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満ちるのは月か心か、それとも?
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まだ秋めいたというには早いけれど、確かに夏色も薄れていて。
浴衣は肌寒いようで、それくらいが丁度いいような……不思議な気分だ。
夏の高揚感とは違って秋の哀愁とも違う、複雑な乙女心を抱えた3人は寝子島神社の縁日へやってきた。
鳥居をくぐるまでは女子バスケ部の面々が集まっていたけれど、夜店に惹かれて別行動を重ねていき、気づけばいつもの3人となっていて。特別仲が良いかといわれると言葉に詰まる組み合わせだが、慌てて部活メンバーを招集するような険悪さでは、ない、はずで。
喧嘩するほど、と言えればどれだけ心労が減っただろうかと、
羽生 碧南
はすでに火花が散り始めた2人に小さく息を吐いた。
「もー……高校最後の浴衣の日くらい、楽しい思い出にさせてよ」
「今日は浅見先輩に意見してませんよ、私が睨まれただけです」
「言いがかりはやめてよ!」
「自覚ないんですか? 碧南先輩が困ってるんで、そういう態度やめてほしいんですけど!」
その言葉に、言外の意味を感じとった
浅見 柚乃
は押し黙る。困らせる態度も気持ちも抑え込んでいるつもりで、隠しきれていないのだろうか。そんな不安から、碧南の様子を窺い見ることすらできない。
動揺を見せる柚乃に面食らったのは、
霧生 愛
のほうだ。いつもなら、これくらい噛みついたところですぐに言い返してくるくせに。
「どうしてそう、ぶつかっちゃうかなぁ」
こんなやりとりも、もう何度目だろう。あと何回、2人の仲裁に入れるだろう。
ほとほと困ったように笑う碧南の腕を、愛はするりと抱き寄せた。
「わかった! 碧南先輩が私の浴衣を褒めたの、気に入らなかったんじゃないですか?」
そんなことで睨み付けたなら、この先輩はちょっと盲目的やしすぎないだろうか。
(不毛な気持ちだってことには、気づいてるんだろうけど)
その気持ちを『馬鹿みたい』って嘲笑する自分が、泣きそうなのは何でだろう。
愛はそんな迷いを表には一切出さず、不敵に笑う。柚乃は言い返したい気持ちを必死に堪えるだけだ。
感情をむき出しにしても、利点など一切ない。
「えぇ? 柚乃だって可愛いじゃない、朝顔の浴衣」
「碧南先輩、ダメですよ。そんな後からフォローしたって」
愛は自分に似合う物をよくわかっていて、今日の水色地に芥子花柄の爽やかな浴衣だって着こなしていた。それは悔しいほど柚乃だって認めている。
水着の時だって何かとダメだしされていた柚乃は、愛の自信たっぷりな様子に全く引け目を感じないかと言えば……嘘になる。いくらセンスが悪くないつもりで、それが良いと思って手に取っていても。自分と調和しているかまでは考えが及んでいないのかと気になってしまうのだ。
(……碧南先輩が本当に優劣をつけるわけない、けど)
だから、離れてと叫びたい気持ちを静めなきゃいけない。
私たちに着いてこないでと、碧南の手を引いて走り出したいのを耐えなきゃいけない。
そんなことをすれば、碧南は困るだけでなく切り捨てるかもしれない。
――手に負えない、可愛げもない女なんて。
言うわけない、言われるかもしれない。だって現に言われたじゃない、あれから何も変わってない。
ぐるぐると渦巻く、妄想と過去のトラウマ。次第に境界線がなくなって、柚乃はどこに立っているのかさえわからなかった。
愛が何かを言っているんだろうくらいに言葉が音としか聞こえなくなったけど、何も困らなかった。
だってあの子は突っかかって来て嫌味を言うだけ、あんなに性格の悪い子が、碧南の隣にいるなんて。
「先輩は、そろそろ推薦の話とか来てる頃なんじゃないですか?」
会話を遮っているという意識もなく、柚乃が新たな会話を切り出すから、愛は少し困惑した。
睨むでも、憂うでも、意識を向けられなかったことに違和感を覚えたのだけれど。
これが彼女の気持ちの切り替え方なのかと思うと、深くは気にしないようにした。
「ん? ええっと、奨学金とかの兼ね合いで色々考えてはいるけど」
話自体は、たくさんある。女子バスケットボール部のキャプテンとしてインターハイまでチームを率いた実績は、体育系の大学を中心に高評価を得ている。しかも、成績が準優勝となれば引く手あまただ。
悩みのない普通の女子高生ならば、特待生として赴きバスケを続けてもいいし、お話の条件のいいところで推薦だけもらって勉学に打ち込んでも良かったのだけれど。碧南が何より優先したいと思うのは、学校の設備や環境ではなく、家庭環境の都合から特待生か給付型奨学金があるところ、という条件だった。
こんなこと、親に相談すれば「自分の進路なんだから」と狭い選択肢から選ぼうとしていることを咎められるかもしれないけれど、色々あって大変なのもわかっている、わざわざ心労を増やす相談はしたくない。
(……それに、木天蓼大学なら)
条件を満たしている大学がある。その上近場なので、家族や友人たちと遠く離れることも無く、心配をかけなさそうで。自分も住み慣れた土地だから、寮を出ても困りごとは少なそうで。
――
鷹取 洋二
が、いる。
きっと芸術学部の彼とは、すれ違う機会も少ないのだろうけれど。同じ敷地に居て、どこで講義を受けてるかなと歩いてみたり、学祭などのイベントでひょんなことから……なんてことも、同じ大学であれば起こりえるかもしれない。
こうして、高校生と大学生として別々の校舎へ通っているよりは、そんな可能性が高くなる。
(まあ乙女ゲーだと誕プレ届けに大学へ行ったりとか、先輩後輩でもエンカウントするけど!)
それもゲームだからだ。うっかり偶然出逢ったり、会話しただけで必ず上がる好感度も、視線を引きつける魔法の流行アイテムも、現実ではありえない。
そんな強運もチート能力もサポートアイテムもない普通の女子高生にできることなど限られていて、少しでも可能性のある方に近寄るだけだ。
(乙女ゲーでは百戦錬磨の恋の勝利者、なのになぁ)
憂う姿は通りすがる男たちの視線を集めるくらいには、可愛い部類であっても。それが意中の相手に伝わっていなければ意味は無い。
「候補はどこまで絞り込んだんですか?」
少し考え込みすぎてしまったようで、愛が顔を覗き込んできた。
碧南は彼の面差しばかり思い返して、大学のことなど考えていなかったなと苦笑し。
「やっぱり木天蓼大学かなぁ」
「わぁ、近くていいですね!」
愛は少し嬉しそうに、柚乃のほうを見た。碧南が遠く離れた大学を選ばず良かったではないかと、同じように部活を頑張れば進路として選択できる大学ではないかと、そういう素直な思いがあった。
だけど、柚乃はもの悲しそうに碧南を見つめていて、まるでその大学がダメだとでも叫ぶのを堪えるように唇を引き結んでいた。
(……もしかして、碧南先輩の好きな人って)
木天蓼大学にいるのだろうか。色々と検討する材料はあったと思うし、それだけで大切な進路を決めたとは思わないけれど――好きな人がいるから、その大学を選んだのだとしたら。
(恋なんてしなけりゃいいのよ……)
そうすれば、数ある学校の中から自分のためになる進路を選べるし、誰も苦しまないではないか。
碧南が何かを期待して大学生になるとき、それを考えて心を乱す柚乃など、今でも想像が付く。
(……恋なんて)
辛いしかないそんな気持ち、忘れてしまえばいいのに。
目をくらますものなんて、無くしてしまえばいいのに。
過去の失恋から、愛はこの感情についてよく思ってはいない。だからといって、他人の心配までするような慈母に溢れるタイプかといえば、そうでもない。
碧南がいつからかはわからない、辛い片想いをしているというのはまだ、憧れの先輩だからと心配の理由も後付できるけれど。
むしろやきもきしているのは、碧南のことではなく。
(浅見先輩、傷つくとわかっていて、どうして恋ができるんだろう)
報われない恋だからこそ、想いを募らせてしまうのだとしても、あんまりではないだろうか。
インターハイという、誰もが感情の高ぶる場面であったとしても、そこで敗北に涙する後輩を慰める先輩という間柄でしかない抱擁に嫉妬するくらい……柚乃は碧南に焦がれている。
だから後輩として碧南に親しくしているつもりでも、その立ち位置を独占したくて睨み付けてくるのだと思えば、ストンと理解できて。
そうは言っても、それをいつものように突っかかることも、冷やかすこともできなかった。
報われない恋が辛いことは知っているし、何より柚乃とは不仲だ。そんな話題で弄られたくないことくらい、いくらなんでも口にするタイプだからって、考えが及ばないわけじゃない。
(浅見先輩は、いつだって……いつも?)
碧南と抱擁したら顔を歪めたのも一瞬のこと、本人に気取られまいと心がけているのか、今日の浴衣を褒めてもらった時だって、嫉妬で憎悪しているような目を向けられたのは長くないはず。
隠すのが上手くない、といえばそれまでだけれど。柚乃の様子を自分からも窺っているのだろうか。
どう思われるだろうか、どうしているだろうかと、無意識に追いかけていたりなど。
(……胸が痛い)
これは思い出してしまっただけ。
もう忘れたと思っていた、過去の失恋がじわりと胸に広がっただけ。なぜ今、このタイミングで……なんて、そんなもの。
(勘弁して……)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
30人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年08月20日
参加申し込みの期限
2022年08月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年08月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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