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真夏の夜に対峙する
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「やっぱりダイオウグソクムシは良いですよねーリュウくん」
主張を曲げず三色カエル財布を買ったイザヤの手には、もうひとつ、最初に手に取ったダイオウグソクムシつきマグカップの入った袋。
「……ダイオウグソクムシは諦めなかったのか意外だな」
「だってダイオウグソクムシですよー」
「何がだってなのかまったく分からん」
上機嫌なイザヤに背を向けてショップを出てみれば、傾きかけた夏の太陽の色が水族館の建物を包み込んでいた。
「そろそろ夕方ですし、みづき達も普通に帰る時間でしょうねー」
薄紫色に染まる空を仰ぎ、イザヤが当然のように呟く。ガキじゃあるまいし、と呟きながらも、リュウジは三歳児ほどの自分の姿を見下ろして息を吐いた。
「俺達の姿がガキだから夜の誘導はあまり出来ん」
「夜の誘導なんて許しません!」
ハレンチな、と温和な顔をしかめる過保護な『兄』からリュウジは目を逸らす。イザヤの言い分はともかくとしても、
「……ここいらが限界か?」
夜の『見守り』は出来そうにない。それに──
「随分付き合わせちまったねぇ」
「いえ、こちらこそありがとうございました」
「あたしも久しぶりに家族のことを話せて良かったさね」
西陽の色に染まる海を臨むテラスに太一と並び立ち、潮風を髪に受けつつ満月は小さく微笑む。急な『外出』ではあったけれど、久しぶりに休日らしい休日を過ごせた気がする。
テラスの柵に肘をつき、微かに聞こえる波の音に耳を澄ませば、遠い昔、家族みんなで水族館を訪れた日のことが瞼を過った。きょうだいで親子に間違われたあの日、背後では両親が笑いながら見守ってくれていた。
「兄貴は死んで随分経つから話せるようになったけどさ」
出来るだけ明るく笑って見せる。
傍らに立つ太一に気づかわしげな眼差しをさせてしまったところから鑑みて、もしかしたら笑うことには失敗してしまったのかもしれない。それでも、太一には伝えておきたかった。
「まだ両親の話は」
「はい」
生真面目に頷いては黙って耳を傾けてくれる男の存在がありがたかった。
「……出来ない、……ねぇ」
「……はい」
「だからさ、」
自分事のように泣き出しそうな顔をしてしまう気の優しい大男の肩を、出来るだけ明るい調子でばしばし叩く。
「また今度に話す機会を作っておくれよ」
おっかりしんみりしてしまった雰囲気を吹き飛ばそうと勢いで口にしてから思い至った。
(……ってこれ)
もしかしなくとも次のデートの約束になっている。
ぶわりと顔に熱が上る。
同じことを同じタイミングで気付いたらしい太一の顔も赤い。
「ああいやそう言う意味ではなくて呑みでもいいからというのが本音で」
「い、いえッ、みーちゃん! また次も……次もあのッ、……」
「あああああ」
満月の両手を両手で取りながら言葉に詰まる太一と、真っ赤な顔で言葉にならない声を上げている満月を夕陽の中に眺めながら、
「あらら、ぉやぁ……」
イザヤはにこりと笑みを浮かべる。
「嬉しいですねー」
それが素直な感想ではあるけれど、
「でも、あの対応はみづきが家族扱い始めてる感じですねぇー」
『兄』としては『妹』のその対応が面白くないのも本音。思わずポケットから取り出した汚いハンカチをキーッと噛みしめてしまうというもの。
「汚ねぇな」
最早止める気力もなく、リュウジはハンカチを噛むイザヤをちらりと見て呟く。
何とかして良い雰囲気を作ってやろうかとも思っていたが、西陽で良い感じになっている上に、
(ほおう、あの叔母にしては気の利いた事を言うもんだ)
イザヤの言う『あの対応』が、太一にとって嬉しくないわけはない。
「ううう」
『妹』に対する自身の気持ちに整理がつけられず身をよじるイザヤの背をリュウジは軽く叩く。
「お前の妹は成長しているぞ、喜べボンクラ」
「みづきはですね、僕や弟の事を話し始めるとその子と仲良くなりやすい傾向がありまして、幼馴染の太一くんが知らない話をしてるって事はおそらく無意識で壁が取っ払われた感じがしてますつまりは両親がプロポーズした時と状況が一致しておりまして」
悶えるあまり滔々と妹語りをした挙句、イザヤは今最も兄として思いつきたくない答えに行き着いた。
「ま、まだ早いです、お兄ちゃんは許しませんよー!」
喚きながらも、ふたりのもとへ駆け寄ってふたりを引き離すことはどうにか自制するお兄ちゃんの目前で、
「みーちゃん、僕は、……僕は!」
「うわちょっと待っ……」
思い余った太一が満月の手をぎゅっと自分の胸元へと引き寄せている。
「……おや、面白い状況になっているな」
「……リュウくんやって下さい!」
妹の危機と見たお兄ちゃんに躊躇いはなかった。今にも近づき過ぎるふたりを指し示すイザヤの依頼を受けて、リュウジはニヤリと笑う。
「お望みとあらば爆破してやろう」
『家事』を行えば何故だかどこかしらが爆発してしまう特異体質であるあやかしが取り出したるは、日々携帯している二種の洗剤。
「祝、リア充爆破!」
ふたつの洗剤をダバァと混ぜ合わせればあら不思議、恋人(未満)が見つめ合うその脇の海が突如としてどかーんどばーんと大爆発。花火の如く空へと舞い上がった波は大量の大粒の雫となって満月と太一の上に降り注ぐ。
あっと言う間にびしょ濡れになっても、未だ太陽の熱が十二分に残る真夏の夕暮れの中でふたりは夢から覚めたように見つめ合って大笑い。
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あとがき
担当マスター:
阿瀬春
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました!
満月さんと太一、それからふたりを『見守る』イザさんとリュウさんのお話、お届けにあがりました。
ガイドのほう、長らくお待たせしてしまいました。お待ちくださいまして本当にありがとうございます。
プライベートシナリオのご依頼、ありがとうございました!
みなさまをみなさまらしく描けておりましたら、少しでもお楽しみ頂けましたら幸いです。
このたびはまことにありがとうございました!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSS(500)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
3人
参加キャラクター数
3人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年06月18日
参加申し込みの期限
2022年06月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年06月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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