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桜屋敷と手紙の秘密
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白く淡く降るそれを、はじめは雪かと誤認した。
頭が覚醒するにつれ、それがほんのりと紅に色づいた桜の花びらであることを知る。
鴻上 彰尋
はゆっくりとあたりを見回した。
満開の桜の向こうに見覚えのある屋根が見えた。
「早乙女家の桜屋敷……」
彰尋は
七夜 あおい
とともに、この屋敷の整理のためにアルバイトに呼ばれ、早乙女家先代の主、櫻子の部屋を片付けていた。それに季節も桜の季節じゃない、夏だった。
一体何が……そう思って隣を見て、彰尋は何かやんごとなき事態に巻き込まれたことを、冷静に悟った。あおいの恰好がまるで大正時代の娘さんのような袴姿になっている。自分も白いシャツに袴の書生姿だ。
しかしそれについて詳しく考えたり話し合ったりする間は与えられなかった。
「櫻子様!」
遠くで誰かが呼んでいる。
束髪くずしと呼ばれる、いまでいうハーフアップの髪形をした袴姿の少女が植木を掻き分け駆けてくる。
手には三つ折りにした手紙を握りしめて。
「今しがた受けとった手紙……『今宵桜の下で』……嗚呼」
手紙。
彰尋の記憶が目まぐるしく呼び起こされる。
古い箪笥の引き出し。
その二重底に忍ばせてあった手紙にはこう書かれていた。
『お慕いしております。今宵、桜の下にてお待ち申し上げております』
蘇る。手紙を手にした直後に脳裏に響いた女性の声が。
――あなた方なら手紙の秘密を暴いてくださるかもしれない
あなた方をあの時空へ送り届けましょう
滞在時間は、二十四時間
どうか……わたくしたちの秘密を知ってくださいませ
(タイムスリップ)
すぐにその単語が脳裏に浮かんだ。
服装から推測するに、ここは大正時代のようだ。
この日、この時であることが、偶然なわけはない。目の前にいるのは若き日の櫻子で、おそらく自分たちは彼女が今手にしている手紙の秘密を解くことを望まれているのだ。
誰に?
わからない。
(わたくしたちの秘密、とはなんだろう)
ここで見つけたらいいんだろうか?
今はもう誰も知る人がいないかもしれない秘密を。
櫻子は天を仰いで嘆息し、それからあおいと彰尋に気づいて頬を赤らめた。
「どなた? どうしてこんなところに?」
彰尋はあおいと視線をかわし合う。
誰何されているのだ。
しまったな、と彰尋は思った。
自分たちは櫻子に、この屋敷の敷地に無断で入っている不審者と思われているかもしれない。
ここはひとつ芝居で乗り切ろう。
「すみません。上京したてで不慣れなもので、迷いまして」
彰尋はあおいだけに分かるよう片目を瞑る。
それであおいも理解したらしく、口を挟まず彰尋の話を見守っている。
「この家の桜がとても見事でつい見に入ってしまったのです。勝手に立ち入ったこと、お許しください」
彰尋が深々と頭を下げると、あおいも倣ってお辞儀をした。
その礼儀正しさが功を奏したようで、櫻子はすこし警戒を解いたらしく口元を弛める。
「我が家の桜を気に入ってくださって何よりですわ」
「――櫻子様」
別の人物が植木をかき分け現れた。
黒を基調とした丈の長いドレスに白のレースのエプロンという英国風メイド服。この時代にメイド服とはモダンだ。化粧っ気はなく、髪も後ろでひとつで括って地味な印象だが、よく見れば櫻子と年頃も背格好も似ている。
「さおり」
櫻子は彼女をそう呼んだ。
さおりと呼ばれた彼女は彰尋たちをちらと見て会釈をすると、小声で櫻子に何ごとかを伝える。
「乙守様がお見えですって?」
櫻子は驚いたように声を上げる。乙守という人物の来訪は予定になかったことのようだ。
「急にそんな……まさかあなたがお相手を」
「いいえ、牛衛が応接間にご案内しました」
「それなら良かったけれど。なんの御用かしら」
「『櫻子様』を浅草へお誘いしたいそうです。芝居を観てから浅草十二階へ行きませんかと」
櫻子はさおりの目をもの言いたげにじっと見つめている。
「これからすぐですか?」
さおりが頷くと、櫻子は考え込むように軽く親指の爪を噛んだ。
「あの、口を挟むようで恐縮ですが、浅草十二階というと凌雲閣ですね。俺たちも浅草には行ってみたいと話していまして」
口から出まかせであるが、あおいはそうそうと頷いて、彰尋の芝居に合わせてくれている。
たしか大正時代、浅草には「六区」と呼ばれる興行街・歓楽街があったはずだ。
『櫻子様は芝居好き』。部屋にあった芝居のパンフレットを思い出し――あれは昭和のものだったが――、場が和めばと彰尋は話題を振ってみる。
「浅草では芝居もずいぶん掛かっていると聞きました。じつは俺、芝居には大変興味がありまして。何かおすすめの芝居はありませんか」
ところが。
「芝居のことならさおりにお聞きになってくださいな」
櫻子の反応は芳しくなかった。
「おもてなしも出来ず残念ですが、急ぎの用がございますのでわたくしは失礼いたします。桜はお好きなだけご覧になってくださいな。――さおり、行きましょう」
櫻子は屋敷の方へ立ち去る。
さおりは櫻子を追って行きかけたが、しばし逡巡し、彰尋たちの方へ戻ってきた。
「あのう……お客様、もしお時間が許すようでしたら、屋敷に寄っていかれませんか」
「それは有難いお話ですが、こんなどこの誰とも知らぬ者をよいのですか」
「それでは――お名前は?」
「鴻上です。鴻上彰尋」
「七夜あおいです」
「鴻上様、七夜様ですね。これで誰とも知らぬ者ではなくなりました。私は天川さおりと申します。この家の使用人をしております。先ほどの方は早乙女櫻子様。この屋敷の主でございます」
「やや強引ですが……たしかに知り合いになりました。しかし、なんでしょう。そうしてまで俺たちを招きたい理由があるのですか」
さおりは、じつは、と切り出す。
「お聞きのとおり、乙守晋様とおっしゃる紳士がお見えなのですが、しばしの間、お相手していただきたいのです。乙守様は櫻子様の許嫁でございまして……お会いするなら着替えや化粧など身支度にいささか時間がかかるものですから」
「さおりさんは」
「私も支度を手伝わなければなりません。それに乙守様は名のある実業家で、一介の使用人が気軽に話をしたりはできませんわ。あの……ひとまず櫻子様のご友人ということで話を合わせていただけましたら」
「時間稼ぎというわけですね。わかりました。桜を見せていただいた恩もあります。俺たちでよければ」
彰尋の返答を聞き、さおりは安堵したようだった。
そんなに乙守という人をひとり待たせてはいけない事情でもあるのだろうか。
「先ほどの芝居のことですけれど」
屋敷に向かいながら、さおりはおずおずと申し出た。
「先ごろ掛かった徳冨蘆花の『不如帰(ほととぎす)』などは良かったですわ。何度観ても最後は涙してしまいます。けれど……悲恋は芝居だけがよいですわね」
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担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSS(500)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
恋愛
推理・サスペンス
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月07日
参加申し込みの期限
2022年07月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年07月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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