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『生徒』ではない私から『先生』ではないあなたへ
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「なんで?」
思ったよりも冷たい声が出て、ウォルター自身も驚いた。
『先生』の壁を崩さないよう構えていたのに、そこにヒビが入ろうとしている。
「知らないことを知ろうとするのは、いいことだと思うよぉ? でもそれってどうなのって話」
「どう、って」
「ねぇ、稲積」
ウォルターは笑っていた。ただ優しく、何事も無かったかのように――自分へ、暗示をかけるように。
「君が思いを寄せるのは……知りたいと思っているのはさぁ、『君の中の理想のウォルター先生』で、僕じゃないと思うよぉ?」
春先にもやんわり線を引いたつもりだったけれど、もう一度。
子供の生ぬるい恋愛ごっこで終われるように、ハッキリと告げなければ。
「……あの、星空に漂う本を一緒に見たとき。あの時一緒にいたのは本当に『先生』だった?」
線を引けば、躊躇うと思った。
でも、あの時訂正を求めたのは、どちらのためだっただろう。
「僕はあなたとの……たとえ偶然でも、大事なキスは忘れない。約束通り秘密にする」
壁さえ作れば、最後には『先生』と『生徒』だからとかわせば、卒業する頃には忘れるだろう。
こんな物は一時的な熱。気の迷いのはずだから。
「もし理想の先生がいいなら、困らせてまでウォルターさんを知りたいなんて言わない」
卒業しても、大人になったらねってかわせると思っていた。
酒を酌み交わせるようになる頃には、憧憬と恋慕の違いがわかる本当の大人になるだろうから。
「あの時も言ったけれど、先生と生徒の恋愛は禁じられていない。だからこそ、僕はあなたに、ウォルターさんに恋愛対象として見て貰いたいんだ」
真っ直ぐに柚春はこちらを見据える。
不安で揺れることもない、決意に溢れた瞳は想定外だった。
「ただ『子供』や『生徒』だって枠をはめないで……ちゃんと、『稲積柚春という女の子』が『ウォルターさん』を知りたいんだって認めて欲しいっ!」
もっと子供じみた、好きだから付き合いたいと喚くだけだと思っていたけれど、彼女の願いはそうじゃない。
そこにたどり着くために、『先生』と『生徒』ではない個人を知り知られたい――ということだ。
「ははっ、強いなぁ」
そこは幼くとも女性、ということなのだろう。
過去を振り切るために勉学に打ち込んで、去る者追わずな気楽な恋愛ばかり繰り返して。気づけば『大人』として節度を求められ、必死な恋など忘れていた。愛の形がズレないように、重さが負担にならないように。線引きの癖はそこまできて、自分を守る一線は絶対だった。
そんな『先生』として線引きを「しなければ」という意識に振り回されている自分とは違って、柚春は線のギリギリに立って熱心に想いを伝えようとしてくれている。
「じゃあ……僕がただのウォルターで、君がただの柚春だったとして、何が変わる?」
「変わること?」
自分で言って呆れてしまう。
決められた範囲で行動するように己を律しなければ、大きな物を失う――そう怯えているのは、こちら側だ。
変わることはたくさんある。ただ呼び名が変わっただけで鼓動は異なるし、諦めて立ち尽くすしかない己を真っ直ぐ見つめ、しっかり繋がれた手に縋り付きたくなった。
……安らぎを覚えてしまったんだ、きっと彼女の指の温もりを前に自制心を働かせていることも、あの日伝わってしまっただろう。
でもそれは、ここではない世界であったから。目を背けていた過去と対峙して心が揺れていたから――そう言い訳するには無理があるだろうか。
「変わらないなら、変わらなくていいんじゃない?」
あの時と同じように『まだ先生だから』と続けようとして、紡げなかった。ふと柚春から視線を逸らした先に居たворが、その鈍色の瞳で凄んでいるように見えたからだ。
そうでなかったなら向き合う覚悟はあったかと、問いかけてくるように。
(……逃げてはないよ。秘密なだけでねぇ)
「ウォルターさんだと色んな顔を見せてくれるけど、先生になると我慢するところがあるよね。辛いことは隠さないでいられる関係になれるかも」
繋がった指先から、抱きしめ合った腕から何もかもが気づかれていたのだとしても、それでも。
「それから?」
「生徒だと守られるばかりでも、そうじゃなければ……何か力になれるかも知れない」
心の奥底に残っていた黒く重い過去は、それを克服しても放置しても変わらないなら触れなくて良いと二十年近くも思っていたのに、突然優しく包まれて……全てを認めてくれる誰かを必要としていた可能性に気づいた。
気づいてしまえば、心の氷塊がゆるゆる溶けるのは悪くない気もしている。
「……それから?」
それを認めてしまえば、先生と生徒の線引きも改めたいと思ってしまうのだろうか?
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年06月21日
参加申し込みの期限
2022年06月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年06月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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