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星明かりの下できみとダンスを踊ろう
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◆
稲積 柚春
の場合。
ダンス会場では、さまざまに着飾った男女が踊っていた。
踊る人を最も美しく見せるため、ドレープの入り方、裾のなびき方まで計算して作られた衣装は誰一人とっても例外なく美しく踊る彼らを引き立てている。男性たちもそうだ。一見、タキシードには女性たちほどの華やかさがないようでいて、その実さまざまなバリエーションがあることに気付かされる。
そんな人たちが、周囲の夜のとばりが強まるのと比例してさらに明るさを増したライトの下で、くるくると回転しながら目の前を踊りながら通り過ぎていく。
夢のような光景だと、
稲積 柚春
は思った。
そして考える。
(ウォルターさんなら何色が似合うかな)
空想の中のウォルター・Bに、踊っている男性たちの衣装を着せ替えてみる。
そして、はたと気付く。
いつも、どんなときも、自分はウォルターのことを基準として考えているのだと。
今に始まったことではないが。
苦笑したあと、そして傍らに彼がいないことへの一抹の寂しさを感じて、ふっと息を吐く。
ここにあの人がいてくれたらいいのに……。
そう思いながら歩いていたせいだろうか。初めて彼を見たとき、幻かと思った。彼に会いたくてたまらない思いが見せた幻覚だと。
だが違った。本物のウォルター・Bだ。
テーブル席に座って、何か飲み物を手にダンスを眺めている。
グラスを口元へ運び、口付けたとき。グラスの縁越しに彼も柚春に気付いた。
「やあ、稲積。こんな人混みのすごい所でも会うなんて、すごい偶然もあるもんだねぇ。
まさかきみ、僕のあとをつけて歩いてたりしないよねぇ?」
「ウォルターさん。酔っていらっしゃるんですね」
いつも辛辣な口調が、さらに棘を増しているように思えて、柚春は用心しながら訊く。
ウォルターは首を傾げ。
「まさか。この程度で僕は酔ったりしないよぉ」
と、柚春のいた場所からは彼の腕の影に隠れて見えていなかった、テーブルの上の空のグラスを数えるフリをして見せた。
グラスに混じって、瓶が転がっているのも見える。
「相当飲んでるじゃないですか」
「ん。飲んでるねぇ。でも、酔ってはいないよ」
柚春はじーっとウォルターを見つめる。電球の黄色みがかった光の下でも、その真っ青な瞳が、わずかにとろんと蕩けているような気がして、柚春はふうとため息をつくとテーブルに手をついた。
「お酒は飲まないから隣にいてもいいですか? ……ウォルターさん」
「だめ」
即座に返答が返る。
「なぜです?」
「きみは生徒だから。座るなら、前の座席にしなさい。あと、僕のことは先生と呼ぶように」
「なぜです?
お休みのときはウォルターさんと呼ぶことを許可してくれたし、僕のことは柚春と呼ぶ約束でしたよね?
」
周りは騒々しくて、誰も他人に気を配っている様子はなかったけれど、それでも用心して声を落として言う。『約束』をかわしていることを知られたくなかったからだが、それを、逆手に取られてしまった。
「理由は、今きみが声をひそめたのと同じかなぁ」
「そんな……っ。そんなの、ずるいです」
「気が向いた時だけだ、とも言ったよねぇ」
ウォルターは干して空になったグラスを置き、薄く笑った。
それを見て、柚春の胸の鼓動が痛いほど跳ね上がる。
ああ。あれこそ悪魔の微笑だ。こんなにずるい人なのに、それでも僕の心はこの人のものなのだ。この人が「こうしろ」と言うだけで、喜んで従ってしまうだろう。その力を、僕はこの人に与えてしまった。
「……前に、撃ち落とすのを待ってるって言ってくれましたよね? あれも、あなたの気が向いた時だけなんですか?」
とても大切な言葉だから。そっと告げる。しかし、ウォルターの言葉はあっけなかった。
「僕、そんなこと言ったっけ?」
「言いましたよ! もう! やっぱり酔ってる!」
すっとぼける彼に肩をいからせる柚春の前、ウォルターは空のグラスを持ち上げ、曇ったグラス越しに柚春を見るような仕草をした。
「稲積。それは言葉だ。ただの言葉だよ。ただの言葉でしかないものを、まるで珠のように磨いて磨いて、大切そうに神棚に祀り上げるんじゃない」
「ウォルターさん?」
「でないと、それはきみを縛る呪言となって、いつか跳ね返ってくるからねぇ」
ウォルターはいつの間にか柚春を見ていた。静かな視線――それは柚春の喉を詰まらせ、言葉を失わせる。
「それが……ウォルターさんの、恋愛観、ですか……?」
「ん? 恋愛の話なんて、してたかなぁ?」
「ウォルターさん!?」
ウォルターは、はははと笑い、頬づえをついて話題を転換した。
「で、稲積はどうしてここに? 僕をストーカーしていたんじゃなければ、だけど」
「してません。
楽しそうな催しが開催されているようだから、どんな様子か見に来たんです。あとで友人たちとの話題にもなるし」
「なるほど。じゃあ僕を踊りに誘いにきたわけでもないんだねぇ」
「見てのとおりです。僕、ドレス着てないでしょう」
肩を竦めて答える。そんな柚春をじーっと見て、ウォルターは「それは残念だねぇ」と意味深に笑った。
どきん、と胸が鳴る。
ドレスアッブして来たほうが良かったんだろうか。柚春は今初めて、自分が普段着で来てしまったことを後悔した。
(でも、ウォルター先生以外に踊りたい人なんていなかったし、ウォルター先生とここで会うなんて、思ってもみなかったから……)
でも、こうして彼を見つけてしまった。
柚春はごそごそとパイプイスの上で居住まいを正すと、あらためてウォルターを見た。
「ウォルターさん」
「先生」
「……ウォルター先生。せっかく会ったんですから、先生にダンスのエスコートをお願いしてもいいですか」
「僕が誰かと一緒に来てないって、どうして思うんだい?」
その返答に、柚春の胸がきゅっと締めつけられる。が。
「もしあなたが1人じゃなかったら、こんなに長い間、誰もこの席に現われないなんてことはないです」
これでどうか、と内心どきどきしながら反応を待つ柚春を、長々と見て。
ウォルターは片方の口端を上げてニッと笑うと、突然席を立った。
「正解。
きみは運がいいよ」
空のグラスの山を返却口へ放り込んでそのままふらりと歩き出したウォルターを、柚春はあわてて追いかける。
「ウォルターさん!?」
「出した問題に生徒が正解したんだから、先生としてはご褒美をあげなくちゃねぇ。
ダンスしたいんでしょ? ドレスに着替えなくていいの?」
「あ。……えーと」柚春は自分の格好を見下ろして、そんなに悪い格好でもないと素早く判断し。「いいです。それは、また、いつかの楽しみにしておきます」
ウォルターを待たせることになるし、その間に彼の考えがまた変わったりしたら大変だから。
「そう。
じゃあ行こうか、お姫さま」
振り返り、差し出された手を見て。
「はいっ!」
柚春は駆け寄った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月18日
参加申し込みの期限
2022年07月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年07月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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