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星明かりの下できみとダンスを踊ろう
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◆
綾辻 綾花
の場合。
まさか本当に来てくれるなんて、思わなかった。
綾辻 綾花
は胸に手をあて、どきどきよ静まれ、と深呼吸をする。
だって先生と生徒だし。駅前で、みんなの目があるし。
でも何事も動かないと、だし。
断られてもしかたない、落ち込んだりしない、と胸の中で繰り返し、思い切ってお誘いして。待ち合わせ場所で待っていると、人混みの向こうから
早川 珪
が現われたのだった。
珪もすぐ綾花に気付いて、少し歩速を上げて近づいてきた。
「やあ。待たせちゃったかな」
「いいえ! 全然! そんなことないです!」
うれしさにいっぱいになった胸で、少し上ずった声で答える。
「私が少し早く着いただけで」
「そう?」
そして珪は何かに気付いた様子で綾花をじっと見た。
綾花はすぐそれと気付き。
「先生、似合いますか?」
衣装が見えるように、その場でくるりと回転して見せた。
早く到着した理由の1つはこれだった。きっと混むに違いないと思って、余裕を持って貸衣装店に入店した。
借りたのは、ショーウィンドウに飾られていた赤と黒を基調にしたワンピースドレスだ。オフショルダーだが、オーガンジーの花柄のショート丈ボレロが付いている。光沢のあるタフタでたっぷりドレープを取った、シンプルなデザインながらも目の肥えた者にはわかる、品のいいドレスである。
「なんだかいつもの綾辻さんとは違って見えるね」
「そうですか。……それって、駄目なことですか?」
「いや、そんなことはないよ。
うん。しゃれている」
珪を見つめて、彼が本当にそう思っていることがわかって、ほっとした。
「珪先生もすてきです」
控えめな光沢のある黒シャツに黒ズボンと、全身黒の中、ポケットの折り返しに臙脂が使われたスーツは、派手さはないが地味過ぎることもない。それをいつものようにノーネクタイで、シャツの一番上のボタンを止めないというラフさながらもだらしなくは見えず、完全に着こなしているのはさすがだった。
そうして見ているだけで、また胸がどきどきして、頬が熱くなってくる。
「き、今日はよろしくお願いしますっ」
思わず頭も下げてしまった綾花の姿に珪はちょっと面食らった様子のあと、くつりと笑い。
「じゃあ行こうか」
と彼女に歩調を合わせて歩いた。
会場に近づくにつれて同じ方向へ向かう人の数が増えていき、すぐにちょっとした不注意から肩や肘などがぶつかるくらいになった。
「綾辻さん、大丈夫?」
「平気です――あっ」
言ったそばから横の人の肩がぶつかって、後ろに押しやられそうになる。それを見て珪が、気を抜くと流されそうだからと手をつないで歩くことを提案した。
「ありがとうございます……すみません」
世話をかけることに恐縮しつつも、やはり内心ではうれしい。
ずらり店先に並んだ料理に、先に何か食べようかと道中話していたが、ちょうどダンスが始まるとのアナウンスが聞こえて、そのまま踊ることにした。
噴水を中央にしたダンス会場が、まるでスポットライトのように周囲より一際明るいライトで照らし出されていた。踊らない人は入れないようにされているため、スペースも確保されている。
そこで綾花は珪と向かい合わせに立って手を合わせた。
「綾辻さん、緊張してる?」
「は、はい。……あのぅ、ダンスはあまりしたことがなくて」
「そうなの?
じゃあきみは僕について足を動かしているだけでいいよ」
「それだけでいいんですか?」
「うん。ステップは簡単だから、すぐ覚えられる。背筋を伸ばすことだけ意識して」
腰に回った珪の手が、ある時ぐっと綾花を引き寄せた。驚く間もなく、さあいくよ、との囁きがして横に流れる。力強く腕と腰を動かされて、それに足がついていく感じだった。
足を踏んだりしないか、つまずいて転んだりしないか。とにかくみっともないまねをして、珪先生に迷惑をかけることになったらどうしよう。そんな不安は瞬時に消えて、ただただ、密着した箇所から伝わってくる珪の熱や力、匂いで頭と心がいっぱいいっぱいになってしまった。
ああ、けれど。
それは珪にとっても同じなのでは?
もしやこの高鳴る胸の鼓動が、熱が。彼に伝わってやしないだろうか。
(伝わっても、いいです。珪先生、大好きです……)
綾花は目を閉じて、彼のリードに任せて動く。
そうすると、まるで彼に包み込まれているようだった。
「先生、ダンスがお上手なんですねっ」
2回続けて踊って、少し切れた息を整えながら、綾花は言った。
「あ、先生。喉渇いていませんか? あそこに飲み物がありますよ。取ってきますねっ」
いつもより少し声が高くて早口に聞こえて。浮かれているのが自分でもわかる。
鎮まれ、とぺちぺち頬をたたいた。
浮かれすぎ。でも、珪先生と2度も踊ったんだもの。気分がふわふわして、はしゃぐ気持ちを抑えきれなくなっても全然おかしくないんじゃない?
そしていざ頼もうとして、彼が何がほしいか聞くのを忘れていたことに気付いた。
どうしよう、適当に頼んでいいものか。迷っているうちに珪が追いついて、綾花の頭越しにメニューの中の1つを注文した。
「先生、それは?」
「グレープフルーツベースのモクテルだよ、お嬢ちゃん」
珪が答えるより先に、ウェイター姿の男性が教えてくれた。ほらこれ、と見せられたのは、カクテルグラスの底に沈んだ部分が黄緑色をした、とてもきれいな飲み物だった。クランベリーなどフルーツも入っている。
「おいしそう。私もそれがいいです」
「了解」
男性から差し出されたそれを、お礼を言って受け取って、テーブル席についた。
ダンスでほてった喉に冷たい飲み物が気持ちいい。
「これ、おいしいです」
「そう。よかった」
なんとはなし、流れる人混みへと目を向ける。
「やっぱりカップルが多いですね。みんな楽しそう」
腕を組んだり、指を絡めて恋人つなぎをしていたり。いいなあ、と思う。
「そりゃダンスパーティーだからね。保護者と一緒に来ているのは、きみぐらいじゃないかな」
という会話から始まって、珪は、綾花もクラスメイトか誰かを誘えばよかったのではないか、というようなことを言い始めた。
先までの浮かれ気分がさーっと消えて、胸がずきんと痛む。
胸の痛みを隠して、綾花はグラスの中身を一口飲むと、「そんな人、いませんよ」と軽く答えて見せた。
「そう? 綾辻さんはかわいいから、デートに誘われたら二つ返事で受けそうな男子は何人もいそうだけど」
「そんな……、そんなの、相手にも失礼ですよ」
「そうなの?」
「だって……変に気を持たせることになるじゃないですか」
私が好きなのは珪先生なのに。
なんてことは言えないから、何も言えなくなって、俯いた。
「随分真面目に考えるんだね」
「えっ?」
「綾辻さんにとって、恋愛ってどんなもの?」
「恋ですか?
恋って、気付いた時には好きになってて、傍にいると心が満たされるもの、かな。
相手にも自分と同じくらい好きになってもらえるように努力したり、相手から向けられる笑顔や何気ない言葉でドキドキしたり」
私もいつか珪先生とそんなふうになれたらいいなあ。
つい、空想の相手を珪にしてうっとりしていた綾花は、話している相手が本物の珪であることを思い出して、はっとなった。
「あ、あのっ。えっ、と。つまりですね……っ」
どぎまぎとうろたえる綾花だったが、珪が椅子に背を預け、静かに微笑を浮かべているのを見ているうちに、自然と心が静まった。
そして自分一人あせっているのがなんだか恥ずかしくなってしまう。
「せ、先生。珪先生にとって、恋愛って何ですか?」
「ん? 僕?」
珪は何かに気付いたように視線を横に流して、飲み終えた2つのグラスを手に立ち上がった。
「その話はまたにしようか。
空席待ちの人が増えてきてる。もう立ったほうがいい」
はぐらかされたと、綾花は急いでテーブルを回って、グラスの返却に向かう珪の隣に並ぶ。
「先生、ずるいです、そんなの。私は話したのに」
「そうだよ。おとなはね、ずるいんだよ。臆病だからね。
だから、どうしても聞きたいことがあるなら、まずは相手の退路を断つことを覚えなさい」
珪は返却棚にグラスを置き、綾花を見てくつりと笑った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月18日
参加申し込みの期限
2022年07月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年07月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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