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『生徒』ではない私から『先生』ではないあなたへ
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「椅子でもソファでも、お好きに使って下さいね」
狭い廊下の先に通されたリビングはこぢんまりしていた。
手前の二人用の小さなテーブルに椅子が二脚と、奥のローテーブルにはまあ詰めれば二人座れそうなソファ。その向かいには大きめのビーズクッションがある。
最初は星ヶ丘と比べるものじゃないかなと思っていたが、そういえば。
「あー……一人暮らし、だっけ?」
「はい、両親の転勤が多くて……今年から一人暮らしです!」
ならば、食事のスペースと休息のスペースが分けられていて、別に寝室があるなら広い方――なのだろう。
ニコニコとフルーツアイスティーを取り分けてお茶菓子を準備する柚春の手際は良くて、家事も滞りなくやっているのだろう清潔感のある部屋に生活の心配はない。その点には。
しかし先日の一件でも感じたが、もしかして柚春は異性に対する危機感が全くないのではなかろうか。
(この、どこに座っても何かが起こりそうな座席は、どうすれば正解だろうねぇ?)
少し前のめりで話されたら額をぶつけそうな椅子か、隣に座られそうなソファか。ゆっくりキャップを外し、ポケットの中身はどうしようかと思案する素振りを見せて。……迷って、大きめのビーズクッションに身体を沈めることにする。
自分からどうこうする気は無くとも、前例がある。事故の可能性はできるだけ避けたい。
「凝ったお茶までありがとねぇ、僕は家事がまるでできないから尊敬するよ」
「先生のお家にはメイドさんがいますからね」
「自分だけじゃ手が回らないしねぇ」
運ばれたアイスティーの氷を遊ばせるようにグラスを傾け、口をつける。生活の一部として仕方なくというより、趣味として好んでやっているのだろう。そんな味だ。
「それで、あの……今は夏休みで、お休みなんですけど」
「宿題の相談?」
「そうじゃなくて! ……『先生』もお休みですよね?」
「……『生徒』が問題起こさなければ、お休みかなぁ?」
先生の顔で微笑めば、柚春は助けを求めるように傍らの人形を見る。確か、いつも連れ歩いて『ぬい活』をしているカプセルギア、ворと呼んでいただろうか。
よし、と気合いを入れるように目線を合わせて頷く姿は会話をしているようにも見える。
確かに精神を安定させるためにそういう人もいるとは言うけれど。
(……玩具、だよねぇ)
表情や声音を読み取って返事をするAIロボットでもあるまいし。そうは思うが、度々アレには睨まれるような気がしてならない。
それに、不思議な空間で発破をかけてきたり、帰って夢うつつな中で問いかけてきた少年は――そう回想しかけて、柚春の声に引き戻される。
「先生がお休みの時は、ウォルターさんって呼んでもいいですかっ!」
一度訂正をしたそれを再び問うのは、仲良くなれたと思っているのだろう。
やっぱり慣れない呼び名は鼓動のペースを狂わせる。そんなの、不意に呼ばれたから以外に理由なんて……。
「うーん、それは難しいんじゃないかなぁ。君といる時は、どうしたって先生だし?」
そうあるべきだと線を引いた。撤回するべき時ではないとも思っている。
身の丈に合った正しい選択をするための線引きは、二十年前から染みついたものだ。
「お休みにならないってこと、ですか?」
「学校に行かない、書類仕事をしない。そういう意味ではお休みだけど、生徒の話し相手をするのは先生の立派なお仕事でしょ?」
「仕事……」
その切り返しに何を思ったのか、彼女は不服とも意外とも顔に出さなかった。
わかりやすく期待されている方が、傷つける物言いを避けられそうなのに。
「海に行ったり、ほおずき市に行ったり……全部、お仕事だったんですか?」
「生徒が危ないことをしていないか、見守るのは仕事だねぇ」
「あのキスも?」
「……稲積が結果的にどう思ったにしろ、この夏は一緒にいることが多かったねぇ」
学校行事も含まれるけれど、ほとんどそれ以外の場所で……勘違いをさせても仕方ない場所で共に過ごした。
楽しかったと笑ってくれるなら、先生と慕ってくれるならそれで良かったのに。
「でもそれは、デートとして約束をしたわけでも、何か思いがあった上でのことではない、ってのはわかる?」
ただの偶然、不慮の事故。突き放すための言い方はあるけれど、あの時咄嗟に出たのは『秘密』だった。
本当に口外されなければ、良くも悪くも受け取ってくれて構わなかった。一人で舞い上がるのは勝手だから。
「私は、先生と過ごせて嬉しかったけど……迷惑だったってこと?」
「そうは言ってないよ、生徒に慕われるのは教師として嬉しいし。ただ……それだけだねぇ」
「それだけ……」
「たまたまそこにいたのが君だった。僕は生徒には分け隔て無く接しているつもりだよぉ?」
真っ直ぐこちらを見ていた瞳が揺れる。暗に特別では無いと聞かされて、期待でも打ち砕かれたのだろう。
僅かに悔しさと悲しみで眉を顰め、唇に触れる。思うことはあるだろうが、事実だ。
――事実でなければ、いけない。
「誰でも、一緒なんだ……『先生』にとっては」
「そうだねぇ『生徒』に優しくするのが『先生』の仕事だからねぇ」
「もし、そうなら」
自身の唇を触れていた手を握りしめ、柚春は再びウォルターを見据える。
「『優しい先生』を、私は知らないはずだよ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年06月21日
参加申し込みの期限
2022年06月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年06月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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