【１０周年】吾輩は見た～週刊かぎしっぽのねこねこ記者｜リアクション

【１０周年】吾輩は見た～週刊かぎしっぽのねこねこ記者

●週刊かぎしっぽvol.XX104『あいおちゃんシークレット・ファーストライブ』

　４月になって、またねここーに新しい顔ぶれが入学したにゃ。
　新入生を取材しようと猫鳴館のちかくを歩いていた吾輩は、灰色の髪をコロネパンみたいに頭の両脇にくるくるさせている女の子に出くわしたにゃ。
「新入生の誓いで『この寝子島高校のトップアイドルになること』とさっき宣言したのは良かったですが何しましょう？　うーん……あ、猫！　こっちにも！　寝子島はホントに猫だらけですねぇ」
　女の子は猫たちを前におもむろにマイクを取り出したにゃ。

「猫さんたちこんにちはー！　星幽塔から来た……もとい、ほしびとさんから分離して生まれたて、一応、両親と死別、親戚の家を転々として寝子島に来たことになっている喜矢武あいおですよぉ。僕は、ほしびとだった僕のころからずーっと歌で超人気配信者になることを夢見ていたのです！」
　人間がいないのをいいことに明け透けにゃ！
　でもおかげで吾輩、理解したにゃ。
　夏朝ちゃんが夏夜ちゃんと分離したあの日に、この子も分離したに違いないにゃ。
「よし、猫さんたち聞いてください。１曲歌って踊りまーす」
　あいおちゃんの歌はポップでキュート。
　吾輩たち、すっかり聞き入って、遠くから集まってきた猫もいたくらいにゃ。
「あいおのファーストライブどうでしたか？」
　よかったにゃ！
「こんな風に学校でもライブ出来たら……そうだ、部活！」
　あいおちゃん、何か思いついたみたいにゃ。
「他の学校にはダンス部が存在すると聞いたことがあるので、歌とダンスに特化したアイドルっぽい活動が出来る部活を作っちゃいましょう。よーし帰ってさっそく部活申請をまとめないと！　ねこさん達ありがとございましたーっ！」
　ダッシュで猫鳴館に飛び込んでいったあいおちゃん。
　頑張ってほしいにゃ！

「ニューエイジアイドル・あいおちゃん爆誕の瞬間にゃ！」
「あいおちゃんが有名になったとき、シークレットファーストライブを観たっていっぱい自慢するにゃ！」