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星明かりの下できみとダンスを踊ろう
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◆
佐和崎 紗月
と
初瀬川 理緒
の場合。
「もう9月なんだ……」
車窓を流れる景色の中、ふと空を見上げて、
佐和崎 紗月
は呟いた。
心なしかいつもより高く見える。目が痛くなるほど澄んだ初秋の空。
夏休みはあと半月ほど残っているけれど、きっとグラドルの仕事ですぐ埋まって、気がつけばもう月末、なんてことになっているんだろう。そして10月の空を見上げて「もう10月なんだ」なんて呟いているかもしれない。
10代最後の夏休みなのに、なんて味気ないんだろう。
理緒と一緒じゃなかったら、気分が落ち込んじゃって浮上できなくなったかもしれない。
いつも一緒の案件ってわけでもないけど。でも、理緒と同じグラドルの仕事で、どこかで理緒も同じように頑張っているんだって思えば、たとえ会えない寂しさが募っても、なんとかやっていけてる。
やって、いけてる……けど。
でも、やっぱり会いたい。もう何日会ってないんだろう? スマホでは話すけど、それはやっぱり直接会って、触れる代わりにはならなくて。
仕事で疲れて、家に帰るとほっとする。そういう日もあるけど、今日は違った。たぶん、あの空を見たせいで、人恋しい気持ちが強まったんだと思う。誰もいない真っ暗な部屋に戻るだけだと思うと気持ちが沈む。
「帰りたくないな」
ぽつっと呟いた時だった。
ポケットのスマホがぶるぶると震えた。
大急ぎ電車を降りて改札へ向かう。乗っているときは考えにとらわれていて気付けなかったのだが、電車は満席状態だった。いつも以上に降車する人が多く、ホームは人波でごった返していて、なかなか前に進めない。
もどかしく思いながら進んだ先、改札機の向こうで理緒が手を振っていた。
「紗月、こっちこっち」
「理緒ちゃん!」
気が急いて、改札機をくぐるのももどかしい。急いで理緒の元へ駆け寄ったら、そんな彼女を見て理緒は笑った。
「そんなにあせらなくても大丈夫。パーティーはまだ始まったばかりくらいだから。
でも、そんなに行きたいと思ってくれるなんて。誘ったかいがあったな」
パーティーに行きたかったからではないのだが。
だがそう伝える前に、すでに理緒は手元のスマホに目を落としていて、「まず貸衣装店へ行こう」と言った。
「仕事帰りでしょ。ドレスとか持ってないもんね」
「あ……」
そうだった、と気付く。
理緒に会えると、もうそれだけで頭がいっぱいになって、早く待ち合わせ場所に着きたくて、誘われた内容についてはあまり頭に入ってなかったのだ。
恥じ入るように頬を染めた紗月の反応に、理緒は「あたしも」と笑った。
「さあ、こっちだよ」
紗月の手を取って貸衣装店へ向かう。
場所は紗月を待つ間にマップで把握済みで、電話で確認、予約も取っていたから、店は混んでいたけれど名前を出すだけですんなり衣装合わせをすることができた。
理緒が選んでおいたのは、サイトで展示されていたパーガンディのAラインドレスだ。合わせとしてお勧めされていたハイヒール、それに真珠のネックレスがデコルテを飾る。
「まあ。お似合いですわ」
試着室から出てきた理緒を、店員がほれぼれとした表情で迎えた。
「お客さまほどそのドレスを着こなされた方はいらっしゃいません。まるでお客さまのためにあつらえたようですわ」
グラドルとして、どうすれば最も服を生かす着方ができるか、自分を美しく引き立てさせることができるか、理緒は心得ている。
理緒は「ありがとう」と応えた。
ヘアスタイリストに結い上げてもらっていると、遅れて紗月が、隣の試着室のカーテンをそろそろと開けて少し恥ずかしそうに出てくる。
彼女がこの店に入って選んだのは、オフショルダーのノースリーブ、非対称デザインのドレスだった。色は薄い青紫色をしている。
なんだかあじさいみたいだと思った。あじさいは夏の間、色を変えながら咲き続けて、そして夏の終わりには白に近い淡い色になる。だからなんだかぴったりに思えたのだ。イヤリングやネックレスもそれに合わせてマルチカラーのオパールにした。見る角度によって淡く色が変化する。
「どうかな……」
「すっごくきれい! 花のお姫さまみたい!」
「そんな。理緒ちゃんのほうがずっときれいよ。理緒ちゃんは大輪の薔薇、私はあじさい。
理緒ちゃんに比べたら、私なんか、かすんじゃうわ」
「お客さま。こちらのお客さまとはまた違うお美しさですわ。
それに、ご存じですか。あじさいは、『散る』ことのない花なのです。お若いお客さまの美しさはあじさいのように色を変えながらこれからさらに咲き誇ってゆくでしょう。そして、決して散ることはないのですわ」
「そう、なの?」
散ることのない花。あじさい。それが紗月。
「そうだよ!」
力強く肯定して。理緒は紗月の両手をぎゅっと握った。
「紗月、こっちだよ! ほら! 街路樹がライトアップされてすごくきれい!」
「待って、理緒ちゃん。――うわあ、すごい……!」
電球がたくさん絡んでいるその姿が遠目だと金色の木のように見えて、紗月は思わず見入ってしまう。
「写真撮ろう! そんで、SNSに上げちゃお」
さっそく木の前でスマホで自撮りしようとした理緒を、紗月が撮ってあげる。
それを「街路樹がライトアップされててすっごくロマンチック! これ、誰に撮ってもらったかわかる? 今誰と一緒にいると思う?」と意味深で思わせぶりな言葉でアップして。次に紗月を引き寄せ、「じゃーーん」と2人で顔を寄せ合った自撮り画像をアップした。
「見て見て。どんどん拡散されてるよ」
「ほんとだ……」
見る見るうちに3桁、4桁と増えていくそのスピードに驚いて見ていると。
「急ごう、紗月! 場所特定班が迫ってる! 逃げなきゃ!」
ぐいっと腕を引っ張られた。
「えっ? えっ?」
「別の場所で撮って、それをまた上げるの。彼らを振り回してやろう!」
「彼ら?」
理解が追いつかなくて、目が回りそう。でも、理緒が楽しそうにあははと笑っているのがうれしくて、細かいことはどうでもよくなってしまった。
笑気がこみ上げてきて、くすくす笑ってしまう。
その小さくてかわいらしい笑い声を背中越しに聞きながら、理緒は、紗月が楽しそうでよかったと思った。
こういう人で混雑した場所、ほんとは苦手だ。
どこから誰が見ているかわからないし、グラドルの理緒だと気付いて盗撮――とまでは悪質じゃなくても、隠し撮りする者がいるかもしれない。
常に気を張っていないといけないのは疲れるから、仕事帰りになんか、絶対避けたい場所。
だけどイベントは好きだし、会える機会は逃したくない。たぶんそれは紗月も一緒で。だからこんなに緊張してびくつきながらも誘いにOKを出してくれたんだと思う。
今だって、あたしの腕にぴったりくっついて、影に隠れるように歩いてて。腕ごしに、彼女の心臓がいつもより早く打っているのが伝わってくる気がする。
だから、ね。
あたしが護らないと、って思うんだ。
「ここでいいかな」
ぽつり呟き。突然理緒は足を止めた。手をつないだまま、向かい合う。
「理緒ちゃん……?」
何が始まるのか、少し不安そうに瞳を揺らす紗月がたとえようもなくかわいい。
理緒はにやつきそうになる口元を引き締めてその場に片膝をつくと、恭しい声でこう言った。
「あたしのかわいい紗月姫。あたしと踊ってくれませんか?」
紗月はびっくりして、氷像のように一瞬固まった。混乱が押し寄せるも、理緒が返答を待っていることに気付いてあわてて自分もしゃがみ込み、理緒の手を両手で包む。
「わ……、私でよければ、よろこんで」
同じ目の高さで、恥ずかしそうに、でもうれしそうに、はにかみながら応える紗月がかわいくて。理緒は抱き締めたくなるのを必死にこらえて、紗月を引っ張り上げるように立ち上がった。
「じゃあ、踊ろうか!」
女性2人の場合、男性パートはどっちが踊るんだろう?
いざ踊るという段になって、ふとそんな疑問が浮かぶ。でも音楽は流れていて、待ってはくれない。とにかく踊ろうと動いたけれど、どちらも動きがぎこちなく、不自然で……。
互いに同じ場所に足を踏み出して、ぶつかって、転びそうになる。なんとか踏み止まったけれど、紗月は理緒の名を呼び、途方に暮れて理緒を見上げた。
人前で理緒が恥をかくのは嫌。しかも自分のせいなんかで――そう彼女が考えているのが手に取るようにわかる。
こういうとき、やっぱり理緒のほうが決断が早かった。
「ひとのまねなんかしないでいいよ、好きなように踊ろう! お互い楽しいのが一番だよ!」
ぐいっと手を引いて、率先して回りだした。
するとふわりとスカートの裾野が広がって、2つのスカートが同じ円を描きだす。
笑顔で音楽に合わせて鼻歌を歌っている楽しそうな理緒を見て、紗月も緊張が解けた。ふふっと笑う。その笑い声を聞いた理緒も、よかったと笑顔になる。
互いに笑顔で、ついには大きな笑い声を上げて。互いだけを見て踊った。
そんな2人の姿に、見ている者たちも目を引かれ、つられて笑顔になる。
「いいねぇ。楽しそうだねぇ。昔を思い出すよ。あんなふうに私たちも踊ったねぇ」
そう呟いて、隣に座った老女の手に手を重ねる老人もいた。2人が踊りながら前を通り過ぎたあと、みんなが笑顔だった。
音楽が永遠に終わらなければいいのに、と紗月は思う。
こんなにも楽しそうに笑っている理緒が見られるのがうれしい。
一緒に笑えて、とても幸せ。
このまま時が止まってくれたらいいのに。
いつまでもいつまでもこうしていられたら……。
今、この瞬間に、時をとどめておけたなら。
そうしたら、きっと、お互いへの想いもずっとこのまま。
私も、ずっとずっと、理緒ちゃんのことを好きでいられるから。
ずっとずっと、愛していられるから……。
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担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月18日
参加申し込みの期限
2022年07月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年07月25日 11時00分
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