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真夏の夜に対峙する
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真夏の四時半はもう明るい。
旧市街商店街のお好み焼き屋『うさぎ屋』の白く明けてゆく空の眩しい光を映す引き戸の奥、大きな鉄板の傍に設けられたシンクでもち米を研いでいるのは十歳ほどの少年。
「寂しいねー、嬉しいけど寂しいねー」
慣れた手つきで炊飯釜の中のもち米を研ぐ小さな手の動きはリズミカルと言って良いほどなのに、小さく漏れるご機嫌な鼻歌は恐ろしく音程も調子もずれている。
たとえばそのまま大きな声で歌ってしまえば、窓辺に遊ぶ雀が逃げようとしても翼が動かず地面に落ちるかもしれない。
「お赤飯炊いとこうねー」
飛ぶ鳥も落とす自身の音痴には全く気付かないまま、少年はもち米の水をよく切り、煮て冷ましていた小豆と煮汁とを混ぜこむ。
「スイッチぽちー」
「オイコラ黙れボンクラ」
釜を炊飯器にセットしてスイッチを入れた途端、背後から幼い声にそぐわぬ罵声が飛んできた。ともすれば眠たそうにも見える柔和な黒い瞳をくるりと丸め、少年──本性をこの家に住む少女を主とするぬいぐるみに宿った付喪神であるところの
イザ さん
は振り返る。
「昔は良く家事をしていたんですよー」
のんびりとした口調でふわふわ笑うイザさん──人間の姿をしているときには『大田原イザヤ』と名乗る彼に、
「知るかボケ」
辛辣な口調で応じるのは、小上がりの傍に置かれた蛙型クッションにもっふりと小さな背中を預けた見た目は三歳児、本性はイザさんと同じぬいぐるみの付喪神であるところの
リュウ さん
。こちらの彼は、人間であるときの名を『大田原リュウジ』と言う。
「アイツ等が起きて来たらどうする気だ」
「起きるにはまだちょーっと早い時間だよねー」
「なら黙れ」
ぶっきらぼうに言い放った後は小さな手に持ったタブレット端末に視線を落として口を閉ざすリュウジに、イザヤははーいと軽く返事する。
「さーて」
炊飯器が作動していることを確かめ、朝の光に満ちる調理場を見回す。ひとまず三人分の茶碗と箸を出しつつ、次は何を作るか一思案。
「……後は味噌汁と目玉焼きでも作りましょうかー?」
小鍋に水を入れて火にかけ、味噌汁の具になりそうなものを冷蔵庫の野菜室に探す。ちょっぴり残っていた茄子や茗荷を味噌汁用に、卵を目玉焼き用に取り出して、
「あっさごはんー、朝ごはんー」
相棒に黙れと言われたのも構わず、またご機嫌な鼻歌をもらしながらおかず作成に取り掛かる。
調理場にお味噌汁と目玉焼き、それから炊き立てお赤飯の甘い香りが漂う頃になって、黙々とタブレットを操作していたリュウジがふと立ち上がった。鼻歌交じりにシンクで洗い物をしているイザヤの背中を一眺めしてから、保温に切り替わった炊飯器に触れる。
瞬間、どん! おおよそ炊飯器が立てるはずのない爆発音がした。
「あららリュウくんまたやったの?」
洗い物をする手を止めることもなく肩越しに振り返って微笑むイザヤに、リュウジは小さく舌打ちで答える。
付喪神であるところの『リュウさん』は、何かしらの家事をすれば必ずと言っていいほど爆発を起こしてしまう不思議体質だ。
「保温を切っただけだ」
炊飯器のスイッチを止めただけでも『家事』判定が入ってしまう自分自身の厄介さに、リュウジは蒲公英色の瞳を不機嫌に歪める。爆発の規模としては小さいものだったため、住居部分の部屋で就寝しているこの家の住人たちは気づかないだろう。
「音はすごかったけど、ご飯には影響ないみたいですねー」
炊飯器の中身を確かめ、イザヤが安堵した笑みを零す。それでも、炊飯器は壊れてしまった。
「ミャマゾンかニョドバシで代わりの注文しといてねー」
「うるせぇ、分かってる」
炊飯器のスイッチに触れるときにも手にしていたタブレットを操作し、通信販売で同じ型の炊飯器を注文しておく。家の住人が家電の謎の故障に気づくより先に入れ替えてしまえば問題はない。
(収益がまた飛ぶな)
人間のかたちを取ることができるようになってこの方、主が寝入っている間に主のタブレット端末を拝借してアプリを開発し、少なくはない稼ぎをこっそり得ているのはいいものの、そのほとんどは自分がうっかり家事をすることで壊した電化製品に消えている。
「朝ごはんもできましたしー、次は居間の掃除でもしてましょうかー」
「オイ待て」
掃除道具を取りに向かおうとしたイザヤをリュウジは鋭い声で引き留める。おっとりと振り返って瞬くイザヤに、リュウジは黙れとジェスチャー。耳をそばだて、別室から聞こえて来た住人の足音に顔を引きつらせる。
「……しまった、起き出した!」
「わあ、大変だー」
「緊急回避!」
何故だかごはんの匂いが漂う廊下を裸足でぺたぺた歩きながら、
宇佐見 満月
は寝不足気味の瞼を擦る。
(久しぶりに兄貴に起こされたような気がする……)
昨日の夜は酒が入っていたのに寝つきがどうにも悪かった。瞼を閉じれば、『焼き鳥 ハナ』の店先に立って見送ってくれた黒河太一の髭面ばかりが浮かんで、その度に、
(コレってでぇ……)
考えてしまえば酔いではなく頬に熱が上ってしまう言葉を思い浮かべかけて、
(そんな訳ないない、外出、ただの外出ったら外出!!)
必死に否定しては目が冴えてしまう始末。
寝ぼけ眼を擦り擦り、満月は朝から疲労困憊の溜息を吐く。
(……でも、どこ行ったら良いのさ)
一晩考えても何も思いつけない頭を抱え、ひとまず別のことを考えることにする。どうにも眠りが浅かったせいか、空が白む夜明けの頃、死んだ兄の鼻歌を聞いた気がするのだ。
(あのボンクラ)
鼻歌でさえ兵器並みの破壊力だった。朝ごはんの支度をしてくれるのはいいものの、あの歌声は朝一番に聞くに堪えない。
(近所迷惑だったんださぁね)
懐かしいような迷惑なような気持ちを抱えたまま、住居部分から続く店舗部分への扉をサンダルを引っ掛けつつくぐる。
「んあ?」
あくびをしながら気が付いた。調理台の上にはほんの少し冷めた目玉焼きの皿が三人分、ラップされて置かれている。コンロの上の鍋には茄子と茗荷のお味噌汁、炊飯器からは炊き立てご飯のにおい。
「なんで赤飯……?」
炊飯器の中身を覗いて首を傾げ、
「なんでぬいぐるみ達……?」
調理場に放り投げられているぬいぐるみ二体にもう一度首を傾げる。なにがなんだかわからないけれど、どこか懐かしいような朝ごはんのにおいに空っ腹が鳴った。
「……朝飯食っちまおうかねぇ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSS(500)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
3人
参加キャラクター数
3人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年06月18日
参加申し込みの期限
2022年06月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年06月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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