があるのだろうか。
(私が忘れてしまったら、そこで縁は途絶えてしまう)
それは切望なのか、義務なのか。わからなくなるほどの時が過ぎてもなお、何かの折りに懐かしむ。
誰とも共有せずに「忘れた」と微笑んでしまうけれど、今暫くは過去に1人浸る時間が欲しいのだろうか。
問うて素直に答える己だったなら、友の1人にでも声をかけただろうに。
生憎と今宵の宴は待ち合わせの予定はない。なんとも素直でない面倒な男だ。
くすりと笑って、寝子島神社の鳥居をくぐる。今日は豊穣の神に感謝する宴があると聞く、正面から入らなければ失礼というものだ。
(人とは面倒な手順を気にするものだと思っていたが)
そこに神がいると信じていれば、確かにおかしな真似などできはしまい。
例えばそこの木に宿り、賑やかな縁日を楽しんでいるだろうか。人に化け、お供えでは満足できず買い食いをしているだろうか。そう考えれば、どこも神聖な物に思えてくる。
月に照らされ荘厳な寝子島神社も、縁日ではしゃぐ人の子らも、そのおこぼれを貰おうと愛想を振りまく猫たちも――何もかもが変わらないのに、見知った顔だけがいない。
新たな生を受けた者もいるだろう。自分のようにあやかしとなって、悠々旅行をしている者もいるかもしれない。それらを送り出すことも、また永い時を生きるものの運命だと受け入れてはいても。
(……揃って顔を合わすことなど、ないのだろうね)
懐かしい景色につい、思いふけってしまった。
忘れぬことも大事だが、今の景色も覚えておかなくては。己は過去を生きているのではなく、今を生きているのだ、大切にするべき縁は今日この日にもある。
であれば、なおのこと――彼女に声でもかければ良かったか。
餅々 きなこ
が神楽に興味があるかはわからないが、縁日の賑やかさなどは好きだろう。童に混ざって水風船でも掬ってみるか、射的で何か狙ってみるかと土産を考えるだけで口元が弧を描く。
「おまつり、たのしーよねっ!」
突然、視界を塞ぐように現れたきなこに瞬きをひとつ。それくらいでは驚かせられないよ、と申し添えて今更ながらに扇子で口元を隠した。
出店に咲く賑やかな花たちにつられていたとはいえ、浮き足立った顔をしてはいなかったろうか。
「楽しんでいるなら何よりだ。悪戯はしていないだろうね?」
今日は神様が見に来ているのだと、神社の様子や神楽が行われることを告げれば、きなこはそわそわと周囲を見やる。
「人様にちょっかいをかける悪い子には、罰が当たるかもしれないが……心当たりでもあるのかい?」
「ちょこっとだけ、ほんとにちょっとだけね、ひとをおどかしちゃったんだけど」
しょぼんとしながら話すきなこによると、よそよそしい2人が喧嘩でもしたのだと思ってポルターガイストを起こしたら、仲良く手を繋いで去って行ったということなので、悪さと言うより発破をかけたような物だろう。
褒められたことではないが、こんな月夜に叱りつけるものでもあるまい。
「もうすぐ、神様が見に来る宴がある。そこなら、きなこの反省した言葉も届くかもしれないな」
一緒に来るかいと神楽に誘えば、不安が晴れたきなこはパアッと輝かんばかりに微笑んだ。
その笑顔は、出店で見たどんな花より大きく明るく咲いたよう。主役であるはずの望月も、空であぐらをかいているばかりでは、その座を取って食われるやもしれない。
(……それは、少し褒めすぎか)
人の波をくぐって、舞台から少し離れた木に背を預ける。人には見えやしないだろうが、きなこを肩に乗せているかのようにして彼女の足元を隠して立つ。
「わぁ……っ!」
神聖な衣装に身を包んだ巫女が、鈴を掲げて月へ一礼。舞台を清めるように、方々へ幸があるようにと鈴の音が響き、五色布は月明かりで煌めくように舞う。
ありがたく見る者も、杯が進んで月すら見ない者も。様々に楽しむ者を眺め、道哉は静かに目を閉じた。
変わらぬ音が、祭りを知らせる香りが、いつかの月夜を連れてくる。
血気盛んで人とも猫とも争った若い頃は、この音色がささくれた心を静めたこともある。
周囲の笑顔を見るのが嬉しくて丸くなった頃には、ようやっと厳かな空気を感じることができて。
その時々の懐かしい顔ぶれが、浮かんでは消えていく……まだ己の中に残っている。
「みちちかくん、みてる? すっごいねー!」
『今』へ帰ってくるには感傷に浸りすぎたようだ。
扇子を広げ「たい焼きが食べたくなるね」と、道哉は微笑んだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
30人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年08月20日
参加申し込みの期限
2022年08月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年08月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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