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水族館の入口より先にあるレストランに入る。平日の昼過ぎとあってか人気の少ない席に向かい合って座る。
「二人分頼めて良かったさね!」
「平日に出掛ける特典ですね」
「うちの店も休日の方がお客は多いんよねぇ」
「そう言えば宅配サービスは順調ですか」
どうしたって視界に入ってしまう太一との話題がともすれば仕事に傾いてしまいがちなのを気にするうちに、お待たせしましたとアザラシカレーが届けられた。
ウェブサイトで見た通りの可愛らしい一皿に、満月は思わず破顔する。
「こりゃまた可愛らしいね!」
「あっ、……ハイ、とても」
頬を引っ掻いて頷く太一の視線がカレーよりも自分に向いていた気がして、満月は瞬いた。
「どうかしたかい?」
「イイエ」
そういえば、とふと思う。うちの弟と姪っ子も、小さい頃はテレビやらなんやらに気を取られてすぐに箸が止まってしまう時期があった。育ち盛りになってからの食事は争奪戦じみてあっと言う間に炊飯器も鍋のおかずもお味噌汁も空っぽになったけれど、
(それももうそろそろ終わりなんかねぇ……)
弟も姪も、己にいらぬ気を遣ってあの家を出て行くことを考えている節がある。あの子たちが己の負担になっているなど一ミリだって考えたこともないのに。
「みーちゃん?」
知らず睫毛を伏せてしまっていたらしい。幼い頃のように名を呼ばれ、満月は向かいに座る太一を見遣った。いただきますと手を合わせ、スプーンを手に取る。
「さぁ、冷めないうちに食べようじゃないか」
「はい、いただきます」
青いカレーをスプーンにすくい、味の想像がつかないまま口に運ぶ。
「うん、」
頬張った途端に口いっぱいに広がるスパイスの香に、満月は顔を綻ばせた。向かいの太一も意外そうに目を瞠っている。
「程よい辛さで良い塩梅じゃないかい?」
「青いのに、しっかりカレーですね……」
スプーンいっぱいにカレーと米を乗せ、大きく口を開ける豪快な食べっぷりに満月は笑う。子どもの頃はどちらかと言うと食の細い印象だった幼馴染が、気づけば自分よりも背が高く逞しくなっている。なんとなく悔しい気持ちもあるけれど、
(けど、……?)
もや、とまた胸に知らない熱が湧いている。それが何なのか分からないまま、満月はカレーをぱくり。もぐもぐしながら気が付いた。
「太一っつあん」
「はい」
「手にカレー付いてる」
言いつつ、テーブル備え付けの紙ナフキンを手に取る。弟や姪にやっていたように極く自然な動作で太一の手を拭って、
「あ、」
見る見るうちに髭面を真っ赤にしてゆく太一と目が合った。
「ごごごごごめんついいつもの癖で!」
「こちらこそスミマセンお手数をば!」
ごめんごめん、すみませんすみませんと真っ赤な顔で謝り合っていたかと思えばほとんど同時に噴き出し、顔を見合わせて笑い合うふたりを視界の端にとらえ、リュウジはフンと鼻先で笑う。
(うまく誘導できたな……)
何段階目かの『見守り』作戦成功に一息吐いたところに、
「はーい、リュウくんのアザラシカレー来たよー」
ふたりを『見守る』と一番に言い出したはずのイザヤの呑気な声。レストラン店員がテーブルに届けてくれたアザラシカレーを得意げに己の側に寄せられ、リュウジは幼い顔を不機嫌に顰めた。鼻を突く辛い香りに思わず顔を背ける。
(……んだってこんなもん)
ラスイチだよー、と得意げな顔をするイザヤの前に、リュウジは大嫌いなカレーの皿をぐいと押しやる。
「カレーはお前が食えボンクラ」
「え? カレー要らないの?」
満更でもなさそうな顔をするイザヤから、その代わりにとイザヤの前に置かれていたサンドイッチの皿を取り上げる。
「俺はこのこどもサンドで良い」
「それ僕のサンドイッチ……」
どちらも食う気かとリュウジが眉を寄せれば、イザヤはエヘヘと笑った。
「そっちに置かれたカフェラテ寄越せ」
「ああはい、じゃ、クリームソーダ貰うね」
もちろん三歳児用だと店員が判断して置いたクリームソーダと、十歳児の前に置かれたカフェラテも交換する。それぞれに口に運びながら、ふたりは少し離れた席の満月と太一を『見守り』続ける。
「それにしてもみづきが他の男の人とお食事だなんてねぇー」
「……飯食ってる時ぐらい黙れねぇのか!」
三歳児に叱られても、十歳児は気にした風でもなくにこにこと微笑んで話しかけてくる。
「成長しましたよねー、ねーリュウくん!」
嬉しいような寂しいような表情をするイザヤを一眺め、離れた席で仲良くカレーを食べる満月と太一を一眺め、リュウジはケッと吐き捨てた。
「リア充が」
それきりイザヤからも満月たちからも視線を逸らし、黙々とサンドイッチを口に運ぶ。あらかた食べ終え、カフェラテに手を伸ばそうとして、
「オイボケ」
正面の席のイザヤの顔がうっかり視界に入ってしまった。食べ終わった口の周りがカレーだらけになっているとなっては見逃すわけにはいかない。
「アホ」
放っておけばきっとそのままに席を立ってしまうイザヤの口元を手近にあった紙ナフキンで拭いてやった瞬間。
ぼこん、とイザヤの傍らのクリームソーダが爆ぜた。
ありがとう、と言いかけたイザヤの顔も、イザヤの世話をするために椅子から身を乗り出したリュウジの手も、不可思議な力で小さな爆発を起こしたアイスクリームとメロンソーダの飛沫を浴びる。
「クリームソーダも爆発するんだー、びっくりー」
「……ほう」
おっとりと瞬くイザヤの傍ら、リュウジは一瞬鋭い怒気にも似て瞳を細める。
「コレも家事判定か、面白い」
「面白いって顔じゃないよねー」
顔を覗き込んでくるイザヤを射貫くように睥睨し、イザヤは汚れた服や肌を流すためにひとまず席を立った。
「行くぞボンクラ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSS(500)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
3人
参加キャラクター数
3人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年06月18日
参加申し込みの期限
2022年06月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年06月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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