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「ついでと言っちゃぁなんだけど」
ごちそうさまと揃って手を合わせてから、満月はレストランの外にある水族館ゲートを指し示す。
「見ていくかい、水族館?」
「せっかく水族館に来たんですから、見て行きましょうよリュウくん」
通りがかった少年二人組の兄らしい男の子のわくわく弾んだ言葉と言葉が重なって、満月は小さな笑みを零した。ふと目が合った男の子と何となく笑み交わす。
「……えー、めんどくさーいー」
そう言ってひどく大人びた溜息を吐く三歳児ほどの男の子の手を引っ張り、少年は水族館へ駆けこんで行く。その小さな背中に何故だか見覚えがある気がして、満月は首を傾げた。
(なんでだろうねぇ)
幼い頃に見た兄の背中をもう一度見た気がした。
少年の纏うふんわりとした雰囲気が兄と似ているからだろうか。
「さぁ、行こうさね」
「母が無理を言ってすみません」
太一の母である『ハナ』の女将に半ば強引に手渡されたチケットを満月が鞄から取り出せば、太一は心底申し訳なさそうに頭を下げた。
「せっかくの休日を潰させてしまいました」
「なぁに言ってんだい、水臭いねぇ!」
ごつい背中を遠慮会釈なくばんばん叩き、ほらほら行くよと先立って歩き始める。ゲートの係員にチケットを渡し、入ってすぐのところにある大水槽の前に立つ。傍らに立つ太一にちらりと笑いかけ、視界いっぱいを埋める碧い水を見上げる。
分厚い硝子越し、群れなして通り過ぎて行く鰯や鰺に悠々と泳ぐ鯛、水槽の端の岩陰でじぃと動かぬウツボにうろうろと水草の上を行き来する小さな海老に蟹。
「なぁつかしいねぇ、きょうだい三人で行ったきり、中一以来かねぇ?」
弟はまだ三歳くらいで、目を離せばすぐにどこかへ駆けだしてしまうような子だった。だから満月と兄とで、左右の手を繋いでいた。
「上も下も離れてるきょうだいだから傍目では親子に見える……」
「ここの展示はですね、展示動物が自然に近い行為をすように設計されていて、」
十数年昔の家族の話を零しかけたとき、硝子に貼りつくようにして水槽を見つめていた少年が不意に滔々と語りだした。
「我々が動物の自然の姿を垣間見ることができるという代物でしてね、特にこの水槽の作りが──」
きらきらと輝く瞳を水槽から決して離さないまま、わくわくとした口調で語り続ける栗色の髪の少年の姿に、満月はくすくすと優しい笑みを零す。
「なんだか懐かしい子が居るねぇ、兄貴も解説し出したら止まらない人だったんさ」
「そう言えば僕も昔、公園の植生についての講義を受けました」
「止まらなかっただろ?」
「止まりませんでしたねぇ。でも、とても楽しそうに話してくれました」
「……何だボケ」
穏やかに話しながら次のコーナーへと足を向ける満月と太一の姿を確認して、リュウジはまだまだ語り続けるイザヤの脇腹を細い肘でつつく。
「こういう所はお前のテリトリーか?」
「テリトリーと言えばですね、このウツボ。今は岩陰で動きませんが──」
「あー……」
当初の目的も忘れて観察に夢中になるイザヤを一瞥し、リュウジは溜息を吐いた。この調子なら、何を言っても黙るとは思えない。それに、
「止めるのもめんどくせぇ」
無理やり黙らせてあのふたりを追いかけたところで、どうせ出口はひとつきり。
(出口にショップがあったな)
ゲートで係員から貰ったパンフレットに目を通して建物の位置関係を把握し、リュウジは冷静に判断する。デートに必要なものと言えば、今日という日の思い出の品。あのふたりのことだ、どうせおろおろした挙句何も買わずに店を出るに違いない。
(演技再開はそこからだな)
イルカショーにアシカショー、ペンギンのお散歩にカピバラ餌やり体験、近海水槽に深海水槽、クラゲ水槽。水族館を思うさま楽しんだあとに辿り着くのは、お土産品が山と並ぶショップ。
「にーちゃんおもちゃ買いたい!」
「ええっ、リュウくんも駄々こねるんですかー」
海の生き物ぬいぐるみの棚の前で地団駄を踏む三歳児と、驚いて困り果てる十歳児とを眺めやり、満月はまた笑みを零す。
「そうそう、ああやってショップで駄々こねる弟を宥めたり担いだりするのがあたしと兄貴の仕事だったんさ」
言いながら、目についたイルカのキーホルダーを手に取った、その途端。
「あっちのおねーさんたちも買ってるー!」
ぴょんぴょん跳ねる三歳児が一際大きな声を上げた。羨ましそうな視線をちらちらと向けられ、満月は慌てる。
「……え、品物手に取っただけ、買ってな……」
「いいなーいいなー!」
「買って、」
「おれもー! 買って買ってー!」
三歳児の無邪気な圧力を受け、満月は手に取ったキーホルダーを棚に返すに返せなくなる。そうしてしまえば、あの子は欲しいものを買ってもらえなくなったりするかもしれない。
「カイマス」
「はい、買いましょう」
呟いて掌を見下ろしたとき、太一の大きな手が伸びてきた。ひょいとキーホルダーを取り、きょとんとする満月に笑う。
「イルカ、今も好きなんですね」
「え、あっ、……ああ、……え?」
迷わない足取りでレジへと向かう太一の後を追いかけつつ、満月はまず何を言えばいいのか迷う。自分で買うよ、なのか。イルカが好きなことを覚えていてくれたのかい、なのか。
(……よし)
レジに立つ太一の背中を認め、リュウジは今にも泣きだしそうに駄々をこねていたのがまるきり嘘のように口を閉ざした。実際嘘も嘘な演技だったのに、
「えっとそうだ……じゃーん、ダイオウグソクムシのマグカップ!」
演技の出来ないバカ確定のイザヤは焦った様子で手近にあったダイオウグソクムシの群れが描かれたマグカップをさも得意げに掲げて見せている。
「ほらコレ、持ち手の上にダイオウグソクムシが付いてるのー」
あまつさえチャームポイントには決してならないポイントを嬉々として示してくる。
「何だそのグッズ、ダイオウグソクムシなんて持ち主は喜ばねぇぞ」
それにこっそり持ち主のコレクションに紛れ込ませるにしてもダイオウグソクムシは目立ちすぎる。
「あらリュウくん塩対応」
「カエルにしろカエル!」
「カエルのぬいぐるみ風財布でいーい?」
一瞬の間に態度の変わったリュウジの様子を気にもせず、イザヤはご機嫌な顔で緑色と青色、それから黄色、三色のカエル財布を手にする。緑色が持ち主、青色がイザヤ、黄色がリュウジ。
「みんなでお揃いー」
ほくほく笑うイザヤの能天気っぷりに、リュウジはいつも通りと言えばいつも通りに声を荒げた。
「俺の分は選ぶな!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSS(500)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
3人
参加キャラクター数
3人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年06月18日
参加申し込みの期限
2022年06月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年06月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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