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【パズルみたいな人生だから】
もうすぐ21歳だ。
葉月 朱真
はふんむと思案する。
20歳を越えれば等しく大人だろうか。大学生は大人だろうか。親元を離れて暮らしてはいるものの、メイドの同居人は実家の計らいであるし結局は庇護下にあるとも言えよう。しかし許嫁はいる。結婚を視野に入れたお付き合いもしているとあらば、こりゃあもう大人といってはばかるまい。いやいやしかし、その許嫁とて親同士の決めたことだ、もちろん彼に不満はないのだが、それは己の意思で決断したと言い切れるものだろうか。
とかなんとか、理屈っぽい朱真は時にとりとめない思考にとらわれたりする。ハタチを越えれば世間一般としては大人と扱われよう、しかしそれでいて真に精神的に成熟しているとも言いがたい。そんな曖昧な年ごろなのだし、ことに朱真は生真面目の凝り性だ。とことん突き詰めようとするあまり、惑ったりすることもあろう。
「いや。そんなことを考えてしまうこと自体、はは。私もまだまだ子どもなのかもしれないな」
「そうかもしれない。けれどね……
前にも言ったことがあったかな
。我々は急いで大人になることもないと、そう思う」
寒河江 和光
は本日も実にオトナであった、朱真から見れば自分よりよほどに達観している。しかも彼自身がそれを驕るようなところは微塵もない。
誕生日は親友と過ごすことになったから、今日は前祝いをと用意してくれたこの席で、ともすればうっかり悩み相談のようになってしまうキマジメ朱真をあっさりと受け入れ、諭してくれる彼の度量である。
「いずれ結婚するだろうとしてもね。私たちは私たちらしく歩めばいい」
「……うん。そうだな。うん」
さすがは我が許嫁、かなわないな、と苦笑いした。
そんなわけで朱真の誕生日当日。
古苗木 美姫
は面食らっていた。
「大きい……」
初めて訪れた親友の家が、とにかくでかいのである。敷地の先が見えない。何坪くらいあるのだろう。これで本宅ではなく別邸だというのだから恐れ入る。
「なんだか圧倒されちゃいそうですねえ」
「こちらです」
「あ、はいはい」
メイドさんに案内されて家の中へ、ていうかメイドさんがいる時点で美姫の常識外である。なんだここは華麗なる血族の世界か、朱真は朝の目覚めとともにメイドの淹れるコーヒーをひと口、ベッドで新聞を広げて世の中の変容を眺め、重々しくうむっとうなずいたりするのだろうか。
突飛な想像が頭を巡り始めたところでふたたびメイドさんに呼ばれたので我に返り、別邸を歩む。まあ実のところ事前に朱真から話は聞いていたのだが、家の中には家具の類が少なく、どこかがらんとしている。目を惹くのは専門書の類がぎっしりと収められた本棚のいくつかくらいで、あとはサーバールームとして利用している部屋がある程度だ。どうにも淡泊な朱真らしい家ともいえた。
せっかくメイドさんもいるのだし、自分ならもっとおしゃれに優美な装飾を盛り込んで、インテリアも含めてトータルコーディネートを……とまたイメージがぐるぐるし始めたところで。
「いらっしゃい、美姫。来てくれてありがとう」
「あっ。朱真ちゃん……!」
朱真のいわく。
「君がいると、この寂しい家も華やぐような気がするよ。これも君の人徳というものかな」
「ふふ、そんなことはないですよ。そういえば、和光さんが来られなくて残念でしたね。本当は彼とふたりきりで過ごしたかったんじゃないですか?」
「からかわないでくれ……まあ都合がつかなかったのだから仕方がないよ。それに先日、前祝いもしてもらったしね」
確かにいささかがらんとして見えたこの別邸が、今は明るく火が入ったかのようだ。
美姫の買ってきたプレゼントのスパークリングワインで、まずは乾杯。お誕生日おめでとう、と美姫が告げると、朱真はどこか照れくさそうにはにかんだ。
もう一つのプレゼントには、ナインスクエアというカードゲームを贈った。
「正方形の9枚のカードを並べるだけ、というシンプルなゲームだそうですよ。ほら、朱真ちゃんはパズルゲームや卓上ゲームが好きだから、ちょうどいいと思って」
「ああ、これはいいな。素敵なプレゼントをありがとう、美姫」
これには朱真もいたく喜び、その様に美姫の頬も思わず緩んだ。
そういえば、と。カードゲームを確かめながら、不意に朱真は尋ねた。
「君は、卒業後の進路はもう考えているのかい?」
「進路ですか? そうですねえ」
「いや、このゲームで思いだしてね。私は主宰している
ゲームブランド
で、ちょっとした挑戦をしてみようと思っているんだ。まだ詳しくは言えないんだが」
「なるほど。朱真ちゃんのことだから、きっと楽しいお仕事になりそうですね♪」
思えば二人とも、残された大学生活も長くはない。卒業後を視野に入れて、あれこれと動き始めるべき時期だ。
といっても、どちらもある程度方針は定まっているらしい。
「私は、小学校の先生になりたいなって。教職過程はもう取ってますし」
「小学校教諭か! それはまた、美姫にぴったりだ。子どもたちに人気の先生になりそうだね」
「ふふ。そうなれたらいいですね。いえ、なってみせます!」
「君なら、うん、なれるとも」
朱真は親友の決意に満ちた真っすぐな顔を眺め、目を細める。
自分たちはまさしく、子どもから大人へ変わってゆく、その境界にあるのだとあらためて実感する。目の前の美姫などがその良い実例ではないか、おっとりとして愛らしい、同性からみても好ましいお嬢さんの彼女が独り立ちへの道筋を定め、努力を始めている。近頃は交際中の男性もいるそうだ。うん、そちらも後ほど、親友として確かめておかねばなるまいな。
子ども、大人の境をすっぱりと切り分けられるはずもない。徐々に、少しずつ複雑さを増し、あらゆる感情や事象を束ねては成長してゆく。
「まるで、パズルを作り上げていくように……なんていうのは、ちょっとこじつけかな? ははは」
美姫はもちろん否定しない。ただ、素敵です、と言ったのみだ。
「よし。君のくれたゲーム、いっしょに遊んでみようか。楽しそうだし、刺激を受けて、新作ゲームのアイディアも浮かぶかも」
「いいですね。アケノイロパズル、私も期待してますよ♪」
やがて自然と、羽化する時も来よう。その時まではまだ、無邪気を忘れず、自分らしく。
二人の笑い声は葉月家別邸へ、夜半過ぎまで響いた。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
NPC交流
定員
20人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年05月05日
参加申し込みの期限
2022年05月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年05月12日 11時00分
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